網走市4年度教育行政執行方針 1人1台端末活用へDX 電子黒板やドリル教材整備
(市町村 2022-03-09付)

網走市・岩永雅浩
岩永教育長

 【網走発】網走市教委の岩永雅浩教育長は、2日開会の市議会第1回定例会で4年度教育行政執行方針を説明した。1人1台端末をより効果的に活用できるよう、電子黒板やデジタルドリル教材の整備など教育分野でもDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進していく考えを示し「令和の日本型学校教育が求める主体的・対話的で深い学びを目指し、個別最適な学びと協働的な学びの実現に取り組む」と述べた。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼義務教育

 今なお警戒が必要なコロナ禍にあって「子どもたちの学びを止めない」を合言葉として、感染とその拡大リスクを可能な限り低減させて学校運営を継続するとともに、子どもたちが感染症を正しく理解し、リスクを避ける行動を取ることができるよう引き続き感染症対策に関する指導を行っていく。同時に、感染症対策などを徹底しながらも学校運営が円滑に継続できる学校環境整備にも取り組んでいく。また、感染症などによる臨時休校時には、インターネットを活用したオンライン学習の充実が図られるよう、一層の環境整備を行う。

 確かな学力の育成について、学力の課題やこれまでの取組の成果を教委と学校、家庭、地域が共有するとともに、市読書感想文コンクールや土曜学習サポート(あばしり寺子屋)などの取組を推進していく。

 GIGAスクール構想によって整備した1人1台端末をより効果的に活用するため、教育の分野でもDXの推進を図り、電子黒板などのハードウエア、デジタルドリル教材や指導者用デジタル教科書などのソフトウエアを並行して整備・充実させ、令和の日本型学校教育が求める主体的・対話的で深い学びを目指し、個別最適な学びと協働的な学びの実現に取り組む。

 教員の専門的知識や指導技術の向上を図るため、引き続き、全ての小・中学校での公開研究会の開催や、教職員で組織する市学力向上推進委員会での学校間の情報共有、指導方法の工夫改善、小中連携の取組を進めるとともに、特別支援教育研修会、ICT研修会や新任教職員研修会を実施するなど、今日的課題やキャリアステージに応じた教員の育成を推進する。

 一人ひとりの資質・能力を伸ばすためのきめ細かな指導の充実では、教員の指導力向上を図る研修を実施するとともに、学習支援員の配置による算数・数学科での習熟度別指導や少人数指導、外国語指導助手(ALT)の配置による英語教育の充実に取り組んでいく。

 家庭や地域と連携した学力向上の方策として、生活リズムチェックシートの積極的な活用を図るなど、基本的な生活習慣の確立や家庭での学習習慣の定着に向けた取組を推進していく。

 学校教育と社会教育が連携し、学校支援地域本部事業やデジタル図書館を利用した読書活動の推進、社会教育機関・施設を活用した自然体験や職業体験、ボランティア活動など、あらゆる教育活動を通して、自立心や自律性、思いやりの心を培い、子どもたちの豊かな人間性や社会性を育む教育を推進していく。

 健やかな体の育成では、楽しく達成感が味わえる体育授業をはじめ、全小・中学校が行う1校1実践の取組、タグラグビー推進、オホーツク網走マラソンの参加促進などに努めるほか、日本体育大学との連携のもと、大学指導者による教員研修を通して体力向上を図る取組を推進していく。

 いじめの問題は、市いじめ防止基本方針や、学校いじめ防止基本方針に基づき、市いじめ問題等対策連絡協議会を開催するなど、学校と家庭・地域における情報の共有や指導体制の充実を図っていく。

 特別支援教育では、特別支援学級や通常学級に支援員を配置するほか、学校職員間で情報を共有し、教職員や支援員を対象にした研修会の開催などを行い、特別支援教育の充実に努めるとともに、個に応じた学習環境の整備に努めていく。

 地域とともにある学校づくりを目指し、地域の住民や企業、教育機関などが持つ人的資源や技能などを生かした学習環境づくりを進めるとともに、学校と家庭、地域が一体となった学校運営ができる仕組みとしてコミュニティ・スクール(CS)の推進に努める。

