校内委員会の機能充実へ 教育支援委向け手引作成 学びの場の柔軟な見直しを 道教委など( 2024-10-04付)
道教委と道特別支援教育振興協議会(会長・大石正行鶴居村長)は「教育支援委員会と校内委員会の機能充実を図るためのハンドブック」を作成した。保護者の意向を可能な限り尊重するための手だてや柔軟に在籍を変更するための考え方などを提示。同ハンドブックの活用によって、適切な就学先となる学校や学びの場の判断・決定、柔軟な見直しにつながるよう期待している。
特別支援教育の対象となる子どもが増加する中、子どもの学びの場を検討する上で市町村教委が設置している教育支援委員会や各校の校内委員会の役割がより一層重要となっている。
そうした中、道教委では、適切な就学先の決定や学びの場の柔軟な見直しに向けた支援を施策の一つに位置付け、各種取組を推進。同協議会では、市町村の支援員等を対象とした研修会を実施するほか、前年度「小・中学校の管理職のための特別支援教育ハンドブック」を道教委と共に作成するなど、道内特別支援教育の充実に向けた様々な取組を行っている。
これら取組の一環として、本年度は校内委員会の機能充実を図るため、同ハンドブックを発刊した。
ハンドブックは、第1章「保護者の意向を可能な限り尊重するために」、第2章「柔軟に在籍を変更するために」の2章立てで構成している。
第1章では、保護者が正確な情報について理解した上で就学に関する事前相談や支援に臨めるようにするための手だて、教育支援委員会で審議を行う際のポイントを掲載。相談担当者が行動観察を行う際の留意点として①子どもとの直接的な関わりを大切にする②子どもの可能性を探る視点を持つ③事前の情報収集を大切にする―の3点を示している。
第2章では、各学校に設置されている校内委員会の役割に焦点を当て、市町村の教育支援委員会で審議を行う前に、校内委員会において学びの場の検討を行う際の重要事項を整理。児童生徒の教育的ニーズを踏まえた必要な支援内容を把握するために、校内委員会において児童生徒の困難さだけではなく、支援内容が児童生徒に合っているのかを整理する大切さなどを説いている。
このほか、事前の相談・支援を充実させるためのチェックリストや多様な学びの場について保護者に説明する際に活用できる各種資料を掲載している。
ハンドブックは今後、今月中旬をめどに教育局等を通じて各市町村教委および各小・中学校に冊子として配布する予定。
( 2024-10-04付)