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札幌北九条小の坂本さんら長崎訪問　戦争の悲惨さ訴える　おやこ記者新聞を作成
（札幌市 2022-10-26付）

おやこ記者新聞を手に笑顔を浮かべる坂本楓さん

　この夏、被爆地の長崎市を訪れて、日本非核宣言自治体協議会（事務局・長崎市）の「親子記者事業」に参加した札幌市立北九条小学校６年の坂本楓さんと母親の麻奈さん。被爆者らに取材し、他の参加親子と一緒に作成した「おやこ記者新聞　ナガサキピース・タイムズ」がこのほど完成した。長崎原爆の日の９日を含む４日間で学んだ、戦争の悲惨さや平和の尊さをつづっている。

　同協議会が実施する親子記者事業は、核兵器廃絶と平和への願いを若い世代に継承することを目的に、平成２０年から実施している。

　麻奈さんが「当時長崎で何が起きたのか、歴史を学んでほしい」と楓さんを誘い応募。全国９２組の中から、坂本さん親子を含む９組が選ばれた。札幌市の親子の参加は今回が初めて。

　坂本さん親子は、８月８～１１日に長崎市に滞在した。被爆者や平和活動に取り組む団体などに取材し、他の参加親子と一緒に全８ページのおやこ記者新聞を作った。

　取材では、当時１２歳で被爆した宇木和美さんから話を聞いた。昭和２０年８月９日午前１１時２分、空襲警報が鳴ったため、学校から自宅に戻ると、突然外が真っ白になり、爆風で窓ガラスが吹き飛んだという。「がれきで道がなくなり、亡くなった人が大勢倒れていた」「黒焦げの子どもを抱いた母親の姿が今でも忘れられない」と語る宇木さんの話に耳を傾け、必死にメモを取った。楓さんは「テレビや本で見聞きするより、悲惨な状況が伝わった」と振り返る。

　記事は３００字にまとめるという制約の中、何度も書き直して、当時の様子が伝わるよう表現を工夫した。楓さんは記事で「戦争は勝っても負けても悲しむ人がいる。どんな理由があっても二度と起こしてはいけない」と思いをつづった。

　坂本さん親子は、９日の平和祈念式典にも参加。原爆資料館を見学したほか、ベネズエラ特命全権大使に取材し、海外でも毎年８月９日には多くの人が平和を願っていることを知った。

　楓さんは、夏休み明けの自由研究発表で、今回の経験を同級生たちに伝えたという。麻奈さんは「現地でしか学べないことがたくさんあり、成長できたと思う。良い経験になった」と充実した表情を浮かべた。

　おやこ記者新聞は、同協議会のホームページで公開している。