道高校長協会総会で宮下会長 学校経営は継続性が大切 子に最善の教育サービスを
(関係団体 2019-05-13付)

高校長協会総会宮下聡
校長としてのリーダーシップなど3点について示した

 8日に開かれた道高校長協会の令和元年度総会・前期研究協議会(10日付1面既報)における、宮下聡会長のあいさつ概要はつぎのとおり。

▼校長としてのリーダーシップ

 昨今、学校経営から学校に求められる様々な教育の指導などに至るまで、校長のリーダーシップが求められている。私は校長になって以来、この校長のリーダーシップに思いをめぐらせてきた。

 様々なリーダーのタイプがあるようにリーダーシップにも様々な種類があると考える。様々な場面で求められている校長のリーダーシップはすべて同じものなのか。「校長のリーダーシップのもと、教職員の意識を変え…」とよく言われるが、どのようなリーダーシップを発揮し、どのような意識をどのように変えていくのか、具体的に言及されたものは多くはない。

 私は、学校の主役は生徒であり、教職員であり、学校経営は継続性が大切であると考えている。その主役たちを長く輝かせ、つぎに引き継がれるリーダーシップとは何かを常々考えてきた。

 教育課題や学校課題の解決に求められるスピードが速くなっている現在、このことは大変重要なことだと考えており、本協会の会長として発揮すべきリーダーシップについても、同様の考え方でそのときどきの状況に応じた最善のリーダーシップを追究していく。

▼本道の子どもたちの教育

 「教育は未来への先行投資」と言うが、財政の好転がなかなか見込めない本道において、本道に生まれ、本道に育ち、未来を託された子どもたちにかけられる教育予算が少ないことが残念でならない。昨年、本道は命名150年の節目の年だったが、幕末の中心的な役割を担った佐賀県などにおいては、「維新150年」として、グローバル化がますます進展する社会を力強く生き抜くための教育施策に力を注いでいた。

 この150年の歴史の差を埋め、本道の子どもたちが、わが国のリーダーとして活躍するためにも、今後はより一層高い志をもって子どもたちを育てていく覚悟が学校にも教育行政にも必要である。

 例えば、本協会の文教施策要望については、皆さんからいただいた意見・要望を取りまとめ、そのときどきの教育改革の動向や本道の高校教育にかかる課題などを考慮し、要望の具体化、焦点化、継続化の観点から要望書を作成し、教育委員会と意見交換してきたが、本年度は子どもたちの教育に直接的にかかわる事項に重点項目を絞り込むなど、一層の焦点化を図っていくことが必要である。

 6月の理事研究協議会において最終的に機関決定するが、そこに至るまでに多くの議論を重ねていく。

▼教育改革の動向を見据えた学校経営

 学習指導要領の移行措置の実施、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善や主権者教育、消費者教育などに関連した指導の充実、2020年度から始まる大学入学共通テストへの対応など、教育改革の動向を踏まえた取組がつぎつぎに求められている。

 これらはいずれも教育再生実行会議の議論などに基づく施策によるものであり、今後も普通科の在り方や専門学科の改革、定時制・通信制の在り方など、新しい時代に対応した高校の在り方について検討されるものと承知している。

 子どもたちのための新しい取組への対応は必要なことだが、過去の取組も子どもたちのためのものであり、その取組やそれを進めてきた方々に対する敬意は忘れてはならない。

 私たちは時代がどんなに変わって、教育に求められるニーズが多様化しても、その仕事に誇りと自信、気迫をもって、目の前の子どもたちに最善の教育サービスを提供していくべきだ。

 高校は、課程、学科、地域や生徒の状況など一つとして同じ学校はない。皆さん一人ひとりの経験も考えもそれぞれ異なる。だからこそ、全道の校長先生方が一堂に会し、それぞれの学校がもっている教育実践等を情報交換することで、山積する教育課題の解決に向けた、新しいヒントやアイデアが生まれてくるに違いないと思う。そうした優れた実践、素晴らしい取組の中から、得られた成果と大きな力をまとめ上げる協会でありたい。

 日々、学校経営に奮闘している皆さんの知恵と工夫を貸してほしい。預った力を一つにし、全道の校長の意思として、道教委はじめ全高長など関係機関に発信していく窓口になること、そして、その力や意思を適切につぎの代に引き継いでいくことが私に課せられたこの1年の役割である。

 本協会は70年という時間を超え、未来につながる縦の流れと、全道の校長先生方の横の関係性をもった組織である。

 さらに、その横の関係性は、皆さんがそれぞれに人間関係をもち、全道・全国へと広がっている。縦・横・奥行きの広がりをもって、この組織の活動を充実しながら、本道の高校教育の充実・発展のため、様々な課題に対応していこう。

(関係団体 2019-05-13付)

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