函館市4年度予算案 中学生対象にAIドリル 学習サポート等に非常勤講師
(市町村 2022-02-14付)

 【函館発】函館市は10日、4年度予算案を公表した。一般会計は前年度当初比2・3%増の1374億3000万円。うち、教育費は13・5%増の75億6731万円。新規事業では、市立中学校の全生徒を対象に、デジタルAIドリルを導入する。

 教育委員会関連では、義務教育施設整備費に14億7318万円を計上。5年度に開校する南茅部中校舎等新築事業費に12億5169万円、港小学校と北中学校の校舎等外壁改修事業費に2億2149万円を盛り込んだ。

 新規事業をみると、学力向上推進事業として、デジタルAIドリル運用経費に2152万円を計上。市立中学校の全生徒を対象に習熟度に応じた学習を充実させるため、デジタルAIドリルを導入する。

 学校運営改善非常勤講師配置事業には326万円を計上。円滑な学級運営を行うことが困難となっている小学校に学習指導や生徒指導をサポートする非常勤講師を配置する。

 拡充事業では、地域学校協働活動推進事業費に79万円を計上し、地域と学校をつなぐ地域コーディネーターを3人増員。

 特別支援教育支援員関係経費には7522万円を充て、小・中学校特別支援教育支援員を4人増員する。

 子ども未来部では、新規事業として、中学校卒業生入学準備等給付金に1989万円を盛り込んだ。中学校または義務教育学校を卒業する子どもがいる保護者に、高校入学等にかかる費用の一部を入学準備金として給付する。

 主な教育関連事業はつぎのとおり。

▼教育委員会

▽いじめ・不登校対策推進費=485万円

 いじめ防止対策審議会を運営するほか、各学校を巡回して、児童生徒や保護者もカウンセリングする相談員を配置。

▽コミュニティ・スクール推進事業費=199万円

 市立学校全校に設置した学校運営協議会を通じて、地域住民や保護者らの学校運営への参画等を促進。

▽地域学校協働活動推進事業費=79万円

 地域全体で子どもの成長を支える地域学校協働活動とコミュニティ・スクールを一体的に推進するため、地域と学校をつなぐパイプ役として地域コーディネーターを増員。

▽学校ICT化支援関係経費=3000万円

 小・中学校に導入したICT機器等の機能を生かすため、利活用支援等を行う学校ICTサポートセンターを設置。

▽学力向上推進事業費=3850万円

・デジタルAIドリル運用経費(新規)=2152万円

 生徒の習熟の程度に応じた学習を充実させるため、デジタルAIドリルを導入。市立中全生徒が対象。

・学力向上非常勤講師配置事業費=1372万円

 小学校において算数科・理科の少人数指導や専科指導を行うほか、中学校において免許外教科指導の改善を図るため、非常勤講師を配置。

・学級運営改善非常勤講師配置事業費(新規)=326万円

 円滑な学級運営を行うことが困難となっている小学校に、日常的な学習指導や生徒指導を補助する非常勤講師を配置。

▽特別支援教育支援員関係費=7522万円

 教育上特別な配慮を必要とする児童生徒を支援するため、小・中学校に特別支援教育支援員を増員。

▽義務教育施設整備費=14億7318万円

・南茅部中校舎等新築事業費=12億5169万円

 3年度から2ヵ年で校舎等新築工事、外構工事を進め、5年度開校。

・港中、北中校舎等外壁改修事業費=2億2149万円

 劣化・損傷が激しい校舎の外壁改修。

▽根崎公園ラグビー場改修事業費(新規)=6360万円

 ラグビー場の天然芝やゴールポスト等の改修。

▽スケートボード等アーバンスポーツ調査費(新規)=500万円

 体験イベント開催などを通じ、ニーズや競技人口等を把握する調査を実施。

▽特別史跡五稜郭跡環境整備事業費=8300万円

 石垣保存修理工事・石垣定点調査ほか。

▽文化財建造物保存修理事業費補助金=1億7112万円

 国指定重要文化財の民間所有者が、国の補助事業を活用して行う保存・修理事業の経費に対する補助。補助額は補助対象経費から国・道の補助金を控除した額の2分の1以内

・重要文化財遺愛学院(旧遺愛女学校本館)=1億3520万円

 耐震補強を含む保存修理工事、防災設備工事。

・重要文化財函館ハリストス正教会復活聖堂=3215万円

 耐震補強を含む保存修理工事ほか。

・重要文化財大谷派本願寺函館別院(新規)=377万円

 実施設計ほか。

▽史跡垣ノ島遺跡デジタルコンテンツ等整備事業費=3000万円

 縄文文化を視覚的に感じられるデジタルコンテンツ等を整備。7月に一部運用開始予定。

▽縄文遺跡群保存活用等関連経費=4885万円

 垣ノ島遺跡や大船遺跡の管理・運営のほか、世界遺産登録1周年事業等。

▽郷土学習推進費=348万円

 市立小学校の児童が縄文遺跡群等を見学する「縄文に触れる学習」を実施。

▼子ども未来部

▽入学準備給付金=819万円

 小・中学校または義務教育学校に入学する子どもがいる保護者に入学準備金を給付(生活保護受給者等を除く)。支給対象は第1子および第2子は所得額300万円以下の保護者、第3子以降は所得制限なし。給付額は一人当たり3万円。

▽中学校卒業生入学準備等給付金(新規)=1989万円

 中学校または義務教育学校を卒業する子どもがいる保護者に高校への入学等にかかる費用の一部を入学準備金として給付(生活保護受給者等を除く)。支給対象および給付額は入学準備給付金と同じ。

▽子ども・ひとり親家庭等医療助成費=6億2763万円

 子ども・ひとり親家庭医療費助成制度を拡充し、ことし8月診療分から住民税課税世帯の中学校卒業までの子どもの通院費を無料化。住民税課税世帯のひとり親家庭等の19歳以下の子どもの通院費を無料化する。

▼保健福祉部

▽A類疾病「子宮頸がん予防ワクチンの積極的勧奨の再開のほか」=5億5361億円

 子宮頸がん(定期接種12~16歳、未接種者へのキャッチアップ接種17~25歳)、4種混合、麻疹、風しん、日本脳炎ほか。

▽「介護のしごと魅力発信教室」開催事業費(新規)=60万円

 将来的な介護人材の確保を図るため、市内の小中学生などを対象に、介護分野の仕事紹介や高齢者支援などの体験学習を実施。

(市町村 2022-02-14付)

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