斜里町３年度教育行政執行方針　ＩＣＴ推進へ支援強化　デジタル教材導入など

（市町村 2021-03-11付）

斜里町教委・岡田秀明教育長

　【網走発】斜里町教委の岡田秀明教育長は３日、町議会定例会３月定例会議で令和３年度教育行政執行方針を説明した。ＧＩＧＡスクール構想に基づき整備した１人１台端末の有効活用に向け、デジタル教材の導入やＩＣＴ活用授業に関する研修機会を確保するなど、学校ＩＣＴ推進に関する支援体制の強化を図る方針を示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼教育内容の改善と向上

　基礎学力の定着では、２年度の全国学力・学習状況調査は新型コロナウイルス感染症の影響によって全国実施が見送られ、各校独自の実施となったが、自校採点の結果から課題を把握することで、正答数の少ない層のつまずきの実態をとらえ、効果的な指導を行う。３５人学級の維持や、町の教育活動支援講師を継続配置し、学習環境の向上を図る。

　外国語教育の充実に向けて、引き続き、現行のＡＥＴおよび巡回型教育活動支援講師を配置し、児童生徒の個別の学習課題に対応する体制の充実を図る。

　土曜授業の年８回程度の実施を継続し、年間授業時数の確保、斜里らしい教育活動、生活習慣や学習習慣の定着を学校・家庭・地域と協力しながら進める。斜里中学校を軸とした市街地校の小中連携のほか、こども支援課との連携によって幼小連携教育を推進する。

　指導主事による教育課程や授業づくりなどの専門的事項の指導とともに、各学校での公開研究会開催を奨励し、教員が学び合う環境づくりに努めるほか、引き続き、授業改善推進教員の巡回による教員の授業力向上に取り組む。

　国のＧＩＧＡスクール構想に基づき整備した１人１台端末の有効活用に向け、デジタル教材の導入やＩＣＴ活用授業に関する研修機会の確保のほか、学校ＩＣＴ推進に関する支援体制の強化を図る。

　道徳教育の充実や職場体験等の地域活動を推奨することで、校内外での交流機会の拡充を推進し、コミュニケーション能力の育成を図る。

　いじめ防止基本方針に基づき、引き続き、全校で定期的にアンケート調査を実施し、状況の把握と適切な対応に努める。

　小学校体育振興会や各学校独自の取組を支援するほか、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を分析し、学校・ＰＴＡ・地域と連携した取組につなげていく。

　特別支援教育では、子どもの成長に合わせた幼少期からの情報が小・中・高校へと引き継がれるよう、引き続き、個別の支援計画「きずな」の普及を図るほか、特別支援連携協議会を中心としたネットワークの強化に努める。学校現場への特別支援教育支援員の配置を継続する。

▼教育環境の向上

　不登校など、課題を抱える児童生徒への対応については、適応指導教室「ひまわり」を継続設置し、保護者対応も含め、個々の事情等を考慮した上で、社会的自立に資するための支援に努める。

　虐待などの緊急的なケースに即応するため、スクールソーシャルワーカーを中心に、保健福祉部局や民生児童委員等と連携して対応する。

　教育の機会均等に向け、学用品費、給食費などのほか、新たにオンライン学習通信費を支援するほか、新入学児童生徒の学用品費については、入学前に支給するなどの就学援助を継続する。

▼地域と学び合う学校教育の推進

　学校運営協議会（コミュニティ・スクール）を中心に、地域と学校が一体となって子どもたちを育む体制を継続的に支援する。地域コーディネーターを配置し、地域に根ざした学校づくりを進める。

　ふるさと学の振興では、総合的な学習の時間や土曜授業などを活用して、多くの地域人材の協力を得ながら、地域をよく知り、地域で自分の力を生かせる人材の育成に努める。知床の魅力にふれる貴重な機会として、知床自然体験学習を継続実施するほか、学校と社会教育のさらなる連携強化に努める。

　高校教育の振興では、総合学科の魅力づくりのための授業や、町内外の遠距離通学者への支援のほか、斜里高校振興会への助成を通して、進学やキャリアアップのための支援、部活動の全国大会出場支援などを継続する。地域みらい留学３６５などの、高校の魅力化に向けた取組を支援し、事業効果の促進に努める。

(市町村 2021-03-11付)