防災機能強化へ配慮求める 道都市教委連等の29年度文教要望(関係団体 2016-06-14付)
道都市教育委員会連絡協議会(長岡豊彦会長)と道都市教育長会(同)が九日、道教委に提出した二十九年度の文教施策に対する要望事項はつぎのとおり。
【公立文教施設の整備促進について】
▼新増改築事業にかかる国庫補助の改善等
新増改築事業の実施に当たり、文部科学省が設定した建築単価が補助事業分の実施単価を下回る場合、超過負担が生じてしまうため実情に即したものに改善されるよう配慮願いたい。
また、外構工事については、門柱や囲障を除き補助金の対象外となっているが、新増改築においては既設位置から移動する場合が多いことから、補助事業の対象を拡大するよう国に要望願いたい。
積雪寒冷地は断熱性能の向上や暖房設備の設置が必須でコストがかさんでしまうが、加算措置はあるものの現状に即しておらず、不十分であることや地方都市は工事費が割高になる傾向にあることから、工事費の地域間格差などにも配慮願いたい。
改築事業の増加に伴う地方自治体の負担の軽減および老朽施設の改築促進のため、改築事業にかかる交付金・補助金の充実を図るよう国に要望願いたい。
新増築事業においては、国庫債務負担行為にかかる事業の場合、各事業の実情に合うよう、全体交付額に対する一ヵ年目と二ヵ年目の交付額の割合を各自治体が設定できるよう国に要望願いたい。
また、小中連携・一貫教育に取り組むに当たり、小学校と中学校の校舎や体育館を一体化するために増改築や大規模改造を行う場合においても、小学校同士または中学校同士の統合に伴う新増築と同等の補助率(二分の一)とするよう国に要望願いたい。
▼長寿命化改良事業にかかる交付金の確保
老朽化が進んでいる学校施設の更新需要の平準化を図る必要があることから、長寿命化改良事業について、実施事業量に十分対応できる交付金を確保されるよう国に要望願いたい。
▼大規模改造(老朽)事業における補助要件の緩和
建築後三十年程度の施設の防水、暖房設備、給排水設備などの改修については、現在の大規模改造(老朽)事業の補助要件に見合う範囲での実施は難しく、また、長寿命化改良事業の対象となる建築後四十年までは耐えられない状況にあることから、「面積要件(建物全体の延床面積の約七〇%以上の改修)の廃止」および「下限額七千万円の撤廃もしくは緩和」を国に要望願いたい。
▼学校体育施設にかかる整備の充実―重点要望事項
学校プール、柔剣道場など学校体育施設整備の充実を図るため、実施事業量に十分対応できる交付金を確保されるよう国に要望願いたい。特に柔剣道場整備のための交付金については、かさ上げを復活していただくよう配慮願いたい。
また、事業の実施に当たり、文科省が設定した建築単価が実施単価を下回る場合、超過負担が生じてしまうため、実情に即したものに改善されるよう国に要望願いたい。
▼学校グラウンド等の整備にかかる交付金の事業量の拡大―重点要望事項
学校グラウンド整備にかかる交付金については、超過負担が発生する場合が多数あるため、補助限度額の範囲を拡大していただくとともに、小学校の遊具整備の単独での新設・更新も対象とする等、実情に即したものに改善されるよう国に要望願いたい。
また、この交付金は時限措置とせず、恒常的な制度とするよう、引き続き国に要望願いたい。
▼地震等防災対策にかかる対象の拡大―重点要望事項
小中学校は災害時の収容避難場所として使用され、防災対策上、重要な拠点となっていることから、二十七年度をもって終了することとなっている地震防災対策特別措置法の補助率のかさ上げや地方債元利償還金を、地方交付税算定の際の基準財政需要額に算入できるようにするなどの財政措置について、引き続き同様の財政措置を実施するよう国に要望願いたい。
防災機能強化事業については、補助率をかさ上げするなど財政措置の拡充とともに、事業費下限額の撤廃を図るよう国に要望願いたい。
窓ガラス等の破損防止対策や家具等の転倒落下防止対策等の非構造部材の耐震化について、工事を伴わない場合の対策にかかる物品購入についても補助を受けられるよう国に要望願いたい。また、高校についても小中学校と同様に交付金の対象とするよう国に要望願いたい。
▼学校給食施設・設備にかかる交付金等の改善充実―重点要望事項
