2定道議会予算特別委員会(7月7日)の質問・答弁概要(道議会 2015-09-15付)
二定道議会予算特別委員会第二分科会(七月七日開催)における荒当聖吾委員(公明党)の質問、および柴田達夫教育長、杉本昭則学校教育監、梶浦仁学校教育局長、成田祥介新しい高校づくり推進室長、馬橋功教職員課長、岸小夜子義務教育課長、松本邦由新しい高校づくり推進室参事(高校配置)、相馬哲也新しい高校づくり推進室参事(改革推進)の答弁の概要はつぎのとおり。
【新しい高校づくりについて】
荒当委員 道教委には、「新しい高校づくり推進室」という部署が置かれていると承知している。いつ、どのような理由で置かれたのか伺う。
松本新しい高校づくり推進室参事(高校配置) 新しい高校づくり推進室について。将来の本道を担う人材の育成を進めるという視点に立ち、本道における高校教育のあるべき姿や、それを踏まえた高校配置の在り方について検討し、高校教育に関する指針を策定するための専掌の組織として十六年十一月に「新しい高校づくり推進室」を設置した。
その後においては、指針の考え方に基づき、新しい高校づくりの推進や、高校配置計画の策定に関する業務を行っている。
荒当委員 その「新しい高校づくり推進室」では、これまで、どのような新しい高校づくりを推進してきたのか伺う。
相馬新しい高校づくり推進室参事(改革推進) 新しい高校づくりの推進について。道教委では、これまで、社会の変化や生徒の多様な興味・関心、進路希望等に対応し、学習の選択幅を拡大するため、総合学科や普通科単位制、普通科フィールド制などの新しいタイプの学校を設置するとともに、職業学科の学科転換を行うなどして、特色ある学校づくりに取り組んできている。
また、地理的状況等から再編が困難であり、かつ地元からの進学率が高い一学年一学級の高校を地域キャンパス校とし、センター校からの出張授業や遠隔授業、連携した教育活動等によって教育環境の維持充実を図るなど、地域の実情等を踏まえた新しい高校づくりを進めてきた。
荒当委員 条件に当てはまる小規模校を地域キャンパス校として、センター校から出張授業や遠隔授業を行っていると伺ったが、その遠隔授業については、文部科学省からの指定を受けて研究していると伺っている。どのような研究をしているのか伺う。
相馬新しい高校づくり推進室参事(改革推進) 遠隔授業の研究開発について。道教委では、文科省の指定を受け、二十五年度から四年間の予定で、離島の高校や小規模校の教育水準の維持・向上を図るため、映像や音声を同時双方向で配信できるシステムを活用した遠隔授業における単位認定の在り方等の研究開発に取り組んでいる。
これまでの研究開発においては、選択科目の開設やチームティーチングの実施など、生徒の学習ニーズに対応した支援が可能になった。実技を伴う書道などの科目でも、授業の進め方やカメラワークの工夫などによって、対面授業と変わらない学習効果が得られるなどの成果がみられている。
今後は、こうした成果等を踏まえ、手元用ハンディカメラやタブレットの効果的な活用方法など、遠隔授業の応用・実践に向けた研究開発を進めることとしている。
荒当委員 観光について伺う。観光の振興に貢献できる人材の育成について、本道においては、知事公約にもあるとおり、外国人観光客三百万人プロジェクトの展開として、「地域資源を活かした観光の振興」を推進していく必要があり、高校においても、地域の教育資源を活用して、「観光」についての学習機会を設け、人材の育成に努めなければならないと考えている。「観光」の振興にかかる人材の育成のため、道内の高校においてはどのような取組が行われているのか伺う。
相馬新しい高校づくり推進室参事(改革推進) 観光の振興にかかる人材の育成について。道内の高校においては、例えば、地元商工会等と連携し、商業の学校設定科目「観光一般」において、観光地を紹介するWebページ・パンフレットの作成や観光地をめぐる旅行プランの開発、観光に関するコースを設定して、地元のホテルでの体験実習などを通じた観光ビジネスに関する知識や技術の習得の取組など、地域の観光資源を取り入れた特色ある教育活動の事例がみられる。
― 要 望 ―
荒当委員 観光地をもつ地域の高校生が、プランを練るということは、大変有意義であると思っている。
地元をよく勉強して知って、地元を愛することにつながるのではないか。これは、進めていただきたい。
観光を高校で学ぶことで、観光のプロをつくるという話ではない。おもてなしの心は、観光を勉強するからというのではなくて、すべての高校生にも、そういう心で対応できる人材をつくることで、観光客も困ったときに頼ることで、日本人は本当に優しい人が多いという高い評価につながると思うので、推進をお願いする。
