池田町の30年度教育行政執行方針 少人数・習熟度別指導充実へ 全小・中学校にCSを導入
(市町村 2018-03-14付)

池田町教委加賀学教育長
池田町教委・加賀学教育長

 【帯広発】池田町教委の加賀学教育長は五日、町議会第一回定例会議で三十年度教育行政執行方針を説明した。新学習指導要領への移行に伴い、臨時教員、学習支援員の配置や加配定数の活用によって、少人数指導や習熟度別指導をはじめ、子どもたち一人ひとりに応じたきめ細かな指導体制を整えていく考えを表明。また、新年度から全小・中学校においてコミュニティ・スクール(CS)を導入する方針を示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼知識・技能の定着と活用する力の育成

 全国学力・学習状況調査の結果を的確に分析した上で、授業改善に取り組むことはもとより、子どもたちの生活リズムは学力に影響するとの指摘がある。保護者などに対して、家庭での学習時間や読書の時間を含め、時間の目安を決めて生活リズムを整えることの大切さを促していく。

 新学習指導要領総則の内容を踏まえ、幼稚園などでの遊びや生活を通して育まれてきたことが小学校の各教科などの学習に円滑に結び付くよう、生活科を核とした関連的な指導や弾力的な時間割を設定する「スタートカリキュラム」の編成に取り組み、小学校に入学した子どもたちが安心して学べる学習環境づくりに努める。

 三十年度は、新学習指導要領への移行措置として、小学校三年生から外国語活動が先行実施される。本格実施を見据えた授業時数の確保はもとより、臨時教員、学習支援員の配置や加配定数の活用によって、少人数指導や習熟度別指導をはじめ、子どもたち一人ひとりに応じたきめ細かな指導体制を整えていく。あわせて、子どもたち一人ひとりの学力の状況や学校生活への意欲・満足度、体力などを一体的に表す「バッテリーシート」の活用を図り、学校教育指導の充実に努める。

 学校図書館を活用した読書習慣の定着や学習支援については、研究指定を受けている学校図書館活用促進事業の取組を踏まえながら研究を進める。

 特別支援教育については、中学校に特別支援教育支援員を配置し、子どもの教育的ニーズに応じた指導や支援の充実を図る。

 教職員の多忙化が指摘され、学校における働き方改革が提言されている中、夏季休業期間中に学校閉庁日を設け、教職員が連続した休暇が取得しやすい環境を整えるとともに、事務負担を軽減し、きめ細かな指導の充実を目的とした校務支援システムを池田小学校と池田中学校に先行的に導入し、その成果を検証するなど、教職員がゆとりをもって子どもたちに向き合う時間が確保できるよう取組を進める。

▼豊かな心と健やかな体の育成

 新たに実施される「特別の教科 道徳」については、公開授業や指導主事による学校教育指導などを通じ、子どもたちの心に響く効果的な授業づくりに努める。

 いじめについては、すべての子どもたちが、笑顔にあふれ元気に学校生活を送ることができるよう、池田町いじめ防止基本方針に基づく組織体制の充実を図るとともに、引き続き、いじめ相談や様々な悩みについて相談できる教育相談員を配置するほか、学級集団状況調査、Q―Uテストも活用し、いじめの未然防止、早期発見・早期対応の取組を徹底する。

 子どもたちの体力については、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を的確に分析するとともに、全国調査の対象学年以外の児童生徒においても新体力テストを実施するなど、体力・運動能力などの向上に向けた検証・改善サイクルの充実に取り組む。

 また、小学校教員の体育に関する指導力の向上や学校全体の体力向上の取組の充実を図るため、学級担任とのチーム・ティーチングによる指導や授業づくりを支援する体育専門の体育専科教員の配置について検討する。

 フッ化物洗口については、むし歯予防手段として実施に当たっての安全性などについて周知を図っているが、引き続き、未実施児童の保護者にも理解を得ながら、より多くの児童が参加するよう取り組む。

▼教育環境の整備

 子どもたち一人ひとりが登校から下校まで快適に学校生活を送ることができるよう、常盤線スクールバスを更新するとともに、池田小にエレベーターを設置する。

▼文化・芸術活動の推進

 子ども夢基金を活用し、小学生や中学生を対象に演劇などの芸術鑑賞事業を実施するとともに、町民が芸術文化を鑑賞する機会として、宝くじ収益金を活用した社会貢献広報事業などを行う自治総合センターとの共催による宝くじ文化公演を実施する。

▼青少年健全育成事業の推進

 休日を利用して様々な体験活動を行うわんぱく体験塾や異なった学校・学年の児童が一定の期間、共同で炊事などの生活体験を行う通学合宿、放課後の安全・安心な居場所づくりと合わせ、スポーツ活動や体験学習などを行う放課後子供教室を引き続き実施する。

▼子どもたちの成長を支える仕組みづくり

 保護者や地域の方々が学校運営に参画し、学校教育を支援していく学校運営協議会制度をすべての小・中学校で実施する。

 今後、次代の地域社会を担う子どもたちの成長に向け、学校運営協議会制度の検証を重ねながら充実を図り〝池田町の教育スタンダード〟ともいえるような仕組みづくりを目指していく。

(市町村 2018-03-14付)

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