給食施設・設備の大型化やドライシステム化などの整備等に当たり、これまでの補助基準面積内で建築することは難しく、超過負担が生じていることから、交付金の充実を国に要望願いたい。
給食施設・設備には、食育の発信の場としての機能を有することが必要となることから、給食施設・設備の整備・拡充のため、交付金の充実を国に要望願いたい。
大型機械に依存している共同調理場においては、多額の費用を要するため、更新が遅滞していることから、既存老朽大型機械等の更新に関する補助制度の創設を国に要望願いたい。また、食物アレルギー対策等を実施する際の設備整備に対して、支援措置の拡充を国に要望願いたい。
学校給食施設の広域化においては、共同調理場を整備する場合にあって、北海道地域づくり総合交付金の対象事業に加えていただきたい。
【教職員定数等の充実改善について】
▼少人数学級の早期実現と教職員定数等の改善―重点要望事項
二十七年度の国の予算編成において、財務省は三十五人以下学級は効果が認められないとして、学級編制基準を元に戻す案を提示したが、実施している学校の調査結果等によれば、児童生徒の生活および学習の両面において個に応じたきめ細かな指導ができるなど大きな効果が表れている。
このことから、小学校一・二学年および中学校一学年において実施している三十五人以下学級を堅持するとともに、実施していない他の学年にも拡充することを強く要望する。
また、よりきめ細かな教育が可能となるよう、一層の定数改善や加配措置の充実を国に要望するとともに、道においても独自の学級編制基準を定め「三学級未満の学校」への教頭の配置および大規模校等における教頭の定数増による複数配置、定数増による教員加配を講じられるよう配慮願いたい。
加えて、学級数が増加することによる施設整備に対して財政措置が図られるよう国に要望願いたい。
▼学力向上のための支援措置の拡充
学力向上は教育行政の大きな課題であり、少人数学級は学力向上に有効であると考えられるが、中学校においては教科担任制であり、その実現は困難な状況にある。従前の定数加配に加えて、各市に対して少人数学級にかかる財政的措置について配慮願いたい。
また、小規模市では市独自に教職員の採用・異動を行うことが困難であることから、道全体の採用・異動に組み込んだ上で、各市がその人件費を負担するような新たな制度を創設願いたい。
▼中学校における免許外教科担当の解消
一部教科において指導力の低下を来すことのないよう、免許外教科担当の解消に向けて、法改正および中学校設置基準を含めた改善が図られるよう国に要望されたい。特に英語科においては、新学習指導要領の完全実施に伴う時数増加を踏まえ、特段の配慮を願いたい。
▼中学校の病気休暇等講師にかかる報酬予算の適正化―重点要望事項
中学校における九十日以内の病気休暇にかかる代替措置については、現在、時間講師で対応しているが、時間講師の予算不足によって必要な授業時間に合わせた発令ができず、授業時間数の不足分を学校体制によって代替している状況にある。
休務者にかかる代替措置制度は、最低限の教育サービスを提供するための根幹となる制度であり、保護者など外部からの要望も非常に強いことから、中学校における九十日以内の病気休暇にかかる代替講師について、学校現場の実情に対応した発令ができるよう、十分な予算措置を配慮願いたい。
▼不登校児童生徒の適応指導教室等の設置および運営費の補助拡充
不登校児童生徒の学校復帰を援助するため、現在措置されている適応指導教室等の設置・運営に当たり、委託事業を含めた補助制度の創設を国に要望されたい。
また、不登校の傾向がある児童生徒への円滑な指導、支援のため、人的配置などの予算措置を願いたい。
▼学校図書館にかかる支援措置の拡充―重点要望事項
二十四年度から、公立小中学校での学校司書配置にかかる地方財政措置がなされたところであるが、今後すべての小中学校に措置可能な財政支援の拡充をされるよう国に要望願いたい。
また、図書館システムの導入および運営にかかる経費に対する補助、コンピューターソフトの購入補助など学校図書館環境整備にかかる予算措置についても国に要望願いたい。
▼スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの配置促進
