千歳市教委の教育行政執行方針―宮崎教育長説明　新たに学校指導室設置　ＩＣＴ活用へ指導者研修

（市町村 2016-03-11付）

千歳市教委・宮崎肇教育長

　千歳市教委の宮崎肇教育長＝写真＝は、一日に開かれた第一回定例市議会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。教員の資質能力向上のため、新たに「学校指導室」を設置し、学校指導体制の充実を図るとともに、授業改善につながる各種研修を展開する。また、学習意欲向上のため、全中学校を対象に主要五教科のデジタル教科書を導入。少人数指導用教室などに電子黒板を配置するとともに、ＩＣＴ機器活用に向けて指導者を対象とした研修などを実施する。このほか、校務支援システムを全小・中学校で導入する。

　執行方針の内容はつぎのとおり。

【学校教育】

▼ふるさと千歳への感謝と希望を育てる

▽学年・学級経営

　子どもたちの学校生活における意欲や満足度の調査を行う「ハイパーＱＵ検査」の対象を小・中学生全学年に拡大するとともに、検査結果をいじめ・不登校の未然防止や学力向上などに活用するため、教員を対象とした研修会を開催する。

▽教員相談の体制

　児童生徒や保護者、教員の悩み・不安のほか、不登校や、暴力行為、児童虐待など生徒指導上の課題に対応するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、心の教室相談員による様々なケースに応じた、きめ細かな対応を行う。

▽いじめ問題

　年四回実施の「いじめアンケート」や、全校に設置している「いじめ相談ボックス」などを活用し、いじめの未然防止、早期発見、早期対応に取り組むとともに、「いじめ問題等対策連絡協議会」と連携して対策を推進する。

▽家庭の教育力の向上

　規則正しい生活習慣や学習習慣を身に付けるため、「早寝早起き朝ごはん」運動を推進するとともに、スマートフォンやゲーム機の使い方などについて家庭に啓発する。

　また、中学校区ごとに小・中学校共通の『家庭学習の手引き』作成を進めるほか、家庭生活のルールや目標を定めた「千歳市家庭生活宣言」の取組を検証し、さらなる普及に努める。

▼国際都市千歳にふさわしいグローバルな感覚を育てる

▽教員の資質・能力について

　学校指導訪問や授業におけるＩＣＴ機器の発展的な活用、学力向上検討委員会の運営、小中連携の推進など、学校と連携した取組を促進するため、新たに「学校指導室」を設置し、学校指導体制の充実を図るとともに、授業改善につながる校内研修や市主催の各種研修を開催していく。

　また、校務支援システムを全小・中学校に導入する。

▽学校間の連携

　中一ギャップの解消や学力向上を図るため、「小中連携・一貫教育」の在り方について検討を進めるとともに、小学校における幼稚園、保育所等との相互交流を実施するなど、幼保小連携を促進する。

▽ＩＣＴ教育について

　小学校の少人数指導用教室と特別支援学級、中学校理科室と特別支援学級に電子黒板などを配置していく。

　新たに全中学校に主要五教科のデジタル教科書を導入するとともに、北陽小学校でタブレット端末の活用効果について引き続き検証する。

　教員のＩＣＴ機器活用能力の向上を図るため、各学校の研修計画に基づいた校内研修のほか、市教育振興会と連携し、長期休業期間を利用した全体研修を実施するなど、学校へのサポート体制の充実を図る。

▽外国語教育

　全小学一～四年生において、新たに作成した共通の指導計画や指導案による外国語活動を実施する。

　小学校外国語活動の成果を検証し、中学校英語科につなげるため、新たに「英検ＩＢＡ」を全小学六年生で行うほか、中学校における長期休業期間中の「外国語サポート事業」を実施する。

▼知的な探究心をもち積極的に行動する力を育てる

▽確かな学力

　小学校十三校に配置している「学習支援員」を活用し、習熟度別少人数指導の充実を図るとともに、各学校において「授業内容の理解定着」「家庭学習の充実」「算数・数学科における習熟度別指導・TT指導等の指導方法改善・充実」を重点項目と位置付け、全校統一的に学力向上の取組を進める。

▽体力・運動能力について

　子どもたちが体を動かす喜びを感じ、リズムやバランスなど運動神経の発達を促す「コーディネーション運動」の取組を進めるほか「新体力テスト」を活用し、体力や運動能力の細かな把握と指導の充実を図るとともに、各学校が体力の向上や運動習慣の定着に向けて創意工夫した。「一校一実践」に取り組んでいく。

(市町村 2016-03-11付)