道議会質疑 文教委員会(9月6日)
(道議会 2022-11-16付)

【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】

【質問者】

▼佐々木大介委員(自民党・道民会議)

▼小泉真志委員(民主・道民連合)

▼宮川潤委員(日本共産党)

【答弁者】

▼池野敦教育部長兼教育職員監

▼唐川智幸学校教育監

▼山本純史総務政策局長兼幼児教育推進局長

▼伊藤伸一学校教育局生徒指導・学校安全担当局長

▼伊賀治康教職員局長

▼奥寺正史総務課長

▼泉野将司生徒指導・学校安全課長

▼中嶋英樹教職員課働き方改革担当課長

▼山城宏一高校教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長

▼今村隆之健康・体育課長

▼笠井浩総務部総合教育推進課長

◆いじめ対応

Q小泉委員 北海道いじめの防止等に関する条例による重大事態とは、いじめによって児童生徒の生命、心身または財産に重大な被害が生じたこと、もう一つは、いじめによって児童生徒が相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされていることとされている。この条例が制定されてから8年半が経過しようとしているが、この間、道立学校および私立学校で起きた重大事態の件数と受け止めについて伺う。

A伊藤学校教育局生徒指導・学校安全担当局長 いじめの重大事態について。国の2年度調査では、重大事態の件数を校種別、設置者別に公表しないとしていることから、道立学校の件数は公表できないが、それ以前に、道いじめ問題審議会によるいじめ重大事態調査の結果を道知事に報告した事案は3件である。

 道教委としては、各学校がいじめを積極的に認知し、早期からの組織的対応によっていじめ解消に取り組んでいる一方で、いじめの重大事態に至った事案が発生したことは憂慮すべきものと受け止めており、引き続き、いじめ重大事態調査で示された再発防止策を踏まえた実効性のある対応を全ての学校で進められるよう取り組んでいく。

A笠井総合教育推進課長 私立学校でのいじめの重大事態について。平成26年度の道いじめの防止等に関する条例施行後、学校法人または私立学校が設置した調査組織が行った調査の結果を受けて再調査に係る知事の判断を行ったものは5件となっている。

 道としては、児童生徒の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合や、相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合の事案である重大事態が発生していることは憂慮すべきものと受け止めており、今後も私立学校の自主性を尊重しながら、道教委と連携を強め、学校訪問や研修会など様々な機会を活用し、いじめ防止対策推進法の趣旨を徹底するとともに、重大事態の発生防止のために必要な対応を行う。

Q小泉委員 調査結果で、第1回の第三者委員会の調査委員会までの開催の課題として、調査委員の選出が非常に課題であるという自治体が多い、また、委員の日程調整や調査への児童生徒や保護者への理解が得られないなどの回答が多いとなっている。北海道についてはどのように答えたのか、また、その課題についてどのように解決しようとしてきたのか伺う。

A泉野生徒指導・学校安全課長 調査委員会の開催等について。昨年12月に文部科学省が実施したいじめの重大事態調査に係るアンケートで、道教委では、重大事態調査開始の判断から、第1回の調査委員会開催までの課題としては、事案が複数発生した際の調査委員の確保と回答した。

 道教委としては、この課題に対し、現在、国のガイドラインに基づいて、職能団体や大学等から調査を担う人材を推薦いただけるよう、当該の職能団体等との連携を密にして対応しているところである。

Q小泉委員 調査内容の課題として、関係児童生徒および保護者の聞き取り調査の拒否や非協力等の課題が多いとなっている。道内での課題はどのようになっているのか、また、その課題をどのように解決しようとしているのか伺う。

A泉野生徒指導・学校安全課長 調査内容等について。道教委では、ヒアリングや調査資料等の調査内容における課題として、加害児童生徒からの協力や卒業した児童生徒からの聞き取りへの対応と回答した。

 道教委としては、この課題に対し、現在、いじめ重大事態調査を行う道いじめ問題審議会が、関係児童生徒や保護者からの聞き取り等について協力を得ることができるよう、本調査の趣旨、審議会が中立公平であること、具体的な聞き取りの観点等を丁寧に説明し、理解を求めた上で対応することとしている。

Q小泉委員 私立学校等による重大事態の調査に対する都道府県の委員会の支援について、全国では今まで実績があまりないとの回答が多いようだが、北海道の実態について伺う。

