27年度教育課程編成・実施状況―文科省まとめ 授業時数は小・中7割が標準超え 25%の学校で土曜授業実施( 2016-03-16付)
二十七年度における公立小・中学校の授業時数について、小・中学校ともに約七割の学校が標準授業時数を超えて授業時数を設定していることが、文部科学省が取りまとめた「二十七年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査」の結果から明らかになった。このうち、小学校第五学年で三二・五%、中学校第一学年で一九・三%の学校が年間七十単位時間(週二コマ程度)を超えていることも分かった。個に応じた指導として、チーム・ティーチング(TT)を実施する学校の割合は、小学校、中学校ともに八割を超え、多くの学校が補充的な学習を取り入れた指導を展開。小学校の二四・六%、中学校の二五・〇%が土曜授業を実施している。
調査は、小・中学校教育に関する政策の企画、立案等のために行っており、前回は二十五年度に実施。すべての公立小学校、中学校、中等教育学校前期課程を対象に、二十七年度計画(一部二十六年度実績を含む)について、都道府県・指定都市教育委員会を通して、昨年九~十一月に調査を実施した。
二十七年度(計画)における小・中学校の授業時数について、学校教育法施行規則に定める標準授業時数との関係をみると、標準授業時数と同数の授業時数を設定している学校は小・中学校ともに約三割、標準授業時数を超えて授業時数を設定している学校は小・中学校ともに約七割だった。
このうち、標準授業時数が年間七十単位時間(週二コマ程度)を超えている学校は、小学校第五学年で三二・五%(前回調査二五・〇%)、中学校第一学年では一九・三%(同二一・七%)となっている。
全体の平均値でみると、多くの学年で標準授業時数を年間四十~五十単位時間程度上回る状況にあるが、中学校第三学年は、標準授業時数を上回る時数が約十五単位時間と、他学年に比べて少ない状況となっている。
五分、十分、十五分などの時間を単位として取り組む帯学習、モジュール学習などの学習形態を指す短時間学習は、二十六年度、小学校の七四・八%、中学校の六四・八%で実施。週当たりの実施日数は、「五日」が最も多かった(小学校五〇・四%、中学校七三・三%)。
アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善に向けた授業研究、校内研修などの取組状況については、「実施している」学校が小学校四八・九%、中学校四五・七%、「実施に向けて準備段階」が小学校一七・二%、中学校一七・一%、「実施に向けて検討段階」が小学校二四・一%、中学校二五・七%、「実施していない」学校は小学校九・七%、中学校一一・五%という状況にある。
二十七年度に個に応じた指導として、少人数指導を実施する学校の割合は、小学校、中学校ともに六七・四%。また、TTを実施する学校の割合は、小学校八一・〇%、中学校八三・三%と、ともに八割を超え、多くの学校が補充的な学習を取り入れた指導を実施している。
二十七年度に教科担任制による指導を実施する予定の小学校の割合は、ほとんどの教科および学年において、前回調査時よりも増加しており、特に、第五・六学年では、音楽で約六割、理科で約五割、家庭で約四割が実施する予定。外国語活動については、前回調査時より五ポイント以上増加している。
二十七年度において、小学校の二四・六%、中学校の二五・〇%が土曜授業を実施。年間の実施回数については、小学校の五五・四%、中学校の五三・四%が「月に一回程度」、小学校の三九・四%、中学校の四〇・六%が「学期に一回程度」と回答した。
カリキュラム・マネジメントの確立に向けた授業研究、校内研修などの取組状況については、「実施している」学校が小学校三七・五%、中学校三二・二%、「実施に向けて準備段階」が小学校一八・〇%、中学校一七・一%、「実施に向けて検討段階」が小学校三〇・七%、中学校三二・五%、「実施していない」学校は小学校が一三・八%、中学校が一八・二%だった。
( 2016-03-16付)