文科省 社会資源を活用した土曜日の教育支援 本年度は44市町村で実施 自然体験など生きたプログラム提供
( 2015-08-24付)

 文部科学省の「地域の豊かな社会資源を活用した土曜日の教育支援体制等構築事業」による本年度の道内の実施市町村が決まった。前年度の三十五市町村から四十四市町村に拡大。各市町村ごとに運営委員会を設置するとともに、円滑な活動の実現に向けて土曜教育コーディネーターを配置する。地域人材の協力を得て、自然体験活動など特色を生かした様々な取組を進め、土曜日ならではの生きたプログラムを提供していく。

 学校週五日制は、学校・家庭・地域が連携し、社会全体として子どもを育てる基本理念のもと、十四年度から完全実施された。土曜日に様々な経験を積み、自らを高めている子どもがいる一方で、有意義に過ごせていない子どももいることが指摘されている。

 文科省は、すべての子どもたちの土曜日における教育活動を充実するため、地域の多様な経験や技能をもつ人材・企業等の協力を得て、土曜日に体系的・継続的な教育プログラムを企画・実施する学校および市町村等の取組を支援するために、同事業を計画。教育支援に取り組む体制を構築し、地域の活性化を図るため前年度から行っている。

 事業実施に当たっては、国と道と市町村が三分の一ずつを負担。各自治体においてはこれまで、土曜日等にカヌーや川釣り、雪遊びなどの自然体験活動、英会話教室、調理実習など地域の特色を生かした取組を展開してきた。

 本年度の実施自治体は、前年度の三十五市町村から四十四市町村に拡大。各市町村では、土曜日等の教育活動の運営方法を検討する運営委員会を設置。体系的・継続的な教育プログラムを企画するとともに、内容に応じた多様な支援人材の発掘・依頼を行っていく。

 また、市町村が独自に配置する土曜教育コーディネーターが、小・中学校の要望や教育活動を踏まえて、様々な経験や技能をもつ土曜教育推進員に依頼し、土曜日ならではの生きたプログラムを提供する。

 今後、道教委が設置している「北海道地域の教育力向上推進委員会」が実施市町村を視察し、事例集をまとめる予定。

 本年度の実施市町村はつぎのとおり。

▽空知=滝川市、深川市、由仁町、長沼町

▽石狩=石狩市、当別町

▽後志=寿都町、留寿都村、古平町、仁木町

▽胆振=厚真町、洞爺湖町、安平町、むかわ町

▽渡島=北斗市、木古内町、鹿部町

▽桧山=厚沢部町、今金町

▽上川=士別市、名寄市、富良野市、東神楽町、東川町、美瑛町、下川町、幌加内町

▽留萌=初山別村、遠別町

▽宗谷=枝幸町、礼文町、利尻町、利尻富士町

▽オホーツク=美幌町、津別町、興部町

▽十勝=帯広市、音更町、大樹町、豊頃町

▽釧路=釧路町、鶴居村

▽根室=根室市、羅臼町

( 2015-08-24付)