新規事業「未来切り拓く高校教育」―道教委 5つのプロジェクト展開 新学習指導要領を円滑に
(道・道教委 2019-07-22付)

 道教委は本年度から3年間、新規事業「未来を切り拓く資質・能力を育む高校教育推進事業」に取り組む。事業の推進に当たり、「総合的な探究の時間推進プロジェクト」「カリキュラム・マネジメント推進プロジェクト」など5つのプロジェクトを展開。「カリキュラム・マネジメントの確立」「思考力、判断力、表現力の育成」「主体的・対話的で深い学びの実現」の3点を柱に、新学習指導要領の円滑な実施に向けた各種取組を推進する。また、学習の定着や学習意欲が十分でない生徒を支援する学習サポーターを中途退学者や不登校生徒が多い道立高校に派遣し、学力の向上を図る。

 事業は、新学習指導要領の実施に向け、生徒が未来社会を切り拓くための資質・能力を育成するため、生徒に求められる資質・能力とは何かを社会と共有し、連携する社会に開かれた教育課程の実現を目指して取り組むもの。事業の目的として「カリキュラム・マネジメントの確立」「思考力、判断力、表現力等の育成」「主体的・対話的で深い学びの実現」の3点を掲げている。

 事業の推進に当たり、①総合的な探究の時間推進プロジェクト②カリキュラム・マネジメント推進プロジェクト③次世代人材育成プロジェクト④主体的・対話的で深い学びプロジェクト⑤基礎診断プロジェクト―の5つのプロジェクトを設定した。

 カリキュラム・マネジメントの確立を目指す総合的な探究の時間推進プロジェクトでは、モデル校1校を指定し、高校における総合的な探究の時間の推進を図るため、効果的にICTを活用した探究活動の実践研究を行うモデル校事業を推進。

 また、プロジェクト研究を行う指定校を5校程度指定し、道立教育研究所の道研プロジェクト研究の指導事例を活用した実践研究を進める。

 カリキュラム・マネジメント推進プロジェクトでは、カリキュラム・マネジメントの確立に関する研究協議を行う教育課程研究協議会を開くほか、道研から講師を派遣し、教育課程研究協議会のフォローアップ研修を実施。教科等の本質的な学びを踏まえた主体的・対話的で深い学びの視点からの学習指導方法の改善・推進のための実践研究(SCRUM)事業と連携した取組も展開する。

 思考力、判断力、表現力等の育成に向けて取り組む次世代人材育成プロジェクトでは、北海道大学などと連携した探究学習を実施する探究活動キャンプや、青少年体験活動支援施設における国語、数学、英語の学習合宿を行うアドバンスト学習キャンプを展開。

 主体的・対話的で深い学びプロジェクトでは、教科指導、進学指導に関する講座を行う授業改善セミナーや各種研究会やアドバンスト学習キャンプ等における講師を育成するスペシャリスト育成講座を開講。SCRUM事業の成果を参考にした取組も行う。

 思考力、判断力、表現力の育成、主体的・対話的で深い学びの実現の両方を目指す基礎診断プロジェクトでは、高校生のための学びの基礎診断の測定ツールを活用した学力テストや基礎診断・道教委学力テストの分析マニュアルの作成に取り組み、これらの結果に基づく授業改善を推進する。

 このほか、学習支援員の派遣による学習サポートを実施。国の教育支援体制整備補助金を活用し、学習の定着や学習意欲が十分でない生徒を支援する学習サポーターを、学業不振を理由とする中途退学者や不登校生徒が多い道立高校を指定して派遣し、学力の向上を図る。

(道・道教委 2019-07-22付)

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