A泉野生徒指導・学校安全課長 私立学校等への支援について。道教委では、私立学校等が重大事態調査を実施する際、支援を要請された場合に可能な支援として、法令等や国のガイドラインに基づき、適切な調査の実施に向け、実情に即した助言を行うことは可能と回答した。

 これまで私立学校等から支援の要請を受けたことはなく、支援の実績はない。

Q小泉委員 調査に対する被害者からの信頼を確保するには、被害者側が道いじめ問題審議会や学校法人または私立学校に対して、調査をする委員を推薦できる体制を規定すべきと考える。所見を伺う。

A唐川学校教育監 調査組織等について。国のガイドラインにおいては、調査組織は、公平性、中立性が確保された組織が客観的な事実確認を行うことができるよう構成するため、職能団体や大学、学会等からの推薦によって参加を図るよう努めることと示されており、道教委では、被害児童生徒や保護者に対して、調査組織の人選については、職能団体等から推薦を受けて選出したことなど、公平性、中立性が担保されていることを説明している。

 その際、被害者側から、調査委員の職種や職能団体について要望があった場合には、公平性、中立性、専門性の確保の観点から、必要と認められる場合は調整するとしており、道教委としては、本調査の実施に当たっては、関係法令や道条例、国のガイドラインに基づき適切に対応している。

A笠井総合教育推進課長 調査組織の体制について。国のガイドラインでは、調査組織については、弁護士や精神科医等の専門的知識および経験を有する者であって、当該いじめ事案の関係者と直接の人間関係または特別の利害関係を有しない第三者について、職能団体や大学、学会からの推薦等によって参加を図るよう努めるほか、学校の設置者および学校は、被害児童生徒、保護者から構成員の職種や職能団体について要望があり、必要と認められる場合は調整を行うこととされている。

 このため、学校法人または私立学校では、国のガイドライン等を踏まえ対応しているが、道としても、調査組織の人選について相談等があった場合は、関係団体に関する情報提供を行うなど、速やかに設置できるよう助言等を行っている。

 道としては、現在、国で行われている調査委員の構成を含めたガイドラインの改定議論や他県の状況も注視しつつ、私立学校の自主性を尊重しながら、学校法人等が関係法令や道の条例、国のガイドラインに基づき、適切に対処できるよう取り組んでいく。

Q小泉委員 調査委員について、道いじめ問題審議会のいじめ調査部会設置要綱の第3条第5項では、公平性、中立性が損なわれると認められるときには調査委員を審議に参加させないとなっているが、この部分を例えば、調査委員は、弁護士や精神科医などの専門家であって、当該いじめ事案の関係者と直接の人間関係または利害関係を有していない者について、被害者側の意向を踏まえ、外部専門機関からの推薦等による参加を図り、当該調査の公平性、中立性、専門性を確保するというような文言変更等にすることによって、より被害者に寄り添う形になるかと思う。ただ、この要綱の改変は、いじめ問題審議会が行うということを承知している。ぜひ、道教委から審議会に提言等はできないのか所見を伺う。

A唐川学校教育監 調査組織について。道いじめ問題審議会のいじめ調査部会設置要綱には、いじめ調査部会の構成等に関わって、調査委員の職種等については詳細に規定していないが、道教委では、被害者側に調査組織の人選について説明する際、被害者側から調査委員の職種等について要望があった場合には、その意向を確認しながら必要に応じて調整するなど、これまでも調査の実施に当たって、関係法令や道条例、国のガイドラインに基づいて適切に対応しており、今後もこうした考えのもと、対応していく。

P小泉委員 いじめ問題については、被害者側に寄り添うことが大原則だと思っている。いろいろな事案を見て、第三者委員会と被害者側との対立は絶対に避けなければならない。北海道として、いじめは許さない、被害者側に寄り添うのだということを全道に発信できるのではないか。実際に推薦する制度を道民はほとんど知らない。いじめ問題審議会の中で論議されることを期待する。

◆部活動地域移行

Q佐々木委員 ことし6月にスポーツ庁の有識者会議から運動部活動の地域移行に関する提言が示され、さらに8月は、文化庁の有識者会議から文化部活動の地域移行に関する提言が示されている。それぞれの提言では、現在、公立中学校で行われている運動部活動、文化部活動のうち、まずは休日の部活動を地域の団体、指導者に移行していくことを基本として、地域移行を概ね達成する目標時期について、文化部活動も運動部と同じく5年度からの3年間をめどとすることが記載されている。