いじめや不登校など児童生徒の抱える諸問題に対応するため、資格保有者等の専門的知識および経験を有するスクールカウンセラー、ならびにスクールソーシャルワーカーの配置の拡大を図るよう配慮願いたい。
また、市町村単独で配置しているスクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカーについて、財政的支援をいただけるよう配慮願いたい。
▼栄養教諭の定数改善および旅費等の予算の確保―重点配慮事項
学校における「食に関する指導」のさらなる充実が求められている状況を踏まえ、栄養教諭が専門的立場から「食に関する指導」を効果的に行えるよう、栄養教諭の配置等定数の改善および指導にかかる旅費等の予算措置について配慮願いたい。
特に、児童生徒数一千八百一人以上六千人以下は二人配置、六千一人以上は三人配置とされているが、「食に関する指導」の一層の充実を図るため、児童生徒数に応じた配置数とするなど大規模調理場における栄養教諭の配置基準の見直しを図るよう配慮願いたい。
また、共同調理場方式の市町村については、共同調理場業務に支障が生じることのないよう定数について特段の配慮を願いたい。
▼ALTにかかる地方交付税措置の拡充
JETプログラム(語学指導を行う外国青年招致事業)で招致されたALT(外国語指導助手)だけではなく、JETプログラム以外のALTに対しても同様に地方交付税が措置されるよう国に要望願いたい。
▼地域枠採用の対象拡大
教員採用候補者選考検査の一般選考「地域枠」採用は、現在、小学校教諭に限って実施されているが、地域に根ざした教育を推進する中核となる教員育成の一層の充実を図るため、対象を中学校教諭まで拡大するよう配慮願いたい。
【特別支援教育の振興充実について】
▼特別支援教育の施設充実および特別支援教育推進のための体制整備―重点要望事項
特別な支援を必要とする児童生徒の増加に伴い、通学可能な特別支援学校に就学を希望する保護者のニーズが高まっていることから、障害種に応じた地域への分校の新設、基礎的環境整備を伴った既存校への障害種の追加等について検討願いたい。
また、周辺市町村の児童生徒が通学できるよう、特別支援学校へのスクールバスの運行路線拡大に配慮願いたい。
遠隔地居住者については、スクールバスと寄宿舎の利用を選択・併用ができるよう弾力的な運用を図ることを配慮願いたい。
各市が特別な支援が必要と考えられる子どもについての実態把握や、具体的な支援を行うことができるよう、派遣手当などの財政的措置を配慮願いたい。
▼特別支援教育推進のための教員の加配措置―重点要望事項
特別支援教育の推進に向けては、コーディネーターの配置や通級指導教室の充実など現状の教員だけでは個々の教育のニーズに対応することが困難であり、かつ、支援員の配置だけでは不十分であることから、コーディネーター担当教員を定数配置上での配置とするよう配慮願いたい。
また、支援員は合理的配慮、基礎的環境整備を充実させるために必要不可欠なものであるが、厳しい財政状況の中では、配置が進まない現状にあることから、在籍者数等を考慮した財政措置を配慮願いたい。
▼特別支援学級担当教諭の加配措置―重点要望事項
特別支援学級担当教諭の配置は、児童生徒八人に対して一人と設定されているが、児童生徒の状態によっては一対一での対応が必要な場合や、担任一人で複数の障害種や異なる学年に対応しなければならない場合があり、現在の配置基準では対応しきれていない現状にある。特別支援学級を設置する場合には、最低でも二人の教員を配置するよう国に要望願いたい。
また、学校教育法施行令第二二条の三の基準に該当する児童生徒が入級する場合や肢体不自由学級に児童生徒が複数在籍する場合については、教員にかかる負担が特に大きくなることから、加配措置を行うよう国に要望願いたい。
▼専門的知識を有する特別支援学級担当教諭の採用・育成の促進
特別支援学級では、専門性の高い教員の配置が望ましいことから、特別支援学校教諭免許状所有者の採用や専門的知識を有する教員育成の一層の促進に配慮願いたい。
▼特別支援学校教諭免許状取得講習の拡大
特別支援教育にかかる学校経営を考慮し、特別支援学校教諭免許状取得講習の開催地、開催方法、人数枠の拡大などについて、引き続き検討願いたい。
