文科省　マスク着用の考え方　夏場の登下校時は不要　推奨・不要　各場面を整理

（コロナウイルス関連 2022-05-26付）

マスク着用の考え方（クリックすると拡大表示されます）

　文部科学省は２５日、学校生活における児童生徒等のマスク着用の留意点をまとめ、関係者に通知した。基本的な感染症対策としてのマスク着用の位置づけは変更しないとしつつ、着用を推奨または不要とする各場面の考え方を整理したもの。夏場を迎え熱中症の危険性が懸念されることから、登下校時はマスクを外すよう指導するなど適切な対応を求めた。

　文科省の学校衛生管理マニュアルでは、教育活動においてマスク着用が不要な場面を示している。一方、夏季を迎え熱中症リスクの高まりが懸念されることや政府の基本的対処方針の変更などを受け、これまでの留意事項をあらためてまとめ、２５日付で各都道府県・指定都市教委等に通知。児童生徒への指導や説明の参考とするよう求めた。

　内容をみると、マスク着用の必要がない場面として①屋内で他者と身体的距離（２㍍以上を目安）が確保でき、会話をほとんど行わない場面②屋外で身体的距離が確保できる場面（ランニングなど離れて行う行動、鬼ごっこなど密にならない外遊び）③屋外で身体的距離が確保できず、会話をほとんど行わない場面―を挙げ、その他の場面では着用を推奨。屋内で会話を行う場合でも、身体的距離を確保できて十分な換気など感染防止対策を講じている場合は外すことも可としている。

　特に②では、夏場の熱中症予防の観点からマスクを外すよう推奨。登下校時にはマスクを外すなど熱中症対策を優先して指導すること、小学生など自身での判断が難しい子どもには積極的に声をかけ、十分な距離の確保や会話を控えることも併せて指導するよう求めた。

　また、地域の実情に応じて体育の授業では屋外・屋内を問わずマスクの着用は不要であることもあらためて周知。運動部活動ではマスク着用を含めて対策を徹底すべき場面として「練習場所や部室、更衣室、ロッカールーム等の共有エリアの利用時」「部活動前後での集団での飲食や移動時」「大会参加時の会場への移動、会食・宿泊等」「寮や寄宿舎における集団生活時」などを挙げている。

　このほか、政府の基本的対処方針の変更に伴い２歳以上の幼児におけるマスク着用の考え方を周知。マスク着用を一律に求めず、無理に着用させないことを伝えた。

　末松信介文部科学大臣は２４日の記者会見で「感染症対策と学びの継続の両立はもちろん、熱中症対策も命に関わる極めて重要な問題。子どもたちが安全・安心な環境で学ぶことができるよう、めりはりを付けたマスクの着用を指導してほしい」と述べた。

(コロナウイルス関連 2022-05-26付)