道高校生平和大使が札幌市訪問　平和学習の大切さ痛感　北星女子・齊藤さん、聖心女子・吉田さん

（札幌市 2022-10-25付）

左から吉田さん、齊藤さん、秋元市長

　本年度の北海道高校生平和大使を務めた北星学園女子高校３年の齊藤あかりさんと札幌聖心女子学院高校３年の吉田桜さんが１８日、札幌市の秋元克広市長を表敬訪問し、本年度の活動を報告した。秋元市長は平和に関する学習の大切さを指摘し、今後のさらなる活動に期待した。

　北海道高校生平和大使は、核兵器の廃絶と、若い世代に平和運動を継承することを目的に、平成２５年から活動を進めている。

　第１０代大使に当たる本年度は、齊藤さん、吉田さん、登別明日中等教育学校５年の猪俣愛紗美さんが務めている。３人は、６月に広島県で開かれた全国の結団式への出席を皮切りに、８月の長崎研修および高校生平和大使２５周年記念行事に参加。道内では、核兵器廃絶を訴える高校生署名活動を展開している。

　この日は、齊藤さんと吉田さんが市役所本庁舎を訪れ、秋元市長と面談した。

　吉田さんは、長崎での研修を振り返り「広島や長崎の生徒たちは、（核兵器廃絶や平和の尊さを）常に自分事として捉えている。道内における平和学習の浅さを痛感した」と述べ、平和に対する学びを一層深めていく必要があることを訴えた。その上で「自分たちが経験したことをより多くの人たちに伝えたい」と抱負を語った。

　齊藤さんは、今月２０日から道内４都市で開かれる被爆ピアノコンサートの企画に実行委員長として携わることを報告し「平和学習で得た成果を自分の中だけでとどめてはいけないと思った。コンサートを通して、平和の瞬間を多くの人に感じてもらいたい」と期待した。

　秋元市長は「戦後７７年が経過し、多くの人は自分事として捉えられないのではないか」とし、学校現場で平和に関する学習をより一層進める必要性を指摘。「平和に暮らすことがどれほど大切なのかを多くの人が議論するためにも、今後も活動を頑張ってほしい」と激励した。

(札幌市 2022-10-25付)