札幌みなみの杜高支「防災さんぽ」　災害に備え情報共有　団地住民との絆深める

（札幌市 2022-10-26付）

団地周辺を散策しながら危険個所を確認した

　市立札幌みなみの杜高等支援学校（田中進一校長）は１７日、㈱ＵＲコミュニティ北海道住まいセンターと共同で、防災さんぽを開催した。１年生５５人と五輪団地の住民約３０人が、団地周辺の道路を散策しながら、地震や水害時における危険個所を確認。万一の事態に備えて情報共有を図った。

　同校は、地域社会との協働による専門的な教育を推進するため、近隣の五輪団地の住民らと共同で、月１回程度、エコサイクル教室などを開き交流を深めている。

　平成３０年の北海道胆振東部地震発生時、隣接する真駒内上町公園が給水場になったことを受け「地域のために何かできないか」と思案してきた。

　今回、五輪団地を管理するＵＲコミュニティ北海道住まいセンターと連携し、１年生家庭科の防災学習の一環として地域の災害リスクを考える防災ＤＩＧ学習を計画。住民らで組織する自主防災会や自治会と共に、避難所となっている真駒内中学校までの散策を通して、地域と助け合いながら災害を乗り切ることができる生徒の育成を目指した。

　防災さんぽには、１年生５５人と住民約３０人が参加。参加者は７グループに分かれ、地震や水害を想定しながら避難所までの経路に潜む危険個所を確認した。

　避難所に到着後、各グループはコース上で確認した危険個所を共有。生徒たちは「集会所と道路の段差を解消するため、スロープを設置した方がいい」「建物の壁にひびが入っている。地震で崩れてきたら危険だ」「排水溝に落ち葉や泥がたまっていた。水害時に備えて清掃した方がいい」「電柱や街路灯が老朽化している」「電線に樹木が引っかかっている」などと発表した。

　防災さんぽに参加した住民の岡田克恵さんは「生徒たちと散策して、あらためて危険な場所を確認することができた」と話した。一年生の濱谷臨さんは「いろいろな場所に危険が潜んでいることが分かった」と話し、防災への意識を高めた。

　ＵＲコミュニティ北海道住まいセンターの武田昌之主任は「五輪団地は高齢者が多く、生徒との交流を楽しみにしている。これからも同校とのつながりを大切にしていきたい」と話した。

(札幌市 2022-10-26付)