道特長会総会 木村会長あいさつ 働き方改革へ知恵絞る 市町村教委との連携 ICT活用など
(関係団体 2019-05-14付)

道特長会あいさつ
木村浩紀会長

 8日にホテルライフォート札幌で開かれた道特別支援学校長会の本年度総会(13日付1面既報)における、木村浩紀会長のあいさつ概要はつぎのとおり。

 少子化で閉校する学校が増える中、特別支援学校はまだ増えている状況である。本年度は、函館高等支援学校が新設された。

 また、中標津高等養護学校では小中学部が新設され、中標津支援学校になった。インクルーシブ教育へ向かっているはずだが、特別支援学校の役割は、ますます重要になっていく。

 本年度の道特長会の基本方針は、前年度同様「特別支援学校の経営者としての資質の向上を図り、諸課題の解決に努めるとともに、関係機関・関係団体などと連携して特別支援教育の充実・推進を目指す」としている。

 主な活動項目と活動内容に「業務や研究協議会のスリム化等を検討し、効果的・効率的な運営の在り方について見直しを進める」を加えた。

 この広域な北海道の特別支援教育をより良くするために「専門性の向上」「人材育成」「経費削減」「負担軽減」の4つすべてが成り立つような展開が大切だと考える。

 教育の質を低下させずに働き方も変えていく。北海道の教育の質を高めながら、教職員の負担や経費の削減も考える。一見矛盾するように聞こえるかもしれないが、アイデア次第で可能性はある。

 北見のパートナーティーチャー派遣事業の申込数が、昨年10%以上削減になった。

 また、市教委の特別支援の担当者が2人増員されたと聞いている。

 これは、関係機関と連携・協力し、研修会や教育相談の在り方を見直し、整理しながら、専門性の向上や人材育成を計画的・効率的に行えば、地域の教育力や教育相談力が高まるだけではなく、仕事量も削減し、経費の削減にもつながる、良い例だと思う。

 現在、道立特別支援教育センターでは、市町村教委と連携して研修会を開催し、小・中学校等のミドルリーダー育成にも力を入れている。

 特別支援学校のミドルリーダー育成だけでは、各特別支援学校の支援が減らず、厳しい状況が続く。しかし、小・中学校等の担当者が力を付けることができれば、子どもたちにとっても、地域にとっても良い状況になっていく。

 道特長会としても、特別支援教育センターや教育局のスーパーバイザー、市町村教委と連携を取りながら、さらに対応していく必要がある。北見のような取組が、それぞれの地域でできれば、北海道にとって、また、私たちにとっても理想的な方向に進んでいく。

 また、道教委が力を入れているICTの活用も重要な視点。盲学校4校では昨年から、教育局の遠隔TVシステムを借用して、授業や寄宿者の舎友会活動、研究会や研修会など、2校あるいは特別支援教育センターを含めて5ヵ所をつないだ取組を進めてきた。

 本年度は盲学校4校にシステムが導入され、本格的に取り組むことができる。授業等はもちろん、会議などにも活用するため、「専門性の向上、人材育成、経費削減、負担軽減」の切り札的なアイテムとして、教職員一人ひとりがアイデアを出し合いながら、展開していく。

 病弱のテレワークや肢体不自由でのICT活用の取組もあり、すでに成果を上げているところもあると思う。効果的・効率的な事例を参考にしながら、さらに展開していきたい。

 道特長会の活動のスリム化については、各支部や各障がい種での活動や役割との関係の中で、業務を整理し、少し余裕をもって、北海道の特別支援教育の発展に向けてのビジョンを語り、北海道の価値を高め、全国大会レベルの研究会を開催するなど、日本の中心的な拠点となることができるようにしていきたい。

 また、校長は各学校の責任者。北海道の特別支援教育をより良くするために校長会の活動は重要だが、学校を開けることが当たり前にならないようにすることが大切である。

 その時々で必要な活動や役割があった。役割を終えてもスクラップしないことがある。

 活動や役割を精査し、スクラップできるところはスクラップする。時代の変化に対応したバランスの良い校長会にしたい。

 我々を支えてくれている副校長・教頭先生の業務量を意図的に減らすようにすることも大切である。様々な課題に対応しながら、夢を語れる校長会にしたい。

(関係団体 2019-05-14付)

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