荒当委員 知事公約では、本道の土台・先進の農林水産業の確立として、「森林づくりの担い手の育成」も掲げており、私の地元の芦別市においては、林業の担い手の育成について検討が進んでいる。複数の企業や市役所が、学校をつくる取組をしている。道内の高校においては、「林業」の振興にかかる人材の育成のため、どのような取組が行われているのか伺う。
相馬新しい高校づくり推進室参事(改革推進) 林業の振興にかかる人材の育成について。道教委では、道立の農業高校三校に森林科学科を設置しており、これらの学校では、森林のバイオマス生産・利用、環境保全および森林経営に関する知識や技術を習得させ、森林のバイオマス・環境資源を育成・活用する技術者として必要な能力や態度の育成に努めている。
また、総合学科校においては、選択科目「緑地環境」を設定し、学校林を活用した樹木の生態調査を行うなどして、森林環境やその保全についての学習に取り組んでいる事例もある。
道教委としては、今後も、こうした特色ある取組を、道教委や学校のWebページで配信するなどして、林業の振興をはじめとした、地域の産業を担う人材の育成に努めていく考えである。
― 意 見 ―
荒当委員 地方創生の議論が今まさになされている。各自治体も、地方創生をかけて、地域戦略を練っている。地域においても、大都市の一局集中、地元からの人口流出をどうくい止めるかを議論している中だが、芦別においては、林業を掲げて取り組んでいる。
道教委こそが、地域の産業を担う人材を育成、輩出して、地方創生に真剣に取り組んでいただきたい。
荒当委員 道内全体で、観光や第一次産業の振興を課題として取り組むことは当然だが、それぞれの地域においては、疲弊した経済の状況や人口の減少など、個別の課題と直面している。小規模校や自治体に一校という、いわゆるゼロ・ワン地域で、芦別の隣、赤平・歌志内は高校がなくなってしまった。三市で一校の高校しかない。そういう地域に対して、地域の課題解決に取り組む人材の育成が必要だと考える。そのような高校では、どのような取組が行われているのか、また、今後、どのように進めていくのか伺う。
成田新しい高校づくり推進室長 小規模校などにおける人材育成について。小規模校などにおいては、例えば、二年生全員が、地元の企業でインターンシップを行うといった、地域と連携したキャリア教育の取組であるとか、地域の主要農産物であるタマネギの収穫を手伝うといった、地域貢献につながるボランティア活動の実施などの教育活動を展開している。
こうした地域と連携した取組は、高校生の地域理解を促進するとともに、将来、地域に貢献する意欲をもった人材の育成につながるものであるから、本年度、新たに実施する事業である「小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業」なども通して、各学校において、学校・学科の特性や、地域の自然、産業等の教育資源を生かした教育活動を展開し、地域を担う人材の育成に努めていく。
― 意 見 ―
荒当委員 高校生の地域理解の促進、将来、地域に貢献できる意欲をもった人材の育成に何としてもつなげていただきたい。それこそが、地方創生につながる大きなことになると思う。
インターンシップもボランティアも素晴らしい取組だと思うが、三日間という期間であった。ちょっと心もとないかなという気もするが、高校生に職業観や勤労観を育む学習プログラムの推進をぜひともお願いしたい。
【高校の配置について】
荒当委員 日本国民の総人口が減少する時代に入った。道内においても、少子化、地方の疲弊化によって、地域の人口減少が著しい。
そこで、道内各高校では、道教委の高校配置計画において、統廃合や学級減の措置がとられてきている。私は、元高校の教員として、不本意ながらも、生徒数に合わせた配置計画はやむを得ないという立場ではあるが、それは、倍率を大きく割り込んでしまった学校は、生徒の学習環境に良くない。それを経験として痛感しているからである。
しかしながら、各地域にあっては、地域の高校をなくさないでほしいという強い要望の声も聞こえている。そこで、配置計画について、提案を含め質問していく。
まず、道内の学校は、市町村立高校から始まっている学校が多い。
当初は定時制、女子校、炭鉱科、農業科、いろいろなそのまちの課題を解決する人材を輩出させるための学校だった。そして、地元の高校をさらに立派な学校にしたいという地域の思いが、市町村立から道立学校に格上げしたいという考えで、昭和二十年代後半からあったようだ。まちでたくさんの金をかけて環境を整えて、たくさんの市町村立学校が道立学校になった事実が、道議会の議事録を拝見すると、議論されたことが分かる。
しかし、現在、配置計画によって、そのまちの悲願だった元市町村立学校である道立高校がなくされようとしている。そこで伺っていく。