 教職員の働き方改革では、校務支援システムを活用した勤務時間の把握や校務の情報化・効率化を進めるとともに、全ての教員が子どもたち一人ひとりと向き合う時間の確保に努める。

▼高校・高等教育

 小中学生が高校・大学と交流する機会を充実することで、将来を見通した学習への興味・関心や学ぶ意欲の向上を図る。

 網走南ケ丘高校定時制課程振興のための助成や、定時制生徒の下校時の公共交通手段確保への支援を引き続き行っていく。東京農業大学生物産業学部や学校支援地域本部事業との連携による、市内小・中学校での農大生や一般市民の教育ボランティアの拡充にも努めていく。

▼社会教育

 地域全体で学校教育を支援する学校支援地域本部事業や放課後子ども教室推進事業のほか、市民や関係団体と連携し、子どもたちに質の高い学習機会を提供していくとともに、夢を持って生きることの大切さを伝える場を創出していく。

(市町村 2022-03-09付)

その他の記事( 市町村)

士幌町4年度予算案 骨格 貸出用端末30台整備 長期休業や臨休時に

 【帯広発】士幌町は1日、4年度予算案を発表した。20日に町長選を控えた骨格編成で、一般会計は前年度当初比5・1%減の67億8700万円。教育費には9・0%減の10億3680万円を計上した。...

(2022-03-09)  全て読む

上士幌町4年度予算案 新規に教育支援員配置 中学校の教務用端末更新

 【帯広発】上士幌町は2月28日、4年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比3・5%増の86億6029万円。教育費には2・8%増の9億4480万円を計上した。  新規事業をみると、教育...

(2022-03-09)  全て読む

釧路町4年度予算案 別保小に学習支援員 低学年対象 退職教員ら活用

 【釧路発】釧路町は2月下旬、4年度予算案を発表した。一般会計総額は前年度当初比13・2%増の101億900万円。このうち教育費は19・8%増の8億3870万円となった。  別保小学校の増...

(2022-03-09)  全て読む

弟子屈町4年度予算案 通年で公設塾開設 弟子屈高生対象 進学者増へ

 【釧路発】弟子屈町は2月下旬、4年度予算案を発表した。一般会計総額は前年度当初比13%増の141億900万円。うち教育費は1・9%減の5億7734万円となっている。  重点事業をみると、...

(2022-03-09)  全て読む

遠軽町4年度予算案 教育費25・7%増 東小改修工事受け

 【網走発】遠軽町は4日、4年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比13・3%減の169億円。教育費は25・7%増の14億4833万円。東小学校の長寿命化改修に2億3925万円を盛り込ん...

(2022-03-09)  全て読む

湧別町4年度予算案 義務教育学校の施設整備 5年度開校へ

 【網走発】湧別町は4日、4年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比8・9%増の97億1000万円。教育費は105・2%増の21億1994万円となった。  主な事業をみると、教育費増額...

(2022-03-09)  全て読む

北広島市4年度教育行政執行方針 小中一貫 一層充実を CS全市展開へ準備委設立

北広島市・吉田孝志  北広島市教委の吉田孝志教育長は4年度教育行政執行方針において、小中一貫教育の推進に当たって、これまでの実践と3年に実施した全国サミットの成果を踏まえ、各中学校区の取組をさらに充実させる考え...

(2022-03-09)  全て読む

新篠津村4年度予算案 社教施設で大規模工事 5年7月供用開始目指す

 新篠津村は2日、4年度予算案を発表した。一般会計は前年度肉付補正後と比べて13・6%増の40億6300万円となった。このうち教育費は40・3%増で3億4106万円。社会教育施設の大規模工事...

(2022-03-09)  全て読む

増毛町4年度予算案 町外高校通学費補助など

 【留萌発】増毛町は4日、4年度予算案を公表した。一般会計総額は前年度当初比6%増の52億1600万円。うち教育費は5・8%減の3億3131万円。  主な事業では、外国語指導助手の業務委託...

(2022-03-09)  全て読む

長沼町4年度予算案 新校舎建設へ調査着手 教育費2・7%減5・4億円

 【岩見沢発】長沼町は2月25日、4年度予算案を発表した。一般会計の総額は前年度当初比0・7%減の78億5600万円。教育費は2・7%減の5億3576万円で、構成比は6・8%となっている。 ...

(2022-03-09)  全て読む