【解説】金融経済教育推進へ新機構
(解説 2024-04-11付)

 金融広報中央委員会、全国銀行協会、日本証券業協会が発起人となり「金融経済教育推進機構」が5日付で設立された。官民一体となって全国的に金融リテラシー向上に向けた教育を推進する組織となる。今後理事や運営委員を任命し、25日に金融庁で第1回運営委員会を開催。内部規程や事業計画などを決定した上で、8月からの本格稼働を目指す。

 金融広報中央委員会が1月に公表した「15歳のお金とくらしに関する知識・行動調査2023年」調査によると、高校1年生の保険や金融経済に関するリテラシーのスコアは高い一方、生活設計、ローンクレジット、資産形成のスコアは50%を下回り、物価、リスク・リターン、複利の基本の理解が不十分としている。

義務教育終了段階で最低限身に付けているべき金融リテラシーを身に付けるため、業界から金融経済教育の一層の推進を求める声が高まっている。

 日本証券業協会が事務局を務める金融経済教育を推進する研究会は3月27日、文部科学省に対し次期学習指導要領の改訂に向けた要望書を提出。中学・高校における金融経済教育のさらなる拡充を求めた。

 要望内容は①投資の意義・役割に関する学習内容の一層の充実②資産形成に関する学習内容の一層の充実③金融に関するウェルビーイングを育成する教科の新設④教員向け支援体制の整備⑤金融経済教育に関する授業時数の確保⑥PISA金融リテラシー調査への参加―の6事項。

 家計管理、生活設計、資産形成等に関する学習内容を集約した教科「ファイナンシャル・ウェルビーイング科(仮称)」の新設を提言したほか、資産形成に関する実践的な学習内容の充実、大学の教員養成課程において金融・経済を学ぶ機会の充実を求めている。

(解説 2024-04-11付)

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