▼通級指導担当教員等の配置基準の緩和―重点要望事項
特別支援学級担当教員の活用によるLD、AD/HD、高機能自閉症等の児童生徒への支援など特別支援学級の弾力的な運用を推進するため、通級指導担当教員ならびに特別支援学級・院内学級教員の配置基準のさらなる緩和を図るとともに、実情と配置基準が合うよう柔軟な措置を配慮願いたい。
また、特に中学校における通級指導教室の開設について、対象となる生徒が在籍している場合は教育の一貫性の観点からも、必要性に合った対応ができるよう教員の配置基準の緩和を配慮願いたい。
▼通級指導担当教員の巡回指導の実施
通級希望者の増加に伴い、通級が必要な児童生徒などの負担軽減のため、通級担当教員が本務となる学校以外の学校に巡回して指導を行えるよう制度化を図るとともに、旅費等の措置を配慮願いたい。
▼教育上特別な支援を必要とする幼児が就園する公立幼稚園への国庫補助の実施
特別な支援を必要とする幼児が就園する公立幼稚園についても、私立幼稚園と同様に国庫補助の対象とされるよう国に要望願いたい。
▼市町村配置の支援員や補助員等にかかる財政措置の拡充―重点要望事項
市町村が通常学級または特別支援学級に独自配置している支援員や補助員等に対する財政措置の拡充が図られるよう国に要望願いたい。
▼高校へ通学する生徒に対する支援員の配置
高校に通う生徒が、学校において特別な支援を必要とする場合、安心して教育が受けられるよう、公立高校に対しては支援員の配置、私立高校に対しては支援員配置にかかる財政措置を国に要望願いたい。
▼特別支援学校が行う連携協力に必要な旅費等の措置
特別支援教育の円滑な推進のために、特別支援学校が行う連携協力に必要な旅費等の措置を配慮願いたい。
▼特別支援学校高等部における受入れ体制の整備
特別支援学校高等部への進学希望が増加している中、生活圏から離れた学校に入学せざるを得ない生徒が多数いる。また、送迎負担の増大もあって、近隣の学校への進学希望が益々大きくなっている。
「特別支援教育の基本方針」では、「できる限り身近な地域において指導や支援を受けられる体制を整備すること」や「知的障害高等養護学校への進学希望者の増加傾向に対応するため、既存校の増築や新設校の整備に努めること」が示されていることからも、今後も各地域の生徒の進学動向等に応じた定員増や、地域の実態に応じた特別支援学校の設置拡大に配慮願いたい。
▼医療的ケアを必要とする児童生徒の特別支援学校への受入れ体制の整備
医療的ケアを必要とする児童生徒ができる限り身近な地域において、指導や支援を受けられるよう特別支援学校における看護師の配置の充実を図るとともに、体温管理等が必要な児童生徒が安心して生活できる施設環境の充実を図るよう配慮願いたい。
【学校教育の振興充実について】
▼全国学力・学習状況調査等の学力向上策の推進
全国学力・学習状況調査については、点数や順位、比較の公表ではなく、本道の地域特性に応じた対応を含め、各市および学校において、今後の改善点への問題意識をもたせるような工夫をしていただきたい。
また、道教委としてこれまでの調査の検証、総括をするとともに、結果の原因についての見解を明らかにしていただきたい。
学力向上策の推進に当たっては、各市の意見を十分に尊重していただきたい。特に、「ほっかいどう『学力・体力向上運動』」の推進に当たっては、より一層、地域の声、学校の声を汲み取っていただきたい。
▼小学校における英語教育の拡充強化に向けた教員研修会の充実および英語専門教員の配置拡充
文科省が示した小学校における英語教育の拡充強化の実施に向け、英語の指導力向上を図るため、外国人を講師とするなど教員研修会の充実を図るよう配慮願いたい。また、小学校における英語の専門教員の配置を配慮願いたい。
▼就学援助の財源措置拡充―重点要望事項
法律の定めにより自治体が行う就学援助については、その充実を図るため、基準を明確にした制度改正および財源措置の拡充を国に要望願いたい。また、要保護・準要保護者への就学援助において、生活保護基準の見直しの影響が生じないよう適切な財政措置を講じていただきたい。
▼中学校の全道大会・全国大会に対する引率教員の旅費の充実
