森町の２９年度教育行政執行方針―香田教育長説明　子が主体的に学ぶ授業を　CS導入の体制づくり検討

（市町村 2017-03-23付）

森町教委・香田隆教育長

　【函館発】森町教委の香田隆教育長は、三月上旬に行われた第一回定例町議会で、二十九年度教育行政執行方針を説明した。学校教育では、これまで実施してきた「学力向上三ヵ年計画」の検証結果を踏まえた「新学力向上推進計画」の実施を進めるとともに、チャレンジテストの有効活用や家庭学習強調週間の促進などを通して、子どもが主体的に学ぶための授業づくりを推進し学力の定着を図っていくとした。そのほか、「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という目標のもと、コミュニティ・スクールの導入を進めていく方向性を示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

　「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という目標を学校と家庭、地域が共有し、連携、協働しながら、保護者や地域の方が教育活動に参画することや、保護者への教育活動の情報提供など、開かれた学校づくりが大切になる。

　そのために、学校と家庭、地域が一体となってよりよい教育の実現に取り組むための「コミュニティ・スクール」を順次導入し、二十九年度には、体制づくりの検討を進めていく。

　学校教育の充実は、幼稚園、小・中学校のカリキュラム・マネジメントや授業改善について指導主事の活用を図るとともに、学校等の自主的な公開研究会の実施、次期学習指導要領についての研修機会の拡充に努め、より質の高い教育を進めるための教師力の向上に取り組んでいく。

　子どもたちの学力については、NRT学力検査や全国学力・学習状況調査の結果において改善傾向にある。「学力向上三ヵ年計画」検証結果を踏まえた「新学力向上推進計画」を実施するとともに、チャレンジテストの効果的な活用、家庭学習強調週間の促進、子どもが主体的に学ぶための授業づくりを進め、確かな学力の定着を図っていく。

　豊かな心の育成については、道徳教育の一層の充実を図り、規範意識や倫理観、生命の尊重や他人を思いやる心を育成する取組を進めていく。また、道徳教育は学校の教育活動全体を通じて行うことから、道徳の時間はもとより、各教科や総合的な学習の時間、特別活動との関連を明確にした道徳教育の全体計画の改善・充実を進め、子どもたちの豊かな心を育んでいく。

　特別支援教育については、二十八年度に施行された障害者差別解消法を受け、学校現場での支援体制づくりや教職員の研修活動の充実を図っていく。また、インクルーシブ教育システムの構築を目指し、通常の学級、通級による指導、特別支援学級といった、多様な教育的ニーズに対応できる学びの場や特別支援教育支援員の確保、早期からの教育相談・支援体制の整備に努めていく。

　森高校については、海外での交流活動を通して世界に目を向ける人材を育成するための「海外短期留学生派遣事業」や個々の習熟度に応じた授業を選択して学習し、入試対策まで行う教育支援システムの導入を、森高校振興会を通じて支援していく。

▼社会教育

　家庭教育の振興については、家庭は教育の出発点であることから、基本的な生活習慣の確立や自立心を育み、心身の調和のとれた発達が図られるよう、情報や学習の場の提供を通して家庭の教育力の向上を目指していく。

　青少年教育については、人と人とのふれあいを大切にし、子どもたちが互いに尊重し合い、思いやりの心や美しいものに感動する心を育むことが重要となります。そのために、郷土の優れた学習資源を活用し、郷土に愛着をもち、あすの森町を担う子どもたちのための学習・体験活動の充実に努めていく。

(市町村 2017-03-23付)