幕別町の２９年度教育行政執行方針＝田村教育長

（市町村 2017-03-24付）

幕別町教委・田村修一教育長

　【帯広発】幕別町教委の田村修一教育長は二日、第一回町議会定例会で二十九年度の教育行政執行方針を説明した。義務教育期間にかかる保護者の経済的負担の軽減を図ることを目的に、「町内の中学校に就学している生徒が参加する修学旅行に要する費用の一部を支援していく」との考えを表明。このほか、義務教育期間である九年間を見据えた教育活動を行うための仕組みづくりについて、二十九年度は小中一貫教育等推進構想および推進計画を策定する方針を示した。

執行方針の概要はつぎのとおり。

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▼生涯にわたる学習社会の形成

　二十六年三月に策定した第五次生涯学習中期計画に基づき、「いつでも、どこでも、だれでも」が学ぶことができる生涯学習施策を展開し、学習成果が生かされる生涯学習社会を形成するため、今後とも生涯学習の振興に取り組んでいく。

　図書館については、二十八年度に引き続き、本を通して、現代社会におけるストレスの軽減を図るため、図書館でのストレス測定を行うとともに、「活字」と「笑い」の機会の提供を通じ、予防医療につながるような新しい社会モデルづくりについて、町関係部局と連携した事業の充実に取り組んでいく。

▼健やかな子どもを育てる学校教育の推進

▽幼児教育の充実

　二十九年度も異年齢保育、満三歳児入園、預かり保育、幼児教育相談や特別な支援を要する園児への対応を行うなど、多様化するニーズに対応した幼児教育を実践し、幼児期にふさわしい発達を促す教育を進めていく。

▽小・中学校教育の充実

　義務教育期間においては、子どもたちが社会の一員として自立し、時代に対応した力を育むため、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」のバランスが取れた「生きる力」を育む教育活動の推進に努めていく。

▽保護者の経済的負担の軽減

　二十九年度から、義務教育期間にかかる保護者の経済的負担の軽減を図ることを目的に、町内の中学校に就学している生徒が参加する修学旅行に要する費用の一部を支援していく。

▽確かな学力の向上を図る学習指導の充実

　今後とも、児童生徒の学力向上のため、学校におけるチャレンジテストの活用や学力向上の様々な取組を粘り強く進め、成果や課題について分析するとともに、学習規律の徹底を図るなど、児童生徒一人ひとりが確かな学力を身に付けられるよう、個に応じたきめ細かな学習指導の充実に努めていく。

　また、現在、義務教育期間である九年間を見据えた教育活動を行うための仕組みづくりについて、教職員、ＰＴＡ、教育委員会職員で組織する「小中一貫教育等推進会議」において検討しているところで、目指す子ども像、学校像を含め、二十九年度は、小中一貫教育等推進構想および推進計画を策定する。本年度は、推進会議委員による視察研修を行うとともに、ＰＴＡ等住民を対象とした説明会を予定するなど、小中一貫教育等についての理解を深め、三十年度には、「実践研究モデル校」を設置し、より具体的な教育実践による成果と課題を把握し、「ふるさとに誇りをもつ子どもを育む幕別の一貫教育」を目指して取り組んでいく。

▽特別支援教育

　小・中学校における特別な支援を必要とする子ども一人ひとりに応じた指導の充実を図ることを目的に、引き続き特別支援教育支援員を配置するとともに、特別支援教育支援員の資質向上を図るため、研修会の開催などに取り組んでいく。

　また、本年度から新たに、配置先の学校で教職員と支援員との連携をより円滑に行うため、指導打ち合わせ時間の確保を図り、より充実した特別支援教育を推進していく。

▽高校教育の充実

　町内の三つの高校の教育振興や魅力ある学校づくりのための支援を行うとともに、校外学習や実習体験等にスクールバスの運行支援を引き続き行っていく。

　また、新たに中札内高等養護学校幕別分校を支援する「地域協力会」を、町内の福祉関係団体や経済団体等の理解と協力をいただき設立し、二十九年度から、これまで以上に生徒の教育活動や地域における就労促進につながるよう、地域協力会と連携し取り組んでいく。

▼青少年の健全育成の推進

　自然体験学習等を通じて、豊かな人間性の育成を図るため「ふるさと館ジュニアスクール」や「ジュニアサタデースクール」などを引き続き実施するとともに、町ＰＴＡ連合会や町児童生徒健全育成推進委員会のほか、子ども会などの活動に対して、引き続き支援を行い、心身共に健康で、豊かな未来に希望をもった青少年の育成を推進していく。

(市町村 2017-03-24付)