幼少連携・研修充実など　市立幼稚園のあり方検討協議会―函館市教委

（市町村 2016-03-14付）

市立幼稚園の在り方や市の幼児教育について審議

　【函館発】函館市教委は二月二十九日、市庁舎で「市立幼稚園のあり方検討協議会」を開催した＝写真＝。はこだて・戸井の二園の市立幼稚園の入園者の減少を受けて、市立幼稚園の在り方や市の幼児教育について審議。今後、戸井の一園体制とし、幼小連携や市子ども未来部との連携、南北海道教育センターによる研修の充実などについて検討していくとした。

　委員として、学識経験者や各種団体・幼稚園関係者五人が出席。会長には、函館市小学校長会の鳴海裕研修部長（函館市立中央小学校長）を互選した。

　開会で山本真也教育長は、市立幼稚園の歩みにふれながら、「はこだて幼稚園は市の幼稚園教育の研究実践のセンター的な役割を担い、戸井幼稚園は地域唯一の幼稚園である」と述べた。一方で、園児数の著しい減少や市の公共施設の見直しの検討対象にもなっていることを説明し、両園の今後の在り方について、きたんのない意見を求めた。

　審議に入り、事務局が二月にまとめた「函館市立幼稚園のあり方について」（案）を提示。園児数の減少の推移や子ども・子育て支援新制度などについて説明した。

　市立幼稚園の存廃では、「はこだて幼稚園を取り巻く環境の変化やその意義から判断して廃園はやむを得ない」とし、二十九年度入園児から募集停止を行い、三十一年三月末に廃園とするスケジュールを示した。戸井幼稚園については、「在園児は少ないが地域に代替の施設がない」ことから、当面存続とした。

　また、今後の市の幼児教育については、一園体制ながらも、幼児教育の充実や幼小連携の役割を図るとともに、市子ども未来部との連携や、南北海道教育センターによる研修の充実などについて検討していくとした。

　今後、市の子ども・子育て全体の中での位置付けや、公立幼稚園の役割についても検討することとした。第二回会合を三月中に開催して継続審議し、協議会としての方向性をまとめることとした。

　市教委は、翌年度の募集が始まる二十八年夏ころまでに成案化する計画。

(市町村 2016-03-14付)