29年3月新規高卒者の求職動向調査―道労働局 〝道内志向〟依然強く 「希望職種未定」生徒2割弱
( 2016-07-01付)

 道労働局は六月二十九日、来年三月新規高校卒業者の求職動向調査結果の概要を公表した。道内の全高校を対象に調査し、五月十五日現在の状況をまとめたもの。就職希望者のうち、道内就職を希望する生徒の割合は、前年同期を〇・一ポイント下回る九三・五%と、依然として道内志向の高止まり傾向が続いている。希望職種は前年同様、「事務的職業」や「生産工程の職業」、「サービスの職業」が上位を占めたが、二割弱の生徒は就職を望みながら職種をみつけられないでいる。

 ことし三月新規高校卒業者の就職内定率(三月末)は、前年同期を一・四ポイント上回る九七・九%と、バブル景気だった平成四年三月卒(九八・六%)以来の高水準となった。

 来春の道内高校卒業予定者数は五万七百七十四人(男子二万五千八百二十四人、女子二万四千九百五十人)で、前年同期に比べ〇・三%減少。うち、四五・七%に当たる二万三千百八十八人が進学、一六・二%の八千二百五人が専修学校・各種学校への入校を希望している。卒業予定者に対する割合は、前年同期に比べ、進学希望者は〇・三ポイント、専修学校・各種学校への入校希望者は〇・五ポイントそれぞれ減少した。

 就職希望者は一万一千百四十人(男子六千四百二十七人、女子四千七百十三人)で、卒業予定者に占める割合は〇・二ポイント減の二一・九%となった。

 そのうち、学校、職業安定所の紹介による就職希望者は一・三%減の八千七百三十二人(男子四千七百四十三人、女子三千九百八十九人)で、八千百六十七人(男子四千二百九十六人、女子三千八百七十一人)が道内就職を希望。その割合は前年同期比〇・一ポイント減の九三・五%(男子九〇・六%、女子九七・〇%)と、四年ぶりで前年を下回ったものの、過去十年間で最も高い数値だった前年とほぼ変わらず、道内志向が強い傾向は依然続いている。

 希望上位三職種は、「事務的職業」(一五・七%)、「生産工程の職業」(一五・六%)、「サービスの職業」(一五・五%)で、わずかの差ながら、一位と三位が入れ替わった。男女別でみると、男子では、「生産工程の職業」(二三・一%)、「管理的・専門的・技術的職業」(一七・四%)、「サービスの職業」(一〇・〇%)の順に希望が多く、女子では、「事務的職業」(二七・七%)、「サービスの職業」(二二・〇%)、「販売の職業」(一九・一%)が上位を占めた。男女とも、前年と同じ順位となった。

 一方、男子八百九十五人、女子六百八十二人、合わせて道内就職希望者の一九・三%に当たる一千五百七十七人が就職を望みながら、職種をみつけられないでいる。

 道外就職をみると、希望者は前年と同数の五百六十五人で、三年連続六百人を割り込み、二年続けて最少人数を記録した。

 道労働局では、事業所に対し、新規高卒者の採用枠の拡大を要請する一方、ハローワークにおいて、七月一日以降、高卒就職情報WEB提供サービスを通じて各高校に求人情報を提供する。

 さらに、就職希望の高校三年生を対象に、就職への動機付けや職業・企業選択能力の向上を図るガイダンスを、七~八月の間に全道で三十回開催する予定のほか、生徒の応募機会の拡大と就職内定の促進を目的に、十月以降、道内各地域で就職面接会を開催する。

( 2016-07-01付)