このたび、高校配置計画案で、奥尻高校が二十八年度に町立移管されることが公表されたが、道教委と奥尻町の間で、どのような経緯があったのか。また、道教委としては、今回の町立移管について、どのように認識しているのか伺う。
松本新しい高校づくり推進室参事(高校配置) 奥尻高の移管について。奥尻町が二十四年に策定した「奥尻町立小・中学校適正配置計画」では、町内二つの中学校を統合することと併せ、中高の連携交流を一層進める観点から、新しい中学校は、できる限り奥尻高に近い場所に新設することとされた。
町では、この計画に基づき、二十四年以降、奥尻高の移管を受けた上で、校舎の一部を新設する中学校として活用する方策も含めて、検討を進めてきており、道教委としても、校舎や敷地の取扱いなど、移管する際の検討事項や手順などについて、町と協議を重ねてきた。
このたび、奥尻町から、奥尻高を町に移管した上で、町立高校として存続することについて要望があったが、この要望は、島の将来を担う子どもたちが島に在住しながら、より地域に密着した特色ある高校教育を受けることを目指したものと受け止めており、道教委としても、魅力ある高校づくりに向けた町の取組を支援していく考えである。
― 意 見 ―
荒当委員 奥尻町の決断を尊重して、道教委も本当に応援していただきたい。
荒当委員 「新たな高校教育に関する指針」では、市町村立への移管について掲げられている。「地元市町村から高校を核として地域振興や特色ある学校づくりを進めるため、要望のあるときには、移管について協議を進める」とある。
こうした考え方が示されているにもかかわらず、市町村では、「知らずして分からなかった」状況で、道教委の配置計画に基づく道立学校の閉校を、指をくわえているといった状況はなかったか。
例えば、市町村立学校を設置する場合、どのくらいの経費がかかるか、交付税としてこれだけ措置されるといったことについて、市町村に情報提供をするなど、市町村と協議を行っているのか伺う。
松本新しい高校づくり推進室参事(高校配置) 市町村との協議について。移管も視野に入れた検討を進めたいとする市町村に対しては、人件費負担など高校の運営に必要となる経費負担や、国から措置される地方交付税や授業料収入等の財源の状況のほか、教職員定数の内容、条例・学則といった各種の規定の整備や設置認可の事務手続など、移管を検討する際に必要な事項について情報提供を行ってきた。
このたびの奥尻高の町立移管についても、こうした情報提供や協議を経ながら検討を進めてきており、今後とも、移管を含めて検討を進めようとする市町村に対して、必要な情報提供を行いながら、協議を進めていく考えである。
荒当委員 奥尻高の町立移管にかかわって、校長・教頭先生の登用について、地域の実情に応じた教育活動を推進するため、小規模校への理解や地域に溶け込むことができる管理職を配置する必要があると考えている。これは、奥尻高に限らず、移管する決意をした市町村において、校長先生、教頭先生の登用について、まちで決めさせてもらいたい、まちで決める必要があるのではないかという主張である。
そこで、町教委が、地元に理解のある方や町行政の関係者などを、高校の校長・教頭先生として独自に任命をするのは可能なのか。
また、町教委が道教委に対して、地元の意向に添うような方を管理職として求めた場合、最大限配慮して人事を進めてもらう必要がある。見解を伺う。
馬橋教職員課長 校長・教頭の任命について。全日制町立高校の校長、教頭については、教育委員会の権限を定めた地方教育行政法で、町教委が任命することとされており、また、管理職の資格を定めた学校教育法施行規則では、教員免許状を有する者のほか、幅広く人材を確保する観点から、特に必要と認める場合には、教員免許状や教職経験を有しない者についても任命することができるものとされている。
町立高校の管理職については、これまでも町教委が道教委と協議しながら任命してきており、今後とも、人事協議に当たっては、地域や保護者の期待と信頼に応える教育実践の推進に向け、適任者が配置できるよう、町教委の意向に十分配慮していく。
― 意 見 ―
荒当委員 管理職ができるということは、当然、先生方も地域の意向によって人事を進めることができるものと理解しておく。
どんなへき地と呼ばれる地域であっても、そこで人々が暮らし、まちの文化や歴史があることをしっかり理解して、そのまちの子どもたちを応援できる先生方で固めることができると理解した。
このまちに骨を埋める決意と覚悟のある先生方にこそ来てもらいたいと思っている。
