NIE第7回札幌地区セミナー 実践的な新聞活用探る 札幌もみじ台中で授業公開等
( 2023-09-05付)

NIE第7回札幌地区セミナー
NIE第7回札幌地区セミナー

 道NIE推進協議会とNIE研究会は8月31日、札幌市立もみじ台中学校でNIE第7回札幌地区セミナーを開催した。オンラインと対面で21人が出席。新聞記事を活用した授業公開や実践発表を通じて、今後の教育活動において新聞を活用するための実践的な手法を学んだ。

 もみじ台中(木原英俊校長)では、玄関口付近に新聞閲覧コーナーを設置しているほか、廊下では企画展としてテーマに関連する新聞記事を掲