豊平小でネットトラブル研修会　演習通し対応力向上へ豊平区内の生徒指導担当者ら参加―札幌市教委

（市町村 2016-03-09付）

豊平区内の市立学校生徒指導担当者などが参加

　札幌市教委は二月下旬、札幌市立豊平小学校でネットトラブルの対応力向上に向けた研修会を開催した＝写真＝。豊平区内の市立小中学校・高校・特別支援学校の担当者が参加。ネットトラブルに対する演習を通して研鑚を積んだ。

　同研修会は各学校における教員のネットトラブル対応力の向上に資することが目的。市立小・中・高・特別支援学校の生徒指導担当者やネットトラブル防止・対応にかかる実務担当者等を対象に、市内十区で開催している。

　このうち、豊平区ではピットクルー㈱の広田周平氏を講師に、ネットをめぐる子どもたちの現状の講義のほか、問題投稿の検索など対応について演習を行った。

　はじめに広田氏は、子どもたちのインターネット利用状況を説明。「ツイッター」「ライン」など、交流・共有を中心としたサービスのほか、娯楽を目的とした「ユーチューブ」「ニコニコ動画」を多く利用していることを紹介した。

　子どもたちのネットトラブルについては、本人が軽はずみに行った書き込みや画像投稿などの影響が長期にわたること、コミュニケーショントラブルなど日常生活に支障をきたすことを紹介。特に、画像の投稿については、「インターネット上に情報が残り続けて将来の悪影響につながる」と説明した。

　また、タブレットや音楽プレイヤー、ゲーム機など身近なネット機器が増加し、利用開始年齢が低くなっていることも指摘。「使わせないのではなく、正しい使い方を教えていかなければならない」と話した。

　児童生徒への指導では、情報モラル教育の重要性を強調したほか、小学生にはインターネットへの正しい知識、中学生にはありがちな誤解を解くための工夫といった子どもたち自身が考える機会を用意するよう求めた。

　また、ネット機器はいつでも使えることから睡眠時間や勉強時間を削って長時間インターネットを利用してしまう現状を説明。保護者同士やクラス・学校単位でのルール決めをするよう求めた。

　トラブルへの対応では、未然防止として児童生徒への情報モラル等の指導やネットパトロールによる状況把握、事後対応として状況把握や各種相談窓口を利用し、削除依頼することなどを挙げた。

　このあと、問題投稿の検索演習を実施。注目すべき掲示板サイトを紹介したほか、学校名の検索方法などをアドバイスした。

(市町村 2016-03-09付)