恵庭市教委の教育行政執行方針―穂積教育長説明　全小中対象に土曜授業　デジタル教科書等試行導入

（市町村 2016-03-11付）

恵庭市教委・穂積邦彦教育長

恵庭市教委の穂積邦彦教育長＝写真＝は二月二十九日、第一回定例市議会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。二十八年度からスタートする第五期総合計画の基本目標の一つに位置付けられている「人が育ち文化育むまち」の実現に向け、施策展開する方針を強調。全小・中学校を対象に土曜授業を実施する方針を表明した。また、恵み野旭小学校および恵み野中学校に電子黒板とデジタル教科書を試行的に導入し、ＩＣＴ教育環境のさらなる充実を図る。

　執行方針に関する概要はつぎのとおり。

▼確かな学力の向上

▽土曜授業の推進

　二十八年度から全小・中学校において土曜授業を実施し、土曜日における子どもたちの学習機会の拡充を図るとともに、地域と密着し連携した信頼ある学校づくりを一層進めていく。

▽幼小中の連携

　これまで、幼小の連携として、特別支援教育について幼稚園保育園・小学校等連携会議で情報交換を行っており、二十八年度は、各幼小の連携協力校を指定し、さらに連携の強化を図っていく。

　また、小中の連携についても小中連携教育推進会議を設置し、学力向上などへ向けた具体的な取組を推進していく。

▽ICTの環境整備

　二十七年度に校内ＬＡＮを全小・中学校に整備し、ＩＣＴ環境の基盤が整った。二十八年度は、恵み野旭小、恵み野中に電子黒板とデジタル教科書を試行的に導入し、教育環境のさらなる充実を図る。

▽特別支援教育の推進

　柏小学校を拠点校とした発達障がいにかかる通級指導教室を開設し、拠点校に通うことを基本としながら、可能な限り巡回方式を加えた弾力的な形態で運営に努めていく。

　さらに、特別な支援が必要な児童生徒に対する補助員の配置を継続し、きめ細かな指導の充実を図る。

▽就学支援

　経済的な理由によって高校等に就学が困難な生徒に対して、入学準備金支給事業がスタートしており、今後も事業を推進する。

　土曜スクールや放課後学習をはじめとする学習支援については、地域の人材などの外部講師を活用して取り組んでいく。

　学校図書館司書を引き続き全小・中学校に配置し、子どもたちの読書活動へのきめ細かな支援に努める。

▽開かれた学校づくりについて

　学校運営については、地域との協働を図りながら進めていく必要があり、学校運営協議会の設置に向けて取り組んでいく。

▼豊かな心の育成

▽いじめ・不登校対策

　子どもたちを取り巻く問題が複雑化、長期化している現状を踏まえ、スクールソーシャルワーカーを一人増員して体制の強化を図る。

　また、いじめ問題については、「なかよしさわやかＤＡＹ全市交流会」を継続して実施する。

▽安全教育の実施

　子どもたち自身が自らを危険から守る力を育成するため、非行防止教室、薬物乱用防止教室、ＣＡＰ教育プログラムなど、各関係機関の協力を得て継続して実施していく。

　また、子どもたちがトラブルに巻き込まれないように講習会の開催など安全教育の推進を図る。

▽生活習慣の改善

　市ＰＴＡ連合会と連携し、学校と家庭が一体となった生活習慣の改善に向けた取組を推進していく。

　また「早寝、早起き、朝ごはん」運動の一環として夏休みに行っている「職場見学デー」実施事業所を拡大し、基本的生活習慣の確立や生活リズムの向上につなげる。

▽ふるさと教育の推進

　今後も、市内全小・中学校に配置しているふるさと教育コーディネーターを中心に、各学校の特色あるふるさと教育の推進を図る。

▼健やかな身体の育成

▽子どもたちの体力・運動能力

　全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果などを踏まえ、一校一実践など、学校と連携して取り組む。

▼学校教育施設整備等

▽通学路の安全確保

　昨年十月に策定した通学路交通安全プログラムに基づき、道路管理者や警察などで構成する市通学路安全推進会議と連携して、危険個所の合同点検を実施し、通学路の安全確保に努める。

(市町村 2016-03-11付)