文科省 放課後子ども教室―61市町村を採択 7町村が一体型で実施 放課後児童クラブと連携
( 2015-09-09付)

 文部科学省は、「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」を活用して放課後子ども教室に取り組む道内の六十一市町村を採択した。このうち七町村は、厚生労働省管轄の放課後児童クラブとの一体型として採択。一体型では、放課後子ども教室が学習支援や体験活動などのプログラムを放課後児童クラブに登録している子どもにも提供していく。

 昨年七月、文科省と厚労省は「放課後子ども総合プラン」を策定。日本経済の成長を持続していくためには、女性の力を最大限に発揮するため、児童を安全・安心に預けることができる環境整備が必要と指摘した。

 また、保育所を利用する共働き家庭等が感じる「小一の壁」を打破するため、保育サービスの拡充や、児童が放課後等を安全・安心に過ごすことができる居場所整備を進めていく必要があるとし、共働き家庭等の児童を含めた全児童が放課後等に活動できることの重要性を示した。

 そこで、このプランをもとに、文科省管轄の「放課後子ども教室」と、共働き家庭等の児童を対象とする厚労省管轄の「放課後児童クラブ」を一体型、または連携型として採択できるよう整備。すべての子どもを対象とした学習支援や体験プログラムを充実させていく。

 本年度は、道内六十一市町村が文科省の「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」を活用して放課後子ども教室を進める。採択数は前年度と同数。このうち、七町村は一体型、二十四市町は連携型として採択した。

 一体型は、放課後子ども教室と放課後児童クラブが、同じ小学校内や公民館内、隣接地にあり、学習支援や実験・工作・英会話・芸術の体験、スポーツ活動などの様々なプログラムを共同で行う。連携型では同教室と同クラブが一緒に活動する。うち、むかわ町では、複数の小学校で一体型と連携型のそれぞれを取り入れる。

 一体型の実施に当たっては、校区ごとに協議会を設置し、放課後子ども教室のコーディネーターや、子どもたちにプログラムを提供する教育活動推進員および教育活動サポーター、放課後児童クラブの指導員などが連携する。

 なお、道教委が設置している「北海道地域の教育力向上推進委員会」が、各地域の活動を視察して事例集をまとめる。

 二十六年度は、市町村・民間実施分を含め、同教室が百五市町村、同クラブが百五十七市町村で実施された(政令市の札幌市、中核市の函館市・旭川市を除く)。道教育推進計画では、放課後の子どもたちの安全・安心な活動拠点が整備されている市町村の割合を二十九年度までに一〇〇%とする目標指標を掲げており、道教委では、同教室および同クラブの展開に期待している。

 事業採択された市町村はつぎのとおり。

▽空知=滝川市、歌志内市、上砂川町、由仁町、浦臼町、秩父別町

・連携型=砂川市、南幌町、長沼町

▽石狩

・連携型=恵庭市、北広島市、石狩市、当別町

▽後志=寿都町、黒松内町、蘭越町、ニセコ町、積丹町、余市町

▽胆振

・連携型=登別市、厚真町、むかわ町

・一体型=むかわ町

▽日高=平取町、新冠町

・一体型=様似町

▽渡島=北斗市、知内町、七飯町、鹿部町

▽桧山

・一体型=厚沢部町

▽上川=士別市、名寄市、富良野市、南富良野町、下川町

・連携型=東川町、上富良野町、中富良野町、美深町

▽宗谷=稚内市、礼文町、利尻富士町、幌延町

・連携型=浜頓別町、中頓別町、枝幸町、豊富町

▽オホーツク=北見市、網走市、滝上町

・連携型=訓子府町、大空町

・一体型=津別町、小清水町、西興部村

▽十勝=本別町

・連携型=帯広市

・一体型=清水町

▽釧路

・連携型=釧路市、釧路町▽根室

・連携型=根室市

( 2015-09-09付)