士別市教委の30年度教育行政執行方針 市内4地区でCS導入 特別支援教育支援員を増員
(市町村 2018-03-05付)

士別市教委中峰寿彰
士別市教委・中峰寿彰教育長

 【旭川発】士別市教委の中峰寿彰教育長は、二月二十一日開会の第一回定例会で教育行政執行方針を説明した。コミュニティ・スクール(CS)について、新年度は上士別・多寄・温根別・朝日の四地区、三十一年度に中央市街地区の導入を予定し、学校・地域の連携によってさらなる教育活動の推進を図る。特別支援教育では、児童生徒個々の状況に応じた細やかな支援を一層充実するため、特別支援教育支援員を増員する。教職員の健康面への配慮や授業準備時間の確保のほか、児童生徒と向き合う時間の拡大などに向けて、労働環境の改善に取り組むことを示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

 外国語教育の充実に当たっては、英語指導助手の体制充実を図るとともに、本市独自の研修活動を継続実施するなど、教員の指導力向上に努める。

 三・四年生外国語活動と五・六年生外国語科について、三十二年度までの移行期間における授業時間数は本格実施と同じ時間数を設定する。

 このほか、複数の教員がチーム体制で授業改善を進める取組や、習熟度別の少人数指導などによって授業力の向上を図るほか、体験活動や体育・健康に関する指導を通して、子どもたちの豊かで健やかな心身の育成に努める。

 未来の担い手となる子どもたちがわがまちを見つめ、まちづくりを学び、自分たちの夢や思いを意見・提言として発表する場である子ども夢トークや子ども議会を継続実施する。

 地域資源を生かした学びの実践である農業学習については、小学校三年生から六年生までの継続した総合的な学習として、地域との連携や積極的な地域人財の活用のもと、多様な体験と学習の深化を図る。

 本市が都市宣言している「非核・平和」に関する学びをはじめ、環境教育や消費者教育、主権者教育、さらには、人権や男女共同参画についての理解を深める学習を推進する。

 三月末をもって閉校する中士別小学校の児童が新たな学びの場となる士別小学校においても、通学方法などに万全を期すとともに、新年度限りでその歴史に幕を閉じる西小学校についても、統合後の不安の解消と円滑な移行に向けての準備を進める。

 さらに、学校の適正配置にかかわっては、PTAや地域などの総意として示された多寄中学校の統廃合要望も踏まえ、今後の在り方についての検討を進める。

 子どもたちの生活習慣や学習習慣の改善に向けては、幼児期からの早寝早起き朝ごはん、通学合宿事業「チャレンジスクール」などを継続実施。教職員や士別翔雲高校生などの協力も得て、長期休業中におけるチャレンジ寺子屋を引き続き開設するなど、学力・体力向上に対する意識高揚と異なる学校の児童相互の交流を図る。

 土曜子ども文化村については、職業体験などを行う「生活館」「文化館」「芸術館」「自然体験館」の四つに再編成。地域の方々の協力によるプログラム設定のもと、多様な学びと有意義な体験機会を提供する。

 特別支援教育については、児童生徒個々の状況に応じた細やかな支援を一層充実するため、特別支援教育支援員の増員を図る。併せて、知的発達に遅れはないものの、文字の読み・書きなどに困難が認められる児童への対応として、本年度から士別小をモデル校として取り組んでいる専門的な指導について、新年度以降、順次拡大を図る。

 士別東高校は、一人ひとりの個性を尊重し、その状況に応じながら学習意欲を高める教育を推進するとともに、多様性への理解や国際理解を深める体験機会として、台湾への見学旅行を継続し魅力ある学校づくりを進める。

▼社会教育

 市立図書館においては、引き続き、児童向け図書等の充実を図るとともに、子どものころから読書に親しむ習慣づくりに努める。また、過去の地元新聞など郷土資料の電子化を進め、情報発信の場としての機能拡充を図る。

▼教育・学習環境の整備

 学校教育にかかわっては、コミュニティ・スクール(CS)の導入が環境面での大きな変化となる。新年度において、上士別・多寄・温根別・朝日の四地区で導入し、三十一年度には、中央市街地区でも導入する予定。併せて、地域学校協働本部を設置し、地域全体で子どもの学びや成長を支える体制の強化を図り、地域と学校との連携・協働を推進する。

 部活動については、生徒の減少に伴う教職員の減によって、一部の部活動が存続できなくなっている。こうした状況に対応するため、スポーツ庁が示したガイドライン骨子も参考に、部活動の今後の在り方について検討を進めるとともに、当面の対応策として、部活動指導員の確保に努める。

 学校現場では、教職員の健康面への配慮や授業準備時間の確保のほか、児童生徒と向き合う時間の拡大などに向けても、校長会などとの協議のもとに、労働環境改善に努める。

 学校教育施設の耐震化に当たっては、士別中学校体育館の吊り天井改修を実施するほか、朝日中学校の耐震化にかかわる整備方法の検討を進める。

(市町村 2018-03-05付)

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