伊達市教委の教育行政執行方針―影山教育長説明　いじめ防止基本方針策定へ　コミュニティ・スクール導入準備も

（市町村 2016-03-09付）

伊達市教委・影山吉則教育長（吉は土に口）

　【室蘭発】伊達市教委の影山吉則教育長（吉は土に口）＝写真＝は、二月二十九日に開会した第一回市議会定例会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。推進項目には「学校教育」「社会教育」「芸術文化」「スポーツ振興」の四点を設定。市の将来を担う子どもたちが、郷土に誇りをもって未来に向かって成長することができるよう、学校、家庭、地域などと連携を図りながら、教育のより一層の充実・発展に取り組んでいく。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

▽社会で活きる実践的な力の育成

　厳しい社会を生き抜くために、児童生徒一人ひとりが自ら学び考え課題を発見し、その課題を他者と連携・協働しながら解決できる能力を育むことが求められている。その根幹となる確かな学力の向上を目指して、全国学力・学習状況調査や市独自の学力テストの結果を踏まえ、アクティブ・ラーニングの手法を用いるなどの学習指導の工夫・改善を推進し、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着とそれを活用できる力を育んでいく。

　特別支援教育については、障がいのある子どもたちの自立や社会参加に向け、市の関係部局や関係機関との連携を図るとともに、就学時の幼稚園や保育所との引継ぎや、校種間での引継ぎを効果的に行うなど、継続した支援を推進する。

　情報モラル教育については、児童生徒がインターネットを適切に活用する知識や能力を習得するとともに、ネットトラブルの被害者や加害者とならないよう、関係機関と連携を図るなどして、情報モラルを身に付けさせる指導の充実を図っていく。

　キャリア教育については、児童生徒が夢や希望をもって将来を設計し、自己の進路や生き方の選択ができるよう、発達段階に応じて必要となる能力の育成に努めていく。

▽豊かな心と健やかな体の育成

　『私たちの道徳』を活用した道徳の授業の一層の充実はもとより、学校の教育活動全体を通じて道徳性の向上に努めていく。また、全国体力・運動能力、運動習慣等調査や市体力テストの結果を踏まえ、体力向上プランを作成し、保健体育を中心とした教科指導の充実はもとより、家庭や関係機関と連携するなどして、日常的な運動習慣や望ましい生活習慣の定着を促進する。

　いじめについては、児童生徒の状況等を把握し、未然防止や早期発見、早期対応に努めていく。また、市いじめ防止基本方針を策定し、市、教育委員会、学校、地域、関係機関等との連携を強化し、いじめ問題への総合的かつ適切な対応を図っていく。

▽信頼される学校づくりの推進

　地域住民や保護者が学校運営に参画し、学校が地域と一体となって子どもたちを育み、特色ある学校づくりを推進する「コミュニティ・スクール」の導入準備を進めていく。

　教職員の資質能力の向上については、道教委が行う研修事業や、「市教育実践交流・研修会」などを通して、子どもたちのために市内の教職員が一体となって、授業力の向上や指導体制の充実に努めていく。

▽主体的な地域活動を推進するためのひとづくり・地域づくりの推進

　生涯にわたり生きがいをもって活躍できるよう、様々な世代がいつでも気軽に学べる機会を提供するとともに、自主的な活動やコミュニティーの形成につながるよう、市民講座やだて市民カレッジ等の各種講座の内容の充実など、学習環境の整備に努める。

▼芸術文化

▽歴史・文化を活かしたまちづくりの推進

　縄文からアイヌ、武家文化まで、市民だれもがこの郷土の歴史や文化を理解し、誇りに思えるようなまちづくりを進めていく。

▼スポーツ振興

▽スポーツ・レクリエーション活動の振興

　総合体育館をはじめとした体育施設の効果的・効率的な活用を図り、健康・体力づくりの増進に向けた環境整備に努めていく。

(市町村 2016-03-09付)