荒当委員 市町村が創設し、その後、道に移管された高校は、道教委が配置計画で閉校の決定をする前に、市町村に移管することを検討すべきではないか。高校を設置する市町村には、地方交付税も措置されることもあり、道立学校を再度、市町村に移管することによって、あらためて地元の課題を解決させる人材を創る学校として、光り輝く学校となるのではないかと考えるが、所見を伺う。
柴田教育長 道立高校の市町村への移管について。地元の市町村から特色ある学校づくりなどを進めるために、市町村立高校としての設置の要望がある場合には、指針に基づいて、当該市町村と移管について協議を進めることとしており、市町村からこうした要望があった場合は、要望の内容や地域の高校の配置状況などを勘案しながら、協議を進めていくこととしている。
また、協議に当たっては、移管の際に検討が必要となる事項はもとより、他地域における先進的な学校づくりの取組などについても情報提供を行いながら、地域に根ざした魅力ある学校づくりを進めようとする市町村の取組を支援していきたいと考えている。
― 意 見 ―
荒当委員 魅力のある学校、特色のある学校、地元の課題を地元の学生で解決する人材を輩出していける学校こそが、生き残るというか、むしろ栄えていく学校だと思う。
行政を巻き込んで、フットワークよく進めていける学校などあれば、素晴らしいと思っている。学校経営自治体に交付税が入る。人件費も道から入る。人材は選びに選び抜いたスタッフ体制で取り組む。市町村立学校に力を入れている地域は、小さくてもキラリと光る自治体になっていると思う。道教委が閉校という判断をする前に、市町村にお返しをするべきだと強く訴えさせていただきたい。
【旭川工業高の学級減】
荒当委員 六月に、旭川工業高校の学科・間口を減少させることが、高校配置計画案において発表された。
これまでも、旭川工業高は、道北の職業人を育成し、ものづくり産業を支える人材を輩出してきた、重要な拠点校である。
たしかに、少子化や保護者・中学校卒業者の進学先のニーズは、普通科志向が顕著となっている。しかしながら、一次・二次産業を支えるべき人材を輩出せずに、進学を目的とする普通科高校ばかりを残すことで、産業の空洞化を招いてきたのではないか。また、工業立国で成り立ったわが国や本道の一次・二次産業を中心とする産業構造を担う人材を、早急に育成していかなければならないが、みすみす手放しかねない、技能の伝承が途絶えかねないと言っても過言ではない。
加えて、先に述べた普通科志向ニーズであるが、行政、道教委こそがニーズに応えるのではなく、ニーズをつくっていくべきであると強く意見する。地域の課題は地域で解決することが最重要である。道北において、これまで工業人を育成してきた旭川工業高の教育機能を維持・充実されることが求められていると考えている。
以上のことから、全道の職業学科を有する高校を維持・充実させることは当然のこととして、今回の旭川工業高の学級減については見直しが必要であると考えているが、見解を伺う。
杉本学校教育監 旭川工業高について。高校配置計画については、高校進学希望者に見合う定員を確保することを基本に、それぞれの学区内の状況に応じた検討を行い、各学区ごとに策定している。
旭川市のある上川南学区については、学区内における市町村ごとの中学校卒業者数の状況などから、三十年に二百七十八人という大幅な減少が見込まれる旭川市内で定員調整を行うこととして、旭川市内の学校・学科の配置状況、生徒の進路動向、翌年度以降の中学校卒業者数の推移、さらには、これまでの市内の定員調整の状況などを総合的に勘案して、計画案においては、旭川工業高ほか一校において一学級減とした。
今後においては、資格取得の状況や進路動向などを分析しながら、学級減を行う学科について検討するとともに、高校が果たしている役割や地域産業との関連などを考慮し、旭川工業高の取組が充実したものとなるように、努めていく考え。
― 要 望 ―
荒当委員 今回、地方創生の話をしているが、職業学校こそが地域に根ざした職業人をはじめ、人口の流出をくい止めることができるのではないかと確信している。普通高校はある種、進学を目指す学校と言える。地方にあっては、進学先が少ない。では、どこに行くのか。札幌や首都圏に出るしかない。地方創生の逆を行っているとしか言いようがない。旭川工業高のみならず、道内の職業学科の支援をくれぐれもよろしくお願いする。
【教職員の研修について】
荒当委員 教員は絶えず研修に努めなくてはならないことは、教育公務員特例法のとおり。研修とは、文字どおり「研究と修養」である。先生方のライフステージに応じた研修は、初任者・五年・十年経験者、新任主幹教諭などに対して行われているが、そのほかに、日ごろの激務の中だが、時間をみつけて研修を受ける機会がある。
それは、道立教育研究所で用意している様々なプログラムを受講する機会である。
