札幌工業高の土木科２年生　出前授業で測量体験　進路選択「測量も視野に」

（関係団体 2016-06-14付）

最新測量機器を使い、ＧＮＳＳ測量などを体験

　札幌工業高校（池田尚志校長）土木科の二年生が八日、同校で行われた最新測量機器を用いた出前授業に参加した。ＧＮＳＳ測量などを体験して公共事業の果たす役割について理解を深めた＝写真＝。

　この活動は、土木技術を学ぶ生徒に測量の仕事をＰＲするとともに、測量業界への就業意識向上や担い手確保に向け、授業では体験できない最新測量機器を用いた実習を行うもの。主催は、国土地理院北海道地方測量部と札樽地区測量設計協会（橋本眞一会長）、札樽若力会（舟田幸太郎会長）で、昨年に続き二回目の開催。

　この日、出前授業に参加したのは、土木科の二年生二クラス七十人。一クラスずつ午前と午後に分けて実施した。

　はじめに、主催者を代表して国土地理院北海道地方測量部の岩田昭雄次長があいさつ。「測量業界は人手不足であり、若手技術者のたまごでもある皆さんは貴重な存在。今回の取組が皆さんの将来の職業を考える参考になれば」と期待した。

　また、札樽地区協会の渡辺亮副会長は、測量業界の高齢化が進み、危機的状況となっている現状にふれた上で、「誰よりも先に現場に入るのが測量会社で、やりがいを感じる仕事。皆さんが思っている以上に社会の期待は大きい。今回の体験を機に測量業界を将来の視野に入れ、活躍してほしい」などと述べ、若手技術者の確保に向けて測量業界の魅力をＰＲした。

　引き続き、教室でＧＮＳＳ測量の特長や留意点などを学習したあと、校庭に移動。八班に分かれて、最新の測量機器を使い、ネットワーク型ＲＴＫ―ＧＮＳＳ測量とトラバース測量を体験。最新機器に初めて触れた生徒たちは、精度の高さを実感し、楽しみながら測量技術の知識を習得した。

　作業を終えた上村優果さんは「初めてＧＮＳＳ測量の体験ができ、仕組みをしっかり理解することができた。測量業界も視野に入れ、将来の職業を考えていきたい」と話し、現場で利用されている最新技術について理解を深めていた。

　同校の梶邦明土木科長は「出前授業を通して生徒たちの測量への関心も高まっている。国土地理院や業界の力を借りながら学校としても、良い人材を育てていきたい」と話していた。

　今後は、国土地理院と道内各地の測量設計業協会が連携を取り、全道的な開催も検討している。

(関係団体 2016-06-14付)