道小・道中・道公教の文教施策・予算要望 副校長・主幹教諭 配置増を 若手教員の育成へ施策充実(関係団体 2019-05-14付)
道小学校長会(大石幸志会長)、道中学校長会(新沼潔会長)、道公立学校教頭会(安田仁昭会長)は9日、道教委に『北海道文教施策・予算策定に関する要望書』を提出した。令和2年度の文教施策・予算策定に当たり「学校経営の一層の充実と教育課程の推進および教育条件の整備・改善」など5つの大項目のもとに各要望を提示。学校における働き方改革のより一層の推進、ICT環境の地域格差の解消、若手教員の実践力向上に向けたさらなる施策の充実などを求めた。要望事項はつぎのとおり。
【学校経営の一層の充実と教育課程の推進および教育条件の整備・改善】
▼学校経営の一層の充実への対応
▽子どもと向き合う時間の確保にかかわる諸問題の取組や学校における働き方改革のより一層の推進
▽活力ある学校づくりのため、校長の教職員に関する人事具申の一層の尊重
▽安定した学校運営を図るため、副校長などの新たな配置および主幹教諭の配置増による学校組織体制の確立およびそのための条件整備
▽新年度スタート時の加配・期限付教諭の確保および産休・病休などに伴う臨時的任用職員の確実な配置、退職教員の積極的な活用
▽確かな学力の育成を目指し、地域や学校の実情に即した非常勤講師などのより一層の増員
▽広域人事対象教員および他管交流対象管理職の能力が十分に発揮されるよう、対象者・学校・道教委との3者による円滑な連携の一層の推進
▼教育課程編成、実施および充実のための条件整備
▽生きる力を育む教育課程の編成・実施・評価・改善に向けた道独自の条件整備
・授業時間数の増加に見合った教員数の確保
・英語・理科などの専科指導のための正規教員の加配や講師などの人的配置
・個々の児童生徒の理解を促進するタブレットや周辺機器(実物投影機、電子黒板など)および教育ソフトウェアなどのICT機器の整備・拡充
・武道必修化に伴う武道場、防具などの整備
▽道独自による小学校第2学年以上、中学校第1学年以上における35人以下学級の継続・拡大と条件整備
▽3学級4定員、6学級8定員など小規模校における定数改善および専任教頭の全校配置
▽小学校の複式学級における学級編制基準の引き下げおよび中学校の複式学級解消のための定数改善
▽中学校における免許外担当の一層の縮減のための講師制度の拡大と充実
▽コミュニティ・スクール導入や小中連携・一貫教育を円滑に推進するための支援
▽文部科学省の10年間の教材整備計画に伴う地方交付税措置による教材、備品、学校図書館用図書などの一層の整備・充実
▽教員採用選考制度のさらなる改善および初任者の適正な配置と広域人事などによる地域教育力の向上を図る施策の推進
▽学力向上や体力向上方策としての地域人材やボランティアの確保に関する必要経費補助
▼豊かな心を育む教育やいじめ問題等への取組の充実
▽いじめや不登校の事案に対応するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の拡充
▽家庭・地域社会・関係機関と連携した生徒指導・教育相談体制の充実
▽道徳教育充実のための施策および研修のさらなる充実
▼特別支援教育の円滑な推進に向けた条件整備および国や市町村教委への働きかけ
▽通常の学級における特別支援教育支援員の整備(配置数の拡充と待遇処置)
・市町村の格差解消のための特定財源化に向けた働きかけ
▽通常の学級への支援および特別支援学級の教員配置基準の見直し
・より少人数での指導を可能とするための基準の見直し
▽特別支援教育コーディネーターの定数配置および養成研修の充実
・特別支援教育コーディネーターの専任制と専門性向上の体制整備
▽インクルーシブ教育の理念を具現化する環境整備の充実
・障がいのある児童生徒が十分に教育を受けるための合理的配慮と基礎的環境整備の充実
▽特別支援教育を充実させるための教職員の専門性向上など
・校長ならびに現職教員の研修機会の充実、交流および共同学習の充実のための通常の学級担任の研修、免許状の取得
▽多様な学びの場の整備と学校間連携などの推進
・複数教員による指導、特別支援学校や専門家の活用
▽早期からの教育相談・支援体制の構築
・教育相談、就学相談での合意形成等の体制整備
▽就学や進学、就労にかかわる体制整備
・就学や進学、就労にかかわる連携体制の整備と充実
▼へき地・複式校、小中併置校、小規模校における条件整備
▽統廃合における人的な配置
・教頭の担任解消
・閉校加配、統合加配の確実な履行
▽複式指導における児童の学習環境の向上と教員の負担軽減
・小学校1・2年の複式学級解消、事務職員の加配
・児童生徒数にかかわらない養護教諭の配置
・「変則複式学級」および「飛び複式学級」の解消
・理科、社会科、外国語活動、外国語科における複式指導の解消
▽複式学級における教員の実践力向上
・道教委などによる『複式教育に関する指導資料』等作成
・各種研究機関などによる研修の充実
・市町村教委のへき地複式教育に関する研修・研究活動に対する支援
・遠隔研修ができるための環境整備
▽へき地学校指定級見直しに向けた条件整備
・各学校の地域性、実態に見合ったへき地学校指定級の見直し
・北海道の実態を反映した指定基準点数、調整点の見直し
・市町村教委と学校との連携の充実および要請の場の設定
▼教職員の専門的指導力を高めるための研修費、旅費等の一層の充実
