稚内市の2年度教育行政執行方針 小5・6年に英語指導補助員配置 校内無線LAN環境を整備
(市町村 2020-03-05付)

稚内市・表純一教育長
稚内市教委・表純一教育長

 【稚内発】稚内市教委の表純一教育長は、2月27日の市議会第1回定例会で令和2年度教育行政執行方針を説明した。小学5・6年生での英語の教科化に伴い新たに英語指導補助員を配置するほか、ICT機器をより効果的に活用できるよう、校内無線LAN環境の整備を推進する。

 子ども芸能祭・南中ソーラン祭は、現行の市小中音楽祭と統合。新たな成果発表の場を創設し、引き続き地域の伝統を守り、郷土芸能の一層の充実と発信を図る。

 幼児教育関連では、4年度までに保育所の待機児童をゼロにすることを目指し、認定こども園の整備を進める。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼地域の協働による家庭教育の推進

 児童虐待に関する事件の報道があとを絶たない状況の中、本市においても、複雑な課題を抱える家庭の相談が増加傾向にある。

 虐待によって、将来のある子どもの命が奪われることがないよう、教育・福祉・保健・医療など、子どもにかかわる関係機関や地域の方々との連携をさらに強化し、早期対応による児童虐待の未然防止や早期発見に取り組んでいく。

 全国的に女性の活躍が推進され、共働き家庭が多くなっている中、本市においては、4年度までに保育所の待機児童をゼロにすることを目指している。そのため、認定こども園の整備を行うとともに、公立保育所においては、選択と集中という観点で再編を進め、未満児保育への特化を推進していく。

 子育て世代が安心して、仕事と家庭を両立できる環境整備に取り組む。

▼次代を担う人材の育成と地域とともにある学校づくりの推進

 小学校では、子どもたちに確かな学力を身に付けさせるため、全国学力・学習状況調査や標準学力検査(CRT)などの分析を進め、授業改善に努めていく。

 教員の時間外労働については、1ヵ月で45時間以内、1年間で360時間以内とすることが目標とされており、部活動休養日や長期休業中の学校閉庁日の実施を適切に進めていく。

 また、チーム学校に向け、特別支援教育支援員や部活動指導員の配置のほか、小学5・6年生では、新たに英語指導補助員を配置し、子どもたちに英語に対する興味や関心を喚起させ、意欲的に授業に取り組む環境整備を進めていく。

 市費負担教員の配置による小学1・2年生の30人学級については、近年、人材の確保が困難なこと、また、学級編制が非常に遅くなることから、学校現場からも制度の見直しが求めらていた。道教委における少人数学級の3・4年生への拡大を契機として、本市が平成18年度から独自に実施してきた少人数学級を段階的に縮小し、令和3年度には終了する。

 児童生徒の不登校対策として、適応指導教室の指導員を増員し、教育相談所・子ども安全育成センターとの連携を強化し、相談体制の充実を図る。

 稚内中学校の整備については、耐力度調査の結果、老朽化した学校を建て替えるという文部科学省の改築事業の対象となった。今後、市民を交え学校や地域の在り方を検討していく。

 また、2年度は、ICT機器をより効果的に活用できるよう、校内無線LAN環境の整備を進めていく。

 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う極めて重要なものである。昨年10月に始まった幼児教育・保育の無償化が年間を通じて運用される2年度は、心身の発達段階や個々の特性を十分に考慮し、幼児教育の一層の充実を図る。

 学校給食においては、保護者や学校の理解を得て、11年ぶりの材料価格高騰による学校給食費の改定を行い、質の確保や給食本来の役割を安定的に果たし、安全・安心な給食の提供に努めていく。

▼市民の学びを支える地域づくり

 本年度をもって、第2次稚内市子どもの読書活動推進計画が終了することから、第3次計画の策定を進めていく。

 子育て運動を推進していく上で重要な子育て提言の見直しを進めている。家庭や学校など地域ぐるみで連携し、情報化社会を豊かに生きるためのモラルや知識を浸透させ、時代の変化に柔軟に対応する能力を身に付ける機会の充実について、議論を深めていく。

▼まちの魅力を生かした文化・スポーツ活動の推進

 3年に1度、全国から踊り手が集う南中ソーラン全国交流祭が開催されない年に実施している子ども芸能祭・南中ソーラン祭は、児童生徒や指導する教職員の負担軽減を図るため、現行の市小中音楽祭と統合し、新たな成果発表の場を創設することによって、引き続き地域の伝統を守り、郷土芸能の一層の充実と発信を図っていく。

 本年5月開設予定のみどりスポーツパークで11月に、本市初のカーリング競技の国際大会開催が予定されている。

 トップアスリートの技術を「みる」機会を創出することで、スポーツへの興味・関心を高め、自らも主体的にスポーツを「する」意欲につなげ、競技人口の裾野を拡大し、競技力の向上を図っていく。

 また、競技力向上には競技スポーツを「ささえる」指導者の資質向上が重要であり、関係機関と連携を図り、指導者の資格取得やスキルアップに向けた支援を行っていく。

(市町村 2020-03-05付)

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