しかしながら、私の教員時代をかえりみると、自分の仕事の都合やタイミングに合わないと、生徒指導や教科指導の研究をしたくても、なかなか道立教育研究所に行くことはできなかった。
そこで伺っていく。
教員採用試験の合格者は、十一月下旬に発表されると思うが、合格してから四月の着任までの間、不安な日々を過ごしていた。以前の私の予算特別委員会での提案を受けて、オンデマンドで、採用前に最低限必要な事項を学ぶための、Web上の研修の場が整備されている。
きょうもたくさんの委員から、教員として教壇に立った瞬間から先生と呼ばれるという指摘・質問もあったが、それを聞いたときにできるんだろうかという不安があった。それを、これで解決していると思っているので、一定の評価、むしろ高い評価をしている。
このようなオンデマンドによる研修は、初任者の研修のみならず、拡大してほしいというお願いである。現職の教員が、いつでもどこでも、気になったことを研究できるようにするべきではないかと考えるが、道立教育研究所では、どのような取組が行われているのか伺う。
岸義務教育課長 道立教育研究所におけるオンデマンドの研修について。道立教育研究所では、日程の調整がつかず、研修を受講できなかった教員などが学校等のコンピュータで視聴したり、受講した教員が、研修講座の修了後に、講義を再確認したりできるよう、オンデマンドによる研修を行っている。
内容については、各研修講座における大学の教授等による基調講演を録画したものであり、道内の教員が幅広く視聴できるよう、「どうけんオンデマンド」という名称で、インターネットを通して配信している。
また、配信する講座の内容や具体的な活用方法を示した啓発資料を作成し、Webページに掲載ができるよう、オンデマンド研修の普及に努めている。
― 意 見 ―
荒当委員 オンデマンドを活用した講義の配信が進められて効果を上げている状況がよく分かった。情報機器の急速な進歩の中、今後は、例えば、遠隔地の双方向システムなどを構築して、道立教育研究所と学校を結んだライブ校内研修などができると素晴らしいと思うが、この点についても、検討いただくようにお願いする。
荒当委員 私も様々な研修に参加させていただいて、教員としての力量を本当につけさせていただくことができたと感謝していると同時に、研修が終わったあとの交流の時間まで、特に気を遣っていただくなど、楽しく有意義に過ごさせていただくことができた。
他校の教員と語り合う中で、様々な課題や取組などを伺う機会となり、意味のあるものであったと思っている。
オンデマンド研修の提案をさせていただいたが、一堂に会しての研修も大事であると考えている。
学校は、教員を出張させることで、授業の変更や交代など負担も大変大きなものになるとは認識している。しかし、せっかくの研修の機会であるから、例えば、最終日、道内の各地から集まっている同じ研修を受講した仲間が、研修後も交流できる教員集団となる方法を確保していただきたいと思うが、所見を伺う。
梶浦学校教育局長 研修講座修了後の受講者の交流について。広域な本道においては、異なる地域の教員が日常的に交流する機会が少ない中、道立教育研究所で受講した教員が、親交を深めながら情報交換などを行うことは、専門性の向上や視野の拡大をはじめ、教員間のつながりを深める上でも、意義あるものと考えている。
現在、道立教育研究所では、各研修講座の最終日に、研修の振り返りやまとめの時間を設けて、研修で学んだものを校内でどのように普及していくか、さらに、学校が抱えている課題をいかに解決していくかなどの交流を行っているほか、例えば、外国語の研修講座では、研修修了後、所属校に戻った受講者が、互いに指導上の悩みを相談し合えるよう、メールアドレスの交換など、連絡が取り合える環境づくりを進めている。
道教委としては、今後、こうした環境づくりを進めることとして、全道各地の教員同士が、研修講座修了後も継続的に情報交換ができるよう努めていく考えである。
― 意 見 ―
荒当委員 研修後の先生方のつながり、ネットワークはとても大事だと考えている。学校の先生は、一人で悩む人が多く、学校単位または一人で教科指導・生徒指導に悩んでいても、隣の学校の取組が解決してしまう取組をしていたということも、何度も経験している。
メーリングリストやいわゆるLINEを使って情報交換できるようにしたり、道研のWebページに教材の紹介や指導方法の相談窓口を開設したり、たまには管理職の文句を書けるようなところも用意していただいて、より多くの先生方の悩みや課題に応えていけるシステムの開発をお願いしたいと思っている。
(道議会 2015-09-15付)
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