【解説】現場体験で志望意識向上
(解説 2024-04-22付)

 大学における教育実習は教育課程の終盤に行うことが多いが、早い段階で学校現場を体験することが、教職志望の萌芽や維持・向上に効果を発揮している。現場の教員の授業方法や児童生徒との接し方を直接見ることが大きな刺激となり、大学の学びと教育実践を相互に関連させる「理論と実践の往還」を重視した主体的な学びにも寄与している。

 草の根教育実習は2年度から開始。大学生が学校を訪れ、チーム・ティーチングや教科指導などの授業体験、児童生徒との交流、現職教員との対話、校内研修や職員会議への参加、地域との連携・交流活動などに取り組む。

 道教委が、希望する大学生と協力する小・中学校のマッチングを行い、実習に関する説明や動画視聴を経て参加する流れとなる。

 参加大学や学生数は徐々に増加し、5年度は公立・私立大学18大学から184人が参加。前年度と比べて4大学30人の増となった。実習の受け入れ校は14管内66市町村の小学校59校、中学校43校、義務教育学校7校の計109校。

 道教委が実施したアンケートによると、子どもたちとの直接的な触れ合いや部活動指導など大学で学ぶことのできない経験によって、参加者の95%が「有意義だった」「教職への志望意識が高まった」と回答している。1人1台端末を活用した授業に対する興味・関心も非常に高い様子がうかがえる。

 全国の公立学校教員採用選考試験の採用倍率は平成12年度の13・3倍をピークに下降し、5年度は3・4倍と4年連続で過去最低を記録。生産年齢人口の減少に伴い各分野で人材競争が加速化し、継続的・安定的に教員の確保が求められる中、教職の魅力に触れる学校体験活動が一層重要になっている。

(解説 2024-04-22付)

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