新学習指導要領には、部活動が学校教育の一環として教育課程との関連が図られるよう示されていることからも、中学校の体育および文化的諸行事への生徒派遣にかかる引率教員の旅費においては、体育の全道大会および文化的諸行事の全道大会・全国大会についても予算措置を配慮願いたい。
また、引率教員数については、出場種目数や男女の構成等の諸条件に応じて、柔軟な措置を講じていただきたい。
▼生徒指導旅費等の十分な確保
生徒指導旅費の配分額が少額であり、家庭訪問や生徒指導のための教員の自己負担が増加していること、また、行程が比較的短い旅費の捻出に苦慮していることから、生徒指導旅費等の予算の十分な確保に配慮願いたい。
▼校外学習指導旅費の十分な確保
校外学習指導旅費の配分額が少額であり、各学校では校外学習指導の実施に当たり旅費の捻出に苦慮していることから、現場の実態を把握され、校外学習指導旅費の予算を十分確保するよう配慮願いたい。
▼教職員の研究会・研修会にかかる旅費の十分な確保
教職員はその職務の性質上、各教科における専門性を高めるとともに、常に今日的な課題に自ら取り組むことが不可欠であることから、研究会・研修会等に出席するための旅費については、現場の実態を把握され、予算の十分な確保を図るよう配慮願いたい。
▼へき地児童生徒援助費のスクールバス・ボート購入費の補助拡充
へき地児童生徒援助費のスクールバス・ボート購入費の補助について、その拡充を図るため国に働きかけるとともに、道においても地域性に応じた新たな補助制度を創設願いたい。
▼給食にかかる助成制度の拡充
学校給食用物資の安定供給のため、牛乳に対する助成制度の継続に加え、新たに米粉製品についても対象とするよう国に要望願いたい。また、今後予定されている消費税率の引上げにおいて、学校給食の食材については、その対象から外すよう国に要望願いたい。
▼食物アレルギー対応食の提供等に必要な学校生活管理指導表の文書料にかかる補助制度の創設
学校給食での食物アレルギー対応食の提供や学校生活上で食物アレルギーにかかる配慮、管理が必要な場合、保護者に医師が記載した学校生活管理指導表の提出を求めているが、記載にかかる文書料は、保護者負担となっている。
保護者に過大な負担が生じないよう、学校生活管理指導表の提出が必要なすべての児童生徒の文書料にかかる補助制度の創設等の措置を国に要望願いたい。
▼フッ化物洗口にかかる経費負担―重点要望事項
フッ化物洗口にかかる経費について、指定校や新規実施校に限らず、すべての実施校に対する支援措置について配慮願いたい。また、実施にかかる消耗品等の経費も助成の対象となるよう配慮願いたい。
▼学校におけるNHK放送受信料の免除措置の継続
小中学校、幼稚園、特別支援学校における学校教育放送番組の一層の利用促進を図るため、NHK放送受信料の免除措置が継続されるよう要望願いたい。
▼教育の情報化を着実に推進するための支援措置の拡充―重点要望事項
二十三年四月に国から公表された「教育の情報化ビジョン」によって、情報教育や教科指導における情報通信技術の活用、校務の情報化を通して教育の質の向上を目指していくことが示されたところであるが、従来からの地方財政措置だけでは新たな課題への対応が難しいことから、教育の情報化の着実な推進に向けて、地方財政措置のさらなる拡充に加え、新たな支援措置が図られるよう国に要望願いたい。
▼地域にとって重要な役割を果たしている小規模高校の存続
高校の配置については、地域に根ざした高校を残すという視点で、「新たな高校教育に関する指針」の見直しを視野に入れ、今後とも関係市町村との十分な協議の上、地域の実情を充分把握し、きめ細かく対応願いたい。
特に職業学科の学級減や配置については、地域産業の特性や産業人材育成ということも充分に踏まえ、学校が地域経済において果たしている役割や子どもの選択肢として果たすべき役割などを考慮し、広域的・長期的な視点から、関係市町村と協議の上、対応いただきたい。
また、人口減対策や「地方創生と教育」の観点において、小規模の高校が地域の中核的存在(生涯学習・キャリア教育の拠点)として、異校種連携を進めるなど魅力ある、地域に信頼される高校像を創造・提案していただきたい。
▼公立高校の再編整備に伴う通学費補助制度の充実
