道教育振興会　第１９回北海道教育会議集録 　ＩＣＴ環境　格差解消を 学び保障へ各団体の意見集約

（関係団体 2021-03-29付）

　道教育振興会（工藤達成会長）は、『第１９回北海道教育会議～教育会議書面開催集録』を発刊した。遠隔・オンライン教育を取り入れた協働的・探究的な学びの展開など３点を協議の柱に、各教育関係団体、ＰＴＡ関係団体などからの意見を集約。学びの保障や運動機会の確保などオンラインを活用した様々な取組を掲載したほか、家庭におけるインターネット環境の違いなどの課題も指摘した。

　北海道教育会議は、本道教育の発展・充実を願う道内教育団体が一堂に会し、教育に関する喫緊の課題を議論し、その成果を北海道教育の指針として共有することが目的。

　主題は「“学校の新しい生活様式”における“学びの保障”の現状と課題について～子どもたち一人ひとりに寄り添い、健やかな成長と学びを止めないために」。本年度は１月末の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、開催時期を昨年１１月に早めて書面開催とした。

　道教委、札幌市教委、道立教育研究所などから話題提供を受けたほか、各校種等の校長・園長会、副校長・教頭会、管理職会、PTA関係団体と支部の代表者からの意見をまとめ、『第１９回北海道教育会議～教育会議書面開催集録』として発刊した。

　協議の柱は、①家庭では感染防止に配慮しつつ、学校・園とつながりながら、子どもの健康増進や家庭学習の状況把握に努める②学校では「学校の新しい生活様式」を実践しつつ、遠隔・オンライン教育を取り入れながら、協働的・探究的な学びの展開に努める③地域では「新北海道スタイル」を実践しつつ、オンラインやインターネット配信等を利用して、地域協働型の学習支援に努める―の３点。

　①では、感染症の影響における学校の臨時休業期間中、学習サポート動画や運動動画の配信など、オンラインを活用した取組を報告。１人１台端末の活用に当たっては、家庭での約束事を学校と共有する必要性が指摘された。

　②では、ICT環境の整備状況の地域間格差、各家庭におけるインターネット環境の違いが指摘されたほか、教員のICT活用指導力向上に向けた校内研修会の開催などの実践が報告された。

　また、授業動画の作成に当たっては、札幌手稲高校による授業動画や、千歳科学技術大学のｅラーニング動画を参考にしたとの声もあった。

　③では、オンラインで教室と公共施設をつないで地域連携学習を実施している学校や、岩見沢高等養護学校における遠隔職場実習への参加などの取組が報告された。

　ウィズコロナ、ポストコロナの段階における活動の重点事項として、関係者からはＩＣＴ環境の整備と研修の充実、家庭・地域への説明と協力の依頼、ＩＣＴ支援員の配置・整備の必要性が指摘された。

(関係団体 2021-03-29付)