 市町村や地域からは、受け皿となる団体がない、町には指導者がいない、財源はどうしたら良いのか、保護者の経費負担が増えるのではないかといった不安の声を伺っている。

 8月に示された文化部活動に関する提言の内容について伺う。

A中嶋教職員課働き方改革担当課長 文化部活動に係る提言について。ことし8月9日付で、文化部活動の地域移行に関する検討会議が取りまとめた提言では、公立中学校の文化部活動を対象とし、6月に取りまとめられた運動部活動に関する提言と概ね同じ内容で、まずは休日の部活動から段階的に地域移行していくことを基本とし、平日の部活動について、地域の実情に応じて取組を進める必要があるとされている。

 また、個々の課題について、受け皿の整備や指導者の確保、指導を希望する教師の在り方、大会や会費の在り方の方向性などが示されるとともに、地域移行の目標時期について、7年度末をめどとし、5年度から3年間を改革集中期間として位置付け、都道府県および市町村において具体的な取組やスケジュールを定めた推進計画を策定することなどが盛り込まれている。

Q佐々木委員 都道府県において休日の部活動の地域移行に向けた具体的な取組やスケジュールなどを定めた推進計画を策定し、それをもとに各市町村において推進計画を策定するよう求められているところだが、目標時期を考えると早急に策定する必要があると考える。

 道教委は、どのような議論やステップを経て計画を決定していくのか、策定に向けたスケジュールと計画に盛り込む具体的な内容について伺う。

A伊賀教職員局長 推進計画の策定について。内容については、本道の部活動を取り巻く状況や地域移行の方向性、地域移行に向けた課題、課題解決に向けた道教委の取組などを記載することとしており、複数の市町村が合同で受け皿を整備する場合に道教委が調整の場を設けることや、教員が兼職兼業を行う場合の任意性を担保するための留意事項を示すこと、先行事例を参考にしながら財源確保の方策についてアドバイスを行うことなど、道教委として市町村を支援する取組を記載する考えである。

 また、スケジュールについては、8月30日に中学校長会や中学校体育連盟、市町村教委、PTA連合会、スポーツ協会などの代表者による部活動関係者会議を開催し、計画の骨子のイメージなどについて議論をいただいた。今後、生徒やその保護者等へのアンケートを実施しながら、11月を目途に推進計画の素案を取りまとめ文教委員会に報告するとともに、パブリックコメントを実施し、来年2月には計画案を取りまとめ、文教委員会に報告した上で、3月下旬に開催予定の教育委員会での決定を予定している。

Q佐々木委員 報道等で全国の市町村から部活動の地域移行に向けて様々な意見が出されていることが伝えられている。道内の市町村などから、どのような意見が出されているのか。

A中嶋教職員課働き方改革担当課長 市町村などからの意見について。市町村や部活動関係者などからは、地方では指導者の確保が難しい、運営団体が活動するための財源の確保が難しいといった意見のほか、ドイツの都市で行っている子どもたちがレベルの異なる複数のチームから自分に合うチームを選択できる仕組みを参考にできないか、財源に関する国の支援策や全国の好事例を集め提供してほしい、特定の競技であれば受け皿となり得る団体が既にあるなどの意見を聞いている。

 また、PTAからは休日の活動に関し、指導者の謝金など新たな経費負担が生じることへの不安や、障がいのある子どもたちがスポーツに親しめる機会に対する期待などを聞いている。

Q佐々木委員 部活動が学校生活において果たす役割にも配慮し、子どもたちにスポーツや文化活動に親しむ機会を将来にわたって確保するためにも、部活動の地域移行を進める必要があると考える。地域や学校によって様々な実態や課題が想定される中、道教委としては、今後どのように取り組んでいくのか伺う。

A池野教育部長兼教育職員監 今後の取組について。部活動は、スポーツ、文化芸術に親しむ機会を確保するほか、生徒の自主的な活動を通じて自己肯定感を高めるなど大きな役割を担っており、地城移行に当たり、地域の方々の理解のもとで、部活動のこうした意義をできるだけ損なわないようにしながら、持続可能な環境を整備していくことが重要と考えている。

 道教委としては、市町村が地域移行のための実施計画を策定する際の参考となるよう、引き続き、先進地域の好事例を収集し、計画を本年度内に策定するほか、市町村の取組状況などを把握するとともに、国の概算要求の動向を注視し、知事部局をはじめ、市町村教委、関係団体と連携しながら、円滑な部活動の地域移行に向けて取り組む。

