北広島市4年度教育行政執行方針 小中一貫 一層充実を CS全市展開へ準備委設立
(市町村 2022-03-09付)

北広島市・吉田孝志
吉田教育長

 北広島市教委の吉田孝志教育長は4年度教育行政執行方針において、小中一貫教育の推進に当たって、これまでの実践と3年に実施した全国サミットの成果を踏まえ、各中学校区の取組をさらに充実させる考えを示した。また、5年度のコミュニティ・スクール全市展開に向け、東部・西の里・広葉中学校区において準備検討委員会を立ち上げ、議論を進める。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【生きる力を育む学校教育の推進】

▼義務教育9年間の学びを支える教育活動の展開

 自分の良さや可能性を認識できる自己有用感を育みながら、学力、体力、社会性など中学校卒業時にふさわしい生きる力を育成するため、小中一貫教育を推進し、これまでの実践と3年に実施した全国サミットの成果を踏まえ、各中学校区の取組をさらに充実させる。

▼豊かな心を育む教育の充実

 市独自の福祉読本も活用しながら、考え、議論する道徳の授業等を展開していく。

▼確かな学力を育てる教育の充実

 個別最適な学びと協働的な学びの充実を図るとともに、主体的・対話的で深い学びの視点による授業改善や個に応じたきめ細かな指導を行っていく。

▼健やかな体を育てる教育の充実

 各学校の体力向上プランを改善するとともに、スポーツアカデミー事業等と連携した取組を推進していく。

▼学校給食

 衛生管理を徹底するとともに、栄養バランスの取れた安全で安心な給食を安定的に提供するとともに、赤毛米など北広島産の食材や有機野菜などを活用し、地産地消や郷土学習の推進に取り組んでいく。

▼防災食育センター

 災害時における炊き出し等の応急給食機能と、平常時における防災や食育学習機能、学校給食機能を持つ複合施設として、6年度の供用開始に向け建設工事に着手する。

▼特別支援教育の充実

 特別支援教育支援員や特別支援学級介助員の全校配置等によって、特別な配慮を必要とする児童生徒の学習や学校生活の支援に努める。

▼社会の変化や課題に対応した教育の推進

 市独自のキャリアパスポート「きたひろ夢ノート」を活用しながら、義務教育9年間をつなぐキャリア教育を推進していく。

 きたひろ夢ノートについては、学習指導要領の改訂や小中一貫教育の実践等を踏まえ、改訂を進めていく。

▼外国語教育の充実

 外国語指導助手の活用や対話を重視した授業の充実を図るとともに、児童生徒の学習意欲の向上等を図るため、英語検定等の費用の一部を助成する。

▼北海道日本ハムファイターズとのパートナー協定に基づく事業

 学校教育活動の中に、ファイターズが有する様々な知見や資源を共有し、次世代を担う子どもたちに夢と希望を与えるまちづくりの一助となるよう取り組んでいく。

【信頼され、魅力ある学校づくりの推進】

▼地域とともにある学校づくりの推進

 西部・大曲・緑陽中学校区のコミュニティ・スクールの充実を図るとともに、5年度の全市展開に向け、東部・西の里・広葉中学校区において準備検討委員会を立ち上げ、議論を進める。

▼教育環境の整備

 教職員が本来担うべき業務に専念できる体制を確保するため、学校における働き方改革を推進していく。

▼就学支援

 小・中学校の就学に必要な学用品や体育実技用具等の経費の一部を援助するとともに、新たにインターネット通信に要する費用の一部を援助していく。高校等への就学を支援するため奨学金等を支給する。

▼学校ICT環境の整備

 学びの質の向上と校務の効率化のため、小学校の校務用コンピュータを更新するとともに、専門事業者を活用しICTの運用支援を行う。

【やさしく支え合う教育連携の推進】

▼幼児教育・家庭の教育力向上への支援の充実

 幼児教育と小学校教育との円滑な接続を図るため、交流会等の機会を通じて、幼稚園・保育所・認定こども園・小学校・学童クラブ・子ども発達支援センター相互の共通理解や連携を深めるとともに、子どもと保護者の安心感を醸成する取組を推進する。

▼教育相談体制の充実

 いじめや不登校の未然防止と早期発見・早期対応の取組を進めるとともに、不登校児童生徒等への支援を充実させるため、子どもサポートセンター相談員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーおよび心の教室相談員を活用するなど、学校や関係機関と連携した相談体制の充実に努める。

▼いじめの問題

 市いじめ防止基本方針に基づき、学校等において学習や啓発の機会を設けるとともに、関係機関との連携を図る。

▼不登校児童生徒への対応

 各学校における教育相談体制の充実や小・中学校が一体となった取組によって未然防止に努めるとともに、適応指導教室みらい塾と連携した指導・支援など、きめ細かな対応を進める。

▼地域が支える健全育成活動の充実

 インターネットやメディアの適切な利用を促進するため、市教委と市PTA連合会が協働して作成した北広島アンビシャス4ルールを活用し、家庭内でのメディア利用に関するルールづくりなど、家庭、学校、行政が連携した取組を進める。

▼青少年の安全対策

 市通学路交通安全プログラムに基づき、学校、市教委、道路管理者および警察による合同点検を実施する。

▼放課後子供教室

 放課後の空き教室を活用し、児童の安全・安心な居場所を提供するとともに、学習やスポーツ・文化活動等の機会の充実を図る。

【結び合い、学び合う社会教育の推進】

▼学び合う生涯学習機会の充実

 まちづくり・地域づくりに参画する人材の育成に向け、公民館を拠点として多様な学習機会を提供する。

 また、共生社会の実現を目指し、障がい児・者の社会参加に向けた学習機会の充実に取り組む。

【郷土愛を育む教育活動の推進】

▼文化財の保存と活用

 国指定史跡旧島松駅逓所の大規模改修に向けた基本設計等に着手するとともに、周辺環境の整備について関係部署と連携し検討を進める。

 5年は、中山久蔵翁が寒地稲作に成功してから150年の節目の年に当たることから、4年度、関係団体等と連携しプレ事業を開催するなど、寒地稲作成功150年記念事業の準備を進める。

【生涯にわたる読書活動の推進】

▼学校図書館との連携

 児童生徒の読書活動の充実や授業支援のため、小学校においては図書巡回事業やブックキャラバン、司書による環境整備、中学校においては司書の巡回配置を引き続き実施する。

 館外サービスの充実に向け、引き続き、大曲地区においてまちなか司書を小学校や保育所に派遣し、読み聞かせなど読書活動の支援を行う。

(市町村 2022-03-09付)

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