未来の社会考える契機に 札幌市立高・特校長会と市教委 高1対象に進路探究セミナー
(関係団体 2019-05-14付)

市立高校進路探究セミナー講演
中屋敷氏は、職業選択の重要性を強調した

 札幌市立高校・特別支援学校長会(林恵子会長)と札幌市教委は9・10日、市内のカナモトホールで令和元年度市立高校進路探究セミナーを開いた。2日間で、全市立高校の1年生と市立札幌開成中等教育学校4年生合わせて2278人が参加。中屋敷左官工業㈱代表取締役の中屋敷剛氏の「学校では聞くことのできない、失敗しない進路の見つけ方」と題した講演のほか、「私の夢・生き方の理想」をテーマとした代表生徒によるパネルディスカッションを通して、これからの高校生活や進路について考えを深めた。

 市教委では、札幌市教育振興基本計画に基づき、将来の生き方や進路について考える「進路探究学習」を推進。その一環として毎年、進路探究セミナーを開いている。

 今回、9・10日の2日間に分けて開催。2日間で2278人の生徒が参加した。

 10日の開会式では林会長があいさつ。セミナーについて「未来の社会を自分たちの手でどのようにつくっていくのか、そこにつながるこれからの高校生活をどんな風に過ごすか、そんなことを考えるきっかけにしてほしい」と述べた。

 来賓あいさつでは、札幌市教委の檜田英樹教育次長が登壇。生徒一人ひとりに無限の可能性があることにふれ「一日一日を大切に、自分を磨き、すてきな大人になってほしい」と呼びかけた。

 続いて、中屋敷氏が「学校では聞くことのできない、失敗しない進路の見つけ方」と題して講演した。

 中屋敷氏は、父親の死去に伴い、父親が経営していた左官会社を継ぐのか、大手建設業者で働き続けるのかの選択を迫られたことを紹介。大手企業ではなく、左官会社を継ぎ、仕事に取り組み続けた経験から大事な選択を自分で決める重要性を強調した。「長い人生で未来は誰にも分からず、苦労することもある。選択に迫られたら本当の自分と向き合い、心の声を聞いてほしい」と呼びかけた。

 また、仕事について「誰かの役に立つこと、そして世の中に何らかの価値を生み出すこと」と、働くことについて「世の中の役に立つ価値を生み出し、それに相応した金銭等の対価を得る活動」とそれぞれの意味を説明。社会のどの仕事もこの仕組みで成り立っていることにふれ「社会がお金を払ってまであなたの力がほしいと言われる人になってほしい」と呼びかけた。

 社会で多くの価値を生み出せる人になるために、職業選択の重要性を強調。好きなことや得意なことを仕事にすることは幸せな人生となることから、職業選択に当たって自分の得意分野をみつけることを求めた。

◆夢に向けた取組発表 パネルディスカッション

 「私の夢・生き方の理想」をテーマとしたパネルディスカッションでは、代表生徒4人が将来の夢や、夢の実現に向けた取組を発表。各校の参加者やパネリストとも意見を交換した。

 パネルディスカッションでは、㈱エフエム北海道のアナウンサー・森本優氏がコーディネーターを務め、パネリストとして講師の中屋敷氏とともに、市立札幌旭丘高校の若松果林さん、市立札幌平岸高校の菊地芳和さん、市立札幌清田高校の上山桜和さん、市立札幌開成中等教育学校の佐藤帆夏さんの4人が登壇した。

 「プロのバレエダンサーになりたい」と語る若松さんは、夢の実現に向けて現状に満足せず、上を目指して努力する重要性を強調。「充実した高校生活とバレエを両立したい」と意気込みを述べた。

 上山さんは、「子どもたちの役に立てるよう夢を追い続けたい」と児童養護職員になる夢を語った。

 菊地さんは、アナウンサーを辞め、フラワーアーティストとなった前田有紀さんについて紹介。夢に向かう決断力や行動力、計画性、意志の強さを挙げ、自身も前田さんのように人生を充実させるために今後も取り組んでいくとした。

 佐藤さんは、米国で映画をつくるという夢を達成するため、「常にベストを尽くせるようになりたい」と話した。

 また、各校の参加者がパネリストと意見を交換。パネリストの夢や目標を聞いた参加者は「これからの未来設計ができていてすごいと思った」などと感想を述べていた。

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進路探究セミナーパネルディスカッション
4人の代表生徒が夢の実現に向け決意を語った

(関係団体 2019-05-14付)

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