P佐々木委員 今回の提言を見ても、地域移行に関しては文化団体やカルチャースクールも受け入れ先の対象となっている。地域にも吹奏楽団や合唱団、書道教室や絵画教室といった様々な民間のサークルや団体があるが、それでは、どの団体は受け入れの対象になるのか、どういう形態が今後の支援の対象となるのかが見えない中で、団体側も実際の財源や保護者の負担を注視している。こういった点は、文科省が予算や今後の方向性について握っていると思われる。地域の要望等も酌み取り、進めていただくよう求める。

◆道立学校の給食

Q佐々木委員 学校給食が担っている教育上の重要な役割は、義務教育の小・中学校だけではなく、道立の特別支援学校の幼稚部や高等部、夜間定時制の高校も同様と考える。あらためて、道立学校における学校給食の役割を伺う。

A今村健康・体育課長 道立学校における学校給食の役割について。夜間課程を置く高校における学校給食は、働きながら学ぶ青年の身体の健全な発達に資することを目的としており、特別活動の一環として食育の指導を行う際には、食事に対する理解や望ましい食習慣を育成することに役立つものである。

 また、特別支援学校の幼稚部および高等部における学校給食は、別調理や再調理による摂食指導など、特別支援学校における教育の特殊性に鑑み、幼児および生徒の心身の健全な発達に資することなどを目的としている。

Q佐々木委員 道立高校、道立特別支援学校の学校給食の実施状況はどのようになっているのか、また、調理業務について自校調理や民間委託の状況はどのようになっているのか伺う。

A今村健康・体育課長 道立学校の学校給食の実施状況について。4年度においては、夜間課程を置く道立高校32校の全てにおいて夜間学校給食を実施しており、11校が自校調理を行い、21校が調理業務を民間に委託している。

 また、道立特別支援学校68校のうち、65校で学校給食を実施しており、17校が自校調理を行い、35校が調理業務の民間委託、13校が市町村等に委託して実施している。

 学校給食を実施していない3校は、併設する病院などから昼食の提供を受けている。

Q佐々木委員 民間に委託している学校が高校と特別支援学校を合わせて56校。その業務委託に係る契約期間は1年と承知しているが、その根拠についてはどのようになっているのか伺う。

A今村健康・体育課長 業務委託に係る根拠について。学校給食の業務委託など役務の提供を受ける契約については、道出納局通達において、年度ごとに契約内容を見直すことなどによって、さらなる経費の削減を行い、より良質なサービスの提供を受けるという観点から、事業者間の競争性を確保するため、契約期間を12月以内とすることとされている。各教育局においては、毎年度、学校給食業務委託に関する一般競争入札を実施し、単年度契約を行っている。

A佐々木委員 地域の委託業者からは、単年度契約では最近は調理員の確保が大変難しく安定的に雇用できずに経験者を引き止められないなど、人材確保に支障を来しているという声がある。人材確保の観点からも、安定的に雇用できる長期継続契約の導入は、業者としてもメリットが大きいものと考える。長期継続契約の導入について検討する余地があるのか伺う。

A今村健康・体育課長 長期継続契約について。役務の提供を受ける契約については、原則として契約期間は12月以内とされているが、その取り扱いによって難しい特別の事情があるときには、あらかじめ総務部長および出納局長の承認を得た上で、この期間を超える契約期間を設定することができるとされている。

Q佐々木委員 学校給食は、食習慣や食育をはじめ、特別支援学校においては、障がい特性に合わせた摂食指導など、より高い特殊性や専門性が求められる業務である。また、業務の目的に鑑みると業者はもとより学校にとってもサービスの質、人材の確保の観点から長期継続契約の導入は意義のあるものと考える。

 ぜひ前向きに検討していただきたいと思うが、長期継続契約の導入に向けて、道教委は今後どのように対応するのか伺う。

A唐川学校教育監 今後の対応について。現在、学校給食の委託先の選定に当たり、契約内容の見直しや事業者間の競争を行うことによる経費の削減などの観点から単年度契約を行っているが、道教委としては今後、各学校や校長会等の意見を伺うとともに、学校給食業務委託や他の給食業務を行っている契約業者等の意向を把握するなどして、長期継続契約の在り方に関する検討を進めていく。

D佐々木委員 最近は人材確保の観点からも経費削減を図る上で適切な競争は必要である一方で、業務の特殊性や良質なサービスを確保するという観点からも経験や技量を有した従業員を安定的に確保、雇用できることへの配慮に努めていくことも必要であると考える。ぜひ検討いただくことをあらためて求める。

