【解説】体力向上の熱気 全道に
(解説 2024-04-26付)

 報告書によると、教師の指導の工夫が運動の苦手な児童生徒の授業理解に十分つながっていない面もあることから、児童生徒が自己の変容に目を向けられる授業展開の工夫、自己や仲間の課題に応じて解決方法を自ら選択・実践できる「学習活動の複線化」、ICTの効果的な活用など「授業観の転換」を図る必要性を示している。

 道内の小学校体育専科教員、エキスパート教員、中学校授業実践スペシャリスト配置校では、授業内外を通して体力向上に向けた取組を積極的に進めており、運動の得意・不得意な児童生徒の二極化解消にも寄与している。授業では目標を意識し、協働的に学び、学習内容を振り返り「できた」「分かった」を実感する児童生徒の割合が高く、配置校の平均体力合計点は小学校男女、中学校女子で全国平均を上回っている。

 道教育大学札幌校の中島寿宏教授は、専科教員等の配置校の共通点として、教員、子ども、学校全体の「三つの熱気」を指摘する。「課題に取り組む姿勢・思いの熱さが学校全体に熱気として広がり、結果として子どもたちの体力向上につながっている」「先生たちの取組が北海道全体での授業改善や体力向上に大きく貢献しており、授業改善の流れを北海道の各地に広げていくことが北海道の子どもたちのさらなる運動への意識の高まりや体力の向上に結び付くだろう」と語る。

 道教育大旭川校の高瀬淳也教授は、教師が働きかける「外発的な動機付け」と児童生徒自らの「内発的動機」を使い分ける有効性に触れ「はじめは“面白いからやってみよう”と体育教師からの声かけから始め、運動をするうちに技能を身に付ける喜びや運動することの心地良さを感じ、最終的に内発的動機付けによって運動に取り組んでほしい」と期待する。

(解説 2024-04-26付)

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