北斗市が教育大綱を策定　基本目標未来いきる能力育成　６つの方針、１５施策盛る

（市町村 2016-03-09付）

　【函館発】北斗市は、二月下旬に開かれた第三回総合教育会議において、二十七年度から三年間を対象期間とする教育大綱を策定した。「心豊かで、たくましく未来をいきる資質・能力を育む教育の推進」を基本目標に定め、六つの基本方針と十五の施策で構成。市の実情に応じた教育活動の展開を目指す。

　教育大綱はつぎのとおり。

【社会を活きる教育活動の推進】

▼確かな学力を育む教育の推進

▽「知の保証プラン」によって、学習支援員や補助教員の配置、ＩＣＴ機器の活用など教育環境と教育内容の整備・充実を図る

▽九年間を学びの連続性ととらえ、互いに連携して諸課題を解決していくことで、児童生徒のより良い学びを実現できるよう、小中連携教育のより一層の推進や小中一貫した教育を推進する

▼人の痛みがわかる豊かな心を育む教育の推進

▽コミュニケーションの基本である「あいさつ」の大切さを認識し、実践と定着に向けた指導を推進する

▽「特別の教科・道徳」を充実させ、自律的に道徳的実践のできる人間を育てる道徳教育を推進する

▽市いじめ防止基本方針に基づき、早期発見、早期対応に向けた取組を行うとともに、不登校児童・生徒には学校復帰に向け家庭・地域・スクールソーシャルワーカーなどと連携を図る

▼健やかな体を育む教育の推進

▽基礎体力・運動能力の向上に向けた、指導内容や指導方法の充実を図る

▽学校・家庭・地域において適切に食育を推進し、食に関する正しい知識や望ましい食習慣を身に付けさせるとともに、地域の文化や産業などについてふるさと「北斗」の理解を深める教育を推進する

▽フッ化物洗口の実施や薬物乱用防止教育などの健康教育を推進する

▼一人ひとりの学びを保証する特別支援教育の推進

▽特別な支援を必要とする幼児・児童・生徒に対し、本人・保護者の意向を踏まえ、関係機関と連携を図りながら、一貫した指導が行われるよう、個別の支援計画を作成するなど、教育的ニーズに応じた組織的・計画的な指導や支援の充実を図る

▽特別支援学級や通級指導教育担当者、特別支援教育コーディネーターの専門性の一層の向上のために研修機会の充実を図る

【ふるさと「北斗」に誇りをもてる教育の推進】

▼ふるさと「北斗」のまちづくりを促す教育の推進

▽家庭・学校が町内会の行事に参加することや、こども会・関係団体が町内会と連携し、子どもの自主性や社会性を育む活動を推進する

▽「ほくと学ジュニア検定」や「ふるさとカルタ」などを通して郷土の自然や歴史・文化を学ぶ施設や良さを発見する機会の充実を図る

▼ふるさと「北斗」の自然環境を守ろうとする教育の推進

▽ふるさと「北斗」の豊かな自然環境を理解し、守ろうとする意欲の育成と、地球環境保全について理解を深めるための教育活動を推進する

▼ふるさと「北斗」の未来を拓こうとする教育の推進

▽子どもたちの望ましい勤労観・職業観の育成に向け、実践的、体験的なキャリア教育を推進する

▽北斗の主要産業や観光の振興にかかわる人々の願いや思いにふれ、主体的にほかと協働しながら、ふるさと「北斗」の発展を考え、発信しようとする教育活動を推進する

【学校・家庭・地域が支えあい、つむぎあう教育の推進】

▼地域総がかりの教育活動の推進

▽地域・保護者が学校運営に参画し、学校・家庭・地域がそれぞれの立場で主体的に地域の子どもたちの成長を支えていけるよう、市や地域に対し積極的に情報を公開し、地域と歩む学校づくりの推進とコミュニティ・スクール化を検討する

▽スマートフォンなどを用いる情報化社会の現状や環境浄化対策について家庭・地域への啓発活動を促進する

▼学校間の連携強化の推進

▽幼児教育と小学校教育の円滑な接続のため、幼児と児童の交流やお互いの関係者が合同研修の機会を設けたりするなど、連携強化を図る

▽学校と地域が協働して個性や能力を最大限に伸ばし子どもの健やかな成長を育むために、小中一貫した教育を目指すための小・中の連携や同一学校種間の連携、中・高の連携の強化を図る

【子どもたちが安心して学べる教育環境整備・充実の推進】

▼安全・安心に子どもの学びを保証する教育環境の推進

▽小中学校中長期保全計画にそった学校施設などの長寿命化と防災機能の強化、ならびに子どもの多様な学びに対応するため、学校設備の充実を図る

▽安全・安心な通学環境に向け、学校・ＰＴＡ・地域・警察等と協力し、通学路の安全を確保する

▼小規模化が進む公立学校の魅力ある教育活動の推進

▽教育水準を維持する観点から、特認校制度の充実を図るとともに、「英語教育」「国際理解教育」や地域の自然環境、資源を生かした特色ある教育活動など、魅力ある学校づくりを推進する

▽最適な学校教育の在り方に向け、統廃合を含めた検討と学校施設・設備の有効な活用を推進する

【地域の教育力向上と生涯学習の推進】

▼地域を元気にする生涯学習や社会教育などの推進

▽様々な学習ニーズに応えるとともに、学習の成果を地域づくりや人づくりに生かせるよう、社会教育施設・設備や学習内容の充実を図る

▽学校・家庭・地域が連携し、青少年活動の促進と青少年健全育成を推進する

▼子育てや家庭教育支援の推進

▽保護者は子どもの教育の第一義的責任を有することから、子どもの心やしつけの問題など、子どもの成長段階に応じて計画的・継続的に家庭の教育力を高める学習や情報交換などの機会の充実を図る

▽「子ども・子育て支援事業計画」を基本に安全・安心に子どもを育てる環境を整備するとともに、放課後などに多様な学習を行うことができるよう放課後児童クラブなど関係部局との連携の強化を図る

【市民が主体的にかかわる芸術・文化の振興とスポーツ活動の推進】

▼文化芸術鑑賞機会の充実と文化財の保護と保存の推進

▽優れた芸術文化の鑑賞意欲を高めるための公演事業や展示会の拡充と、各種サークル・団体の育成と発表機会の充実を図る

▽文化活動推進のための指導者の育成と自発的な活動の促進を図る

▽文化財についての理解を深めるため、文化財の展示や文化財に関する資料や情報提供による広報活動を推進する

▼生涯スポーツの推進とスポーツ施設の充実

▽健康増進を目指したラジオ体操など、市民への運動についての意義啓発・参加促進と、スポーツ指導者の育成を図る

▽市民のニーズに応えるために、市運動施設の計画的改修やスポーツ合宿誘致に対応する施設・設備の充実を図る

(市町村 2016-03-09付)