マスク外し熱中症回避を

（コロナウイルス関連 2022-06-14付）

　６月に熱中症によって生徒が緊急搬送される事案が複数発生したことを受け、文部科学省は１０日付で通知「夏季における児童生徒のマスクの着用」を各都道府県・指定都市教委担当課に発出。今後さらに気温や湿度の上昇が見込まれることから、夏場においてはマスクを外すよう周知し、各地域や学校の対応方針を再確認するよう求めた。

　夏季のマスク着用に関して文科省は５月２４日付ですでに事務連絡を発出しており、基本的な感染症対策としてのマスクの重要性は変わらないとしつつ、熱中症が命にかかわる重大な問題であることを認識した上で児童生徒にその危険性を適切に指導するとともに、護者にも理解と協力を求めるよう学校に呼びかけた。

　マスクの着用が不要となる主な場面は「体育の授業や運動部活動（プールや屋内の体育巻頭を含む）」「登下校」。熱中症対策を優先して児童生徒にマスクを外すよう指導し、その上で「間隔の確保」「会話を控える」「体育館等での常時換気の徹底」「各競技団体のガイドラインを踏まえた運動部活動の実施」など必要な対応の検討を求めた。なお、就学前の段階ではマスク着用を一律に求めていない。

　厚生労働省と協力して作成したリーフレットでは、これらの考えを一覧化して示しており、ホームページで周知している。

　末松信介文部科学大臣は１０日の記者会見で、長期にわたるコロナ禍の中、感染への不安や周囲の目など様々な理由でマスクの着用を希望する児童生徒や保護者がいるとし「感染症対策も重要だが、それ以上に熱中症は命を落としかねない危険がある」「現場、あるいは地域の実情を踏まえ判断してほしい。その上で体育の授業や登下校中はマスクを外すべきということが文科省の考えであり、徹底していきたい」と述べた。

(コロナウイルス関連 2022-06-14付)