◆国葬への対応

Q宮川委員 教育機関等において半旗、弔旗の掲揚については、どのように定められているのか明らかにしていただきたい。また、安倍晋三元首相の葬儀に当たって、道教委所管施設において半旗、弔旗の掲揚が実施されたところはあるのか。安倍元首相の葬儀以前においてはあったのか、これらについて伺う。

A山本総務政策局長兼幼児教育推進局長 半旗等の掲揚について。政治家が死亡した際に、半旗、弔旗を掲揚することについて、公立学校に関し定められたものは、国、地方自治体共にないものと認識している。

 先般の安倍元内閣総理大臣の葬儀に際し、道教委から所管施設に対して半旗、弔旗掲揚の要請は行っておらず、掲揚された事実は承知していない。

 過去の事例としては、故橋本龍太郎内閣、自由民主党合同葬儀における半旗、弔旗の掲揚について、国からの弔意表明の通知を道立学校を除く所管機関に通知した記録はあるが、実際に掲揚したか否かについては確認できない。

Q宮川委員 橋本氏の葬儀に関して、半旗、弔旗に関する通知は、道立学校を除いたということだが、これは子どもに対する特段の配慮を行ったということだと思うが、その経過および考え方を説明していただきたい。

A山本総務政策局長兼幼児教育推進局長 半旗等の掲揚について。故橋本内閣、自由民主党合同葬儀における半旗、弔旗の掲揚について、国からの弔意表明の通知を道立学校を除く所管機関に通知した経緯については確認できないが、当時、教育基本法やその他の関係法令等を踏まえて判断したものと思われる。

Q宮川委員 公共施設が半旗、弔旗を掲揚することは、施設全体が弔意を表明することになると思われる。教育の場において、教職員のみならず、児童生徒を含めて弔意を表明するということになるが、見解を伺う。

A奥寺総務課長 学校における半旗等の掲揚について。2年度に実施された、故中曽根康弘内閣、自由民主党合同葬儀に当たって、当時の文部科学大臣は、弔意の表明に関し、強制を伴うものではなく児童生徒や学生を直接の対象として想定しているものでもないとしている。

Q宮川委員 安倍元首相の国葬について、賛否が分かれていると認識しているが、この点、どう評価しているのか。道教委としては、反対意見も尊重するのか伺う。

A山本総務政策局長兼幼児教育推進局長 国葬儀について。政治家が死亡した際の弔意の表明については、様々な考え方があると承知しており、道教委として認識や賛否について意見を述べる立場にはないと考えている。

 故安倍晋三国葬儀については、閣議決定されたものであり、政府の決定事項であることから、地方自治体としては、それを尊重する必要があると考えている。

Q宮川委員 内心の自由は憲法第19条に定義され、とりわけ人格形成の場である教育機関においては重要であると考えている。内心の自由と教育についてどのような見解を持っているのか。また、道立学校等道教委所管施設において、内心の自由の保障について、どのように努力をしてきたのか、明らかにしていただきたい。

A山城高校教育課長兼ICT教育推進課ICT教育推進担当課長 内心の自由について。教育においては、子どもたちの人格を尊重し、個性の伸長を図りながら社会的資質や行動力を高めるようにすることが重要であり、内心の自由は、全ての児童生徒に保障されなければならないものであると認識している。各学校においては、これまでもこうした理念を尊重しつつ、学習指導要領を基準として編成される教育課程に基づき、主に社会科や特別活動等を通じて適切な指導を行っているところである。

Q宮川委員 今回の国葬と、弔意の強制につながるような半旗、弔旗掲揚には反対するものである。部長の戦後教育と内心の自由、平和を守ることの決意、信念をお聞かせいただきたい。

A池野教育部長兼教育職員監 教育の理念と教育行政について。教育基本法では、その目的として、教育は人格の完成を目指し、平和で民主的な国家および社会の形成者として必要な資質を備えた心身共に健康な国民の育成を期して行わなければならないとされている。

 また、教育の目標として、学問の自由を尊重しつつ個人の価値を尊重して自主および自律の精神を養う、正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずる国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うなどとしている。

 道教委としては、こうした目的や目標を実現することは重要と考えており、国と地方公共団体との適切な役割分担、相互協力のもと、公正かつ適正に教育行政を推進していく。

(道議会 2022-11-16付)

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