小平町の29年度教育行政執行方針―吉田教育長説明 CS実現へ検討開始 小・中連携教育の推進も(市町村 2017-03-23付)
小平町教委・吉田芳博教育長
【留萌発】小平町教委の吉田芳博教育長は六日、第一回町議会定例会で、教育行政執行方針を説明した。町民一人ひとりがもつ能力・可能性を最大限に伸ばし、人生を豊かにするという教育の使命を果たすべく、今後も「ふるさとを愛し、ふるさとを拓く、心豊かな人を育む小平の教育」を基本理念とし、学力・体力の向上や教育環境のさらなる充実を図っていく考えを示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育の推進
新しい時代を担う人材を育成するべく、何事にも果敢に取り組む向上心に富んだ子どもを育てていく必要がある。学校と保護者や地域の人々がともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、協働して子どもたちの豊かな成長を支え「地域とともにある学校づくり」を目指すため、コミュニティ・スクールの具現化に向けた検討を進める。
また、昨年四月に学校教育法の一部が改正され、九年制の小・中併置一貫義務教育校の設置が認められたことによって、これまでの学校の在り方が大きく変革している。小平・鬼鹿の子どもたちが各小学校から町内唯一の小平中学校へとスムーズに進学し、「学びのつなぎ」や「連続した支援」へとつなげるため、小学校間での交流学習や小中教員相互の授業参観などによって、小学校から中学校へと連続性のある指導カリキュラムの構築を目指し、一貫教育につながる小・中連携教育を推進する。
また、児童生徒の学力は、毎年度の全国学力・学習状況調査の結果などから、小・中学校ともに全国平均にほぼ到達しているが、次期学習指導要領では、小学校五年生から外国語が正式な教科となり、年間三十五時間の時数増とされている。国際化社会を主体的、創造的に生きていくために、「知識の活用」や「実践力」が求められることとなり、児童生徒の「意欲」や「やる気」を引き出す教育活動がより一層求められている。
そのため、町内小・中学校では、朝学習や長期休業中の学習会の充実を図り、学習内容を確実に定着させることや、家庭とも連携しながら学習習慣の定着や生活リズムの改善に努めていく。また、児童生徒が「生きること」や「働くこと」への関心を深め、社会的・職業的自立に向けた能力や態度を育てるため、地域の産業や働くことについて学ぶキャリア教育としての農業・漁業等での体験学習の拡充を支援する。
教育におけるICTの活用では、児童生徒の学習への興味・関心を高め、分かりやすい授業や児童生徒の主体的な学びにつなげるため、タブレットなどのICT機器の計画的な整備・導入を図っていく。
いじめについては、「どの子どもにも、どの学校においても起こり得る」ことを十分認識し、学校・家庭・地域・関係機関と一層連携を強め、他人を思いやれる「豊かな心」の育成に向けて道徳教育を充実し、規範意識や命を大切にする心など、本町の子どもたちに定着している「豊かな心」をさらに向上させる取組を推進する。
▼特別支援教育の充実
障がいのある子どもたちの自立や社会参加を促進するため、乳幼児期から中学校卒業までの一貫した支援を目指し、「小平町子育て支援ファイル(つながーる)」の活用によって、幼稚園から小・中学校との間で、個々の成長記録を効果的に引き継ぎ、町の関係部局や関係機関との連携を図りながら、幼稚園、小学校に特別支援員を配置するなど、担任との連携を強め、きめ細かな支援を進めていく。
▼健康安全対策
保健指導の徹底と健康管理、疾病等の予防という観点から生活習慣の改善を図り、歯の健康を保持する取組として、幼稚園および小・中学校におけるフッ化物洗口を継続して実施していく。また、子どもたちの安全を確保するため、学校・地域・関係者と協力・連携して、交通安全・防犯対策に努めながら、児童生徒が安全に通学できるよう通学路の安全点検やスクールバス等による児童生徒の安全な通学に努める。
▼幼稚園教育・子育て支援
幼稚園教育については、幼児期が子どもの成長過程の中で、特に重要な時期になっていることを踏まえ、遊びを中心とした楽しい集団生活の中で、幼児の個性を見極めながら成長を促すことが重要なことから、保護者との信頼関係を十分に築き、ともにより良い教育環境を提供できるよう努めていく。また、引き続き、各家庭の子育てを応援するための施策についても、継続して行っていく。
(市町村 2017-03-23付)
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