公立高校配置計画による高校の募集停止に伴う通学費補助制度の充実、とりわけ補助期間の延長について、引き続き鋭意検討していただきたい。
▼義務教育費国庫負担制度の維持
義務教育費国庫負担制度は、義務教育の根幹をなす制度であることを踏まえ、地方に財政負担を転嫁するような措置を行わないよう国に要望願いたい。
▼学校の安全体制の強化
現在、国の事業である学校安全体制整備推進事業等によって、各市では地域ぐるみで児童の安全を守る取組を行っているが、児童に対する被害防止教育の推進や、登下校時間帯の通学路における警察等のパトロール強化の要請など、子どもたちが安心して学習できる体制の整備を図るよう配慮願いたい。
▼北方領土問題に関する学習の充実
児童生徒が北方領土への関心を高め、正しい知識を身に付けることができるよう、学習指導要領における記載内容の充実を含め、北方領土に関する学習の充実を国に要望願いたい。
▼携帯電話やインターネットの利用による有害情報や被害から子どもを守る取組の推進―重点要望事項
携帯電話やインターネットを介して子どもがいじめや犯罪、トラブルに巻き込まれる問題が深刻化していることから、有害情報や犯罪被害・トラブルから子どもを守るため、啓発活動などの全道的な取組を一層推進していただきたい。
また、ネットトラブル等の防止の観点から、有害情報、青少年への携帯電話等の販売について、法整備が図られるよう国に要望願いたい。
▼教育目的で利用する貸切バスの確保および補助の新設
二十六年四月の一般貸切旅客自動車運送事業の新運賃・料金制度の適用に伴い、貸切バス代の高騰が著しく、校外学習でバスを借り上げて実施する場合、多くは保護者負担となっている。
このことから、保護者に過大な負担が生じないよう、教育目的の利用にかかる補助制度の創設等の措置を国に要望願いたい。また、運転手の不足や観光客の増加等によって、バスの台数確保にも苦慮している実情があるため、北海道バス協会等の関係団体に改善を申し入れていただきたい。
【幼稚園就園奨励費補助事業の改善について】
幼稚園就園奨励費補助金については、補助限度額の引上げなどの見直しが行われているが、各市町村の負担率は増加している状況にあるため、要綱に規定されている補助率「三分の一以内」を「三分の一」と明確にすることで、各市町村の財政負担の軽減を図るよう国に要望願いたい。
また、第二子以降の優遇措置に関して、保育所等の対象施設に兄・姉が通う場合だけではなく、弟・妹が通う場合でも同様に、兄・姉に当たる幼稚園児を第二子以降の優遇措置の対象にするなど、一層の幼稚園就園奨励費事業の充実を図るよう国に要望願いたい。
【その他文教施策の充実について】
▼国指定文化財の保存管理費用に対する助成の拡大
国指定文化財については、建造物の保存修理にかかる調査工事について対象外のものがあることから、その対象を拡大されるよう国に要望願いたい。また、史跡の維持管理経費は面積に応じて負担が変わることから、面積を考慮した交付税措置などを国に要望願いたい。
▼道立図書館の図書資料費の確保
道立図書館は、道民や市町村立図書館の期待に応えられるよう十分な資料費を確保するなど、今後も本道全体の文化水準の向上を図るよう配慮願いたい。
▼社会教育施設の改修にかかる補助制度の創設
生涯学習を一層推進するために、社会教育施設の長寿命化を図る改修に対する支援制度の創設について、国に要望願いたい。
▼へき地等学校の級別指定にかかる基準の改正
へき地等学校の級別指定について、より相対的へき地性が反映されるよう、最低気温のみで判断される現在の極寒地帯配点を見直し、厳しい自然条件を反映する現状に適応した気象データの採用などを検討していただきたい。
▼教育の事務の広域化にかかる運営体制の改善
教育の事務の広域化を進めるに当たり、実施主体の一部事務組合を設置する場合、総合教育会議を設けるとともに、執行機関において「教育の大綱」を定めることとされている。広域化の推進は、事務の簡素化や効率的な運営を目的に取り組むものであることにかんがみ、一部事務組合等における総合教育会議の設置を任意とする特例措置を設けるよう強く国に要望願いたい。
(関係団体 2016-06-14付)
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