不登校児童生徒への支援を充実　ＳＣ増員、ＳＳＷ派遣増　紋別市教委が４年度

（市町村 2022-02-25付）

　【網走発】紋別市教委は４年度、不登校児童生徒への支援を充実させる方針だ。スクールカウンセラー（ＳＣ）の増員、スクールソーシャルワーカー（ＳＳＷ）の派遣回数を増やすなどの対応を講じ、児童生徒が相談しやすい環境、各学校や関係機関と連携した支援体制の構築をより一層推進する。

　市は平成１４年度に、適応指導教室「ふれあい教室」を設置。教育相談、個別・集団活動を通して自立心を養うとともに社会性を身に付けさせ、不登校児童生徒の学校復帰を援助している。

　また、２５年度から道費のＳＣを１人、令和２年度からＳＳＷを１人配置。ＳＳＷを中心に、各学校や関係機関と連携した支援体制を構築し、カウンセリングや教育相談、教員への助言などを通していじめ・不登校などの生徒指導上の諸課題に対応している。

　一方、文部科学省の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査などによると、市内の不登校児童生徒数は全国より高い傾向にある。

　昨年１１月に開かれた総合教育会議では不登校に関する状況や課題について関係者で協議し、より一層支援を充実させる重要性などを確認した。

　これらを踏まえ、４年度予算案でＳＣ配置とＳＳＷ派遣を拡充し、それぞれ３６１万円、３３５万円を充てた。新たに市費のＳＣを１人配置。ＳＳＷはこれまで週１回だった派遣回数を２回に増やし、相談体制を充実させる方針だ。

　さらに、４年度予算案で新たに盛り込んだｈｙｐｅｒ―ＱＵ（よりよい学校生活と友達づくりのためのアンケート）の実施、特別支援教育コーディネーターの配置によって不登校児童生徒支援を充実させる。

　ｈｙｐｅｒ―ＱＵを各校で実施することによって、学級経営の状態、学校に適応しにくい児童生徒の状態、児童生徒の自尊感情やいじめ・集団への不安などを把握。学級経営や学力向上のみならず、不登校の未然防止に役立てていく。

　また、不登校児童生徒の中には特別な支援を必要とするケースもあることから、市教委にコーディネーターを配置し特別支援教育に関する環境を整えていく。

(市町村 2022-02-25付)