豊富町教委が「湯治留学」展開　温泉で皮膚疾患治して　小中高生の転入を支援

（市町村 2017-03-28付）

温度を低く設定した湯治用の浴場があるふれあいセンター

　【稚内発】豊富町教委は、二十九年度から豊富温泉湯治留学支援事業を実施する。皮膚疾患に悩む全国の小・中・高校生を対象に、豊富温泉で湯治をしながら学校に通うことができるよう、住宅補助や入浴料の無料化などの支援を行う。

　豊富温泉は石油臭のする油分を含む特徴的な泉質で、全国から湯治客や観光客が訪れている。

　町教委が昨年十二月、全国の小・中・高校生を対象に湯治モニターを募集したところ、高校生一人が参加。湯治しながら学校に通うことができるということで、四月から豊富高校への転入を希望している。

　町教委では皮膚疾患に悩み学校に通うことのできない子どもを支援するため、二十九年度予算に新規事業として豊富温泉湯治留学移住支援補助事業に百六十万円、豊富温泉湯治留学体験支援補助事業に百二十万円を計上。移住支援では、住宅補助のほか、湯治客用の浴場を設置している町営温泉入浴施設「ふれあいセンター」の入浴料無料の支援を行う。

　体験支援では、二週間～三週間の期間、町に滞在し湯治を体験する際の支援として、ふれあいセンターの入浴料無料や交通費・宿泊費の助成などを行う。

　いずれの事業も皮膚疾患によって通学が困難な全国の小中高生が対象で、医師による推薦が必要となる。

　町教委の笹岡義弘教育次長補佐は「病気に悩み、学校を休みがちな子どもたちが豊富温泉を利用してまた学校に通うことができれば」と話していた。

(市町村 2017-03-28付)