留萌市の教育行政執行方針―早川教育長説明　小中３校に無線ＬＡＮ整備　小・中の図書購入費を増額

（市町村 2017-03-23付）

留萌市教委・早川隆教育長

　【留萌発】留萌市教委の早川隆教育長は三月上旬、第一回市議会定例会で教育行政執行方針を説明した。このほど策定した今後十年間の教育展望を示す「教育ビジョン」における「留萌市ＩＣＴ整備計画」に基づき、緑丘小学校、留萌中学校、港南中学校の無線ＬＡＮ環境を整備。また、読書活動の推進については、「これまでの小・中学校の図書購入費に加え、新たに学校図書館の標準冊数に満たない学校に対する図書購入費の増額を行い、図書の充実を図っていく」との考えを示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の充実

▽確かな学力を身に付けるための教育の充実

　幼児教育から高校教育までの連携について、各中学校区における小・中連携推進員会などによる学びの連続性を踏まえた教育活動の充実を目指す。

　ＩＣＴ教育については、「ＩＣＴ整備計画」に基づき、緑丘小、留萌中、港南中の無線ＬＡＮ環境の整備を進めていく。さらに、教職員が使用する校務用パソコンを含む小・中学校すべてのパソコンをタブレットとキーボードが一体化した「２ｉｎ１方式」に更新する。

　これらの整備によって、小・中学校におけるＩＣＴを活用する環境が整い、ＩＣＴを効果的に活用した授業改善や情報化社会に主体的に対応する教育を推進していく。

　英語教育については、小学校の英語教科化やグローバル社会を見据え、英語指導助手を保育園に派遣するなど、学校以外においても効果的な活用を進める。

▽豊かな心の育成

　郷土に愛着と誇りをもつ教育については、「留萌人（るもいびと） 」の生き方にふれる機会の充実や、地域資源を活用したふるさと学習の機会の充実を図り、特に、日本一の生産量を誇る数の子について学ぶ授業の充実や数の子給食の取組を進める。

　読書活動の推進については、これまでの小・中学校の図書購入費に加え、新たに学校図書館の標準冊数に満たない学校に対する図書購入費の増額を行い、図書の充実を図る。

▽健やかな体の育成

　子どもたちの体力向上については、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の分析から、一人ひとりの体力の状況を踏まえた体育の授業改善、一校一実践の体力づくりの取組、コオーディネーショントレーニングなどによって、さらなる体力・運動能力の向上を目指す。

　食育の充実については、栄養教諭による食に関する指導や「地元食材一〇〇％給食事業」「農業体験学習」を通じて児童生徒の食に関する知識や関心を高める取組を進めていく。

▽信頼される学校づくりの推進

　コミュニティ・スクールについては、三十年度からすべての小・中学校で、地域の教育力を積極的に取り入れた学校づくりを目指し、学校運営協議会の設置検討・準備や家庭・地域への情報提供を積極的に進める。土曜授業については、地域の豊かな社会資源を活用し、体験活動や文化・スポーツ活動を行うなど、新たな教育活動の運営方法として、効果を検証していく。

　特色ある学校づくりについては、地域の特色を生かし、それぞれの学校が創意工夫によって学校運営を積極的に取り組むことができるよう、新たに校長裁量予算を配分する。

▼教育環境の充実

▽教育環境の維持向上

　二十九年度末をもって五十五年の歴史と伝統に幕を閉じる北光中学校について、港南中学校との統合に向け、交流授業などを通して生徒や保護者の不安解消に努める。また、閉校に向けて、北光中閉校事業実行委員会補助金による支援を行っていく。

(市町村 2017-03-23付)