▽学校管理運営旅費、校内・地域教職員研修促進費の増額
▽学校予算にかかわる裁量権限の拡大
▽生徒指導旅費、校外学習指導旅費の確保
▽修学旅行引率旅費の確保と実態に見合う配分基準教員数の見直し
▽児童生徒引率用務にかかる旅費などの運用の弾力化
▽赴任旅費規程の実態に見合った見直し
▼北海道の特性を踏まえた公立高校の適正配置
▽高校の個性化、多様化を目指した地域連携のより一層の推進
▽連携型、併設型、一体型の中高一貫教育の検討と推進
▼部活動等の条件整備
▽「部活動における指導者の確保・指導力向上および服務に係る取扱い」について、実態に見合うさらなる検討の促進
▽部活動指導員導入に伴う諸条件の一層の整備促進
▼中学校体育連盟等の組織の育成とその充実、ならびに業務増加への対応
▽中体連全道大会の引率旅費の新設と、全国大会の実態に見合った旅費支給規程のさらなる見直し
▽助成金の財源確保および道所管の施設、設備の使用料の減免、免除等の一層の推進
▽中学校における文化活動の振興と支援および舞台公演事業の充実
▼自然災害への対応も含め、学校の危機管理にかかわる諸対策について市町村教委への働きかけ
▽校舎の耐震補強や改築および校舎施設の非構造部材の耐震対策の促進並びに危機管理設備の充実
▽食の安全確保および学校給食費の公会計化の促進
▼北海道教育にかかわる今日的課題への適切な対応
▽子どもと向き合う時間の確保のための学校の調査事務の整理・削減
・諸調査および調査項目の削減や他調査への統合など、学校事務の整理・削減と各種文書の早期の学校提示
・学校職員人事評価業務の実効性と効率化
▽道教委の施策や業務の推進にかかわって、校長会と連携するとともに、推進の裏付けとなる交付金などの確保と、国の意図に基づいた的確な配分の市町村や市町村教育委員会への働きかけ
▽「管内人事異動要項」の必要に応じた規定の見直しに向けた各局への働きかけ
▽道独自による学校図書館司書教諭の定数外配置
▽法制化に伴う学校司書の配置への働きかけ
▽校務用パソコンの1人1台導入とLANの接続整備による校務支援システムなどICT環境の地域格差の解消
▽学校や地域の実情を十分に踏まえたコミュニティ・スクールや地域学校協働本部事業および放課後子ども総合プラン推進事業の導入および継続と充実
▽教員養成大学へ小学校教員養成課程の英語教育や特別支援教育のさらなる取組の充実のための働きかけ
◆若手教員の育成へ施策充実
【教職員の資質の向上を図る研修の促進と内容の充実、強化】
▼教職員の識見と研修意欲を高めるための配慮
▽各種研修事業の趣旨を生かした運営の工夫と早期の日程提示
▽教員免許更新時講習ならびに中堅教諭等資質向上研修対象者が複数いる学校への柔軟な対応
▽あと補充の非常勤講師の確保など、教職員の研修促進と指導力向上制度の効果的な運用
▽若手教員の実践力向上を図るため、より一層の施策の充実
▽経験の浅い期限付教諭の基本的研修(初任段階で実施している教科指導、学級経営、服務規律など)の実施
▽教員免許更新制の円滑な運用にかかる諸条件の整備
▽教員が学校に勤務しながら特別支援教育等にかかわる免許を取得できるシステムの構築と免許認定講習会などの地方開催のより一層の推進
▼小学校における外国語活動および外国語科、ならびにプログラミング教育の教員研修の充実
【意欲をもって職務に専念できるよう、教職員の地位および待遇の改善】
▼校長定年延長の早期実現
▽65歳までの校長の力を利用する制度の構築
▽雇用と年金の切れ目のない接続への措置
▼校長採用、教頭昇任の意欲を喚起するための精査(職場環境、勤務実態、広域人事、公宅等処遇)を踏まえた条件整備
▼候補者の育成と人材確保に向けた取組とともに、職責に見合った管理職手当支給基準の改善
▼教職員給与等の改善
▽事務職員・学校栄養職員の給与改善
▽人事委員会給与勧告の尊重および寒冷地手当の実態に見合った支給
▽特別支援学級設置校の管理職および小中併置校の校長の実態に見合った管理職手当の支給
【教職員の福祉および再雇用や退職後の生活安定の確保】
▼退職時および退職後の教職員の福祉の向上について積極的な働きかけ
▼公立学校共済における任意継続組合員制度の期間延長と、掛金の負担軽減について、関係機関への要請
【国・道の施策として、つぎの事項を実現するため、関係諸機関への働きかけ】
▼学級編制および教職員定数の改善についての国への要請
▽公立小・中学校の小学校第2学年以上および中学校第1学年以上の学級編制基準の見直しと教職員定数の改善
▽養護教諭、栄養教諭または学校栄養職員、事務職員などの全校配置
▽中学校における教科時数に対応する教員配置の改善
▽教職員定数における学級数に乗ずる率の見直しと改善
▽小学校における専科教員の定数配置
▽教育課程の円滑な実施に向けた標準法の改善
▽生徒指導に対応する教員の配置増・スクールカウンセラーなど外部専門家を活用した教育相談体制の整備と関係機関との連携強化
▽学校図書館司書教諭の定数外措置および学校司書の配置の充実
▼人材確保法および義務教育費国庫負担制度の堅持および国庫負担率2分の1への復元の要請
▼事務職員および学校栄養職員の給与等にかかわる国庫負担制度の堅持の要請
▼教科用図書無償給付の継続の要請
(関係団体 2019-05-14付)
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