和寒町３年度教育行政執行方針　初の海外修学旅行　中３　台湾へ４年度から

（市町村 2021-03-11付）

和寒町教委・沓澤昭一教育長

　【旭川発】和寒町教委の沓澤昭一教育長は１日、第１回町議会定例会で３年度教育行政執行方針を説明した。道教委と協議してきた公立中学校の海外修学旅行について「実施可能」との判断が出されたことから、これまで２年生が台湾で研修していた「町未来を拓く人づくり推進事業」の事業規則を改正し、４年度から中学３年生が事業を活用して修学旅行の行き先を台湾とすることを表明。グローバル化に対応した教育活動としての台湾研修をより一層充実する考えを示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

　２年度から新しい学びへの対応推進事業の第Ⅱ期として、英語力向上とＩＣＴ教育のさらなる充実に向け取り組んでいる。

　ＩＣＴ教育の推進については、小・中学校全学級に双方向大型投影機（電子黒板）の設置やデジタル教科書の導入などを行った。

　今後は、教職員の研修はもとより、ＩＣＴ機器の活用によって視覚に訴え、より分かりやすい授業づくりの実践を通じて教育の充実を図っていく。

　特別支援教育については、引き続き小学校２人、中学校１人の支援員を配置するとともに、町特別支援教育連携協議会を中心に、関係機関による連携のもと、個別の支援計画「和寒版子育てファイルすとーりー」の活用や、教育講演会などを通じて充実に努めていく。

　いじめ・不登校の問題については、関係機関と連携しながら、いじめの未然防止、早期発見、早期対応、早期解決に努めていく。

　健やかな心身の育成については、体育の授業改善はもとより、スポーツ環境の充実を図り、体力・運動能力の向上に向けた取組を進めていく。

　小学生対象に基礎学力の定着・向上を目指したステップ・アップ教室を引き続き教育委員会主催で実施する。

　学習意欲の向上と基礎学力の定着を図るため、引き続き、漢字検定や英語・数学検定等を小中学生に推奨し、さらに、町民を対象とした各種検定料も含めて一部助成していく。

　学校における働き方改革については、出退勤管理システムによる勤務時間を意識した業務の進め方や、スクール・サポート・スタッフ配置のほか、校務支援システムを導入するなど環境を整備してきている。今後も引き続き、本町における学習環境の充実を図っていく。

▼社会教育

　４年目の地域学校協働本部事業については、これまでのボランティア登録者をはじめ、新たに学校と同じ目線で連携・協働する体制の整備の充実を進める。

　７年目に入るジュニア・イングリッシュ講座については、特に小学校低・中学年の参加が多く、英語に慣れ親しみながらコミュニケーション能力の素地の育成と関心を高めることができた。

　中学生を対象にしたオール・イングリッシュでコミュニケーションを図るイングリッシュ・ディキャンプを、夏休みや冬休み中に引き続き実施する。

　１２年目を迎える町未来を拓く人づくり推進事業は、子どもたちの広い見識と豊かな感性や国際感覚を育むなど健全な心身の成長に大きく役立つことから、感染症の対応で実施できなかった２年度の中学２年生について、３年生になった時点で実施できないか検討していく。

　一方、公立中学校の海外修学旅行については、これまで道教委と協議してきたが、元年度末に実施可能との判断が出されたので、町未来を拓く人づくり推進事業補助規則を改正し、４年度から中学３年生の修学旅行先を台湾として実施する。

　読書活動については、第３次町子ども読書活動推進計画に家読を位置付け、「ノーテレビ、ノーゲーム、家読の日」を定めて子どもの読書活動と家族間の絆を深める事業を推進する。

(市町村 2021-03-11付)