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苫小牧市教委の教育行政執行方針―和野教育長説明　授業改善へ研究組織設置　体力向上プランの策定も
（市町村 2016-03-09付）

苫小牧市教委・和野幸夫教育長

　【室蘭発】苫小牧市教委の和野幸夫教育長＝写真＝は、二月二十六日に開会した市議会定例会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。学力向上に向けた新たな取組として、授業改善スーパーアドバイザー、授業改善アドバイザー、授業改善推進教師等で構成する「授業改善研究委員会」を市教育研究所に設置する方針を示した。児童生徒の体力向上では、目標数値の達成に向けた具体的な取組を示す「体力向上プラクティスプラン」の策定を進める。

　このほか、いじめ問題に関しては、子どもたちの自治的・自発的な問題解決能力を高めることを目的として、「第四回いじめ問題子どもサミット」を七月に開催。また、新たに「美術博物館祭（仮称）」を開催することで、美術鑑賞や地域を学ぶ機会なども提供していく。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼一人ひとりのニーズに応じた確かな学力をはぐくむ教育活動の充実

▽学ぶ意欲の向上と望ましい学習習慣の定着

　外国語教育については、四人の外国語指導助手（＝ＡＬＴ）を中学校に派遣するとともに、小学校外国語活動専任のＡＬＴ一人を配置し、児童生徒の外国語に対する興味・関心を高め、基礎的・実践的なコミュニケーション能力を育成する。

　さらに、ＡＬＴによる小学六年生を対象とした英語教室（チャレンジ・イングリッシュ）を開催し、中学校の授業への円滑な接続を図っていく。

▽確かな学力の向上を目指した学習指導の充実～苫小牧市学力向上アクションプランの推進

　本年度も、「徹底」「継続」「一貫」をキーワードに、子どもたちの基礎学力の確実な定着を図っていく。

　昨年度までの「学力向上推進チーム」を再構築し、授業改善スーパーバイザー、授業改善アドバイザー、授業改善推進教師による「授業改善研究委員会」を新たに市教育研究所に設置する。同研究委員会においては、各学校が見通しをもって授業改善に取り組むことができるよう、「授業改善カレンダー」を作成し、市全体の計画・指針を明確にしていく。

▽特別支援教育の充実と環境整備

　特別支援学級については、新たに明野中学校と緑陵中学校に開設する。また、特別支援教育支援員と介添員の適正な配置に努めるなど、個々の状況に応じた適切な教育を行うための環境整備を推進していく。特別支援学校の設置については、早期実現に向けて、道教委と協議を進める。

▼豊かな人間性と健康な体の育成

▽道徳教育の推進

　道徳科の実施を見据えて、市内の小・中学校各一校を授業改善推進校に指定し、「考え、議論する」授業づくりに関する先導的な研究を進めるとともに、その成果を各学校に発信し、子どもたちの「道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度」を育てていく。

▽望ましい生活習慣の確立・体力の向上

　体力向上に向けては、本年度も市としての目標数値を掲げ、それに向けた具体的な取組を示した「体力向上プラクティスプラン」を策定する。

▽いじめや不登校の未然防止・早期対応

　いじめ問題については、子どもたちの自治的・自発的な問題解決能力を高めることを目的として、「第四回いじめ問題子どもサミット」を七月に開催するとともに、同サミットの事前・事後の指導等をさらに充実させ、地域ぐるみでのいじめ根絶に向けた取組を展開していく。

▼学校・家庭・地域社会が連携した信頼される学校づくりの推進

▽教職員の資質能力の向上

　ＩＣＴ機器を活用した授業づくりを引き続き推進し、情報活用能力の育成と情報モラルの向上を図る取組を進めるとともに、効果的な活用に関する教員向けの研修会も開催し、指導力の向上に努める。