道教委・佐藤教育長が遠隔授業将来構想 拠点校設置し配信 3年度導入目指す 高校先行
(道・道教委 2019-07-19付)

遠隔授業
遠隔授業将来構想(クリックすると拡大表示されます)

 道教委の佐藤嘉大教育長は、本道における遠隔授業の将来構想を18日に開かれた道総合教育会議で明らかにした。遠隔授業の配信機能を集約化する「仮称・遠隔教育拠点校」を新設し、郡部の小規模校などに対して遠隔授業を同時配信。生徒の興味・関心や進路に対応した多様な教科・科目の学習を提供し、質の高い教育環境の実現を図る。佐藤教育長は、令和3年度の導入を目指す意向を表明。当面は高校で先行実施した上で効果や課題を検証し、将来的に小・中学校での適用も検討する。

 道内における中学校の卒業者は昭和63年をピークに減少傾向にあり、地域における高校の小規模化が進行。現在、道立高校約200校のうち、1学年1学級の高校は全体の4分の1を占めている。このため一部の学校では、教員数や開設可能な教科数から、大学進学など進路希望に対応した教育を十分に提供することが難しい状況にある。

 道教委は、平成20年度から文部科学省の委託を受けて遠隔授業を開始し、授業時数を緩和した単位認定の在り方や指導方法を検討している。一方、配信側の高校の都合で必ずしも必要な教科科目を受信できない状況や、配信側の教員の負担が大きいなどの課題がある。

 課題解決に向けて道教委は、遠隔授業の配信機能を集約化する仮称・遠隔教育拠点校の設置を検討。継続的・計画的に遠隔授業を対象校に同時配信し、多様な教科・科目の学びを提供することで、質の高い教育環境の実現を図る。

 具体的には、生徒の興味・関心や進路などに対応した教科科目として、①国語・数学・外国語における習熟度別授業②地歴・公民・理科における専門性の高い授業③芸術の選択授業(音楽・美術・書道)―を配信。

 受信する対象高校として、地域連携特例校、配信を希望する他の小規模校、日高・檜山・宗谷・根室の中心校などを想定している。

 佐藤教育長は、18日の道総合教育会議で令和3年度の導入を目指し、準備を進めていく考えを表明。当面の間は高校において実施上の効果や課題を検証し、将来的には小・中学校での適用なども検討するとした。広域分散型の本道においては、免許外教科担任制度を活用して授業を実施せざるを得ない小規模の中学校も多いことから、免許外教科担任の解消への効果も期待した。

(道・道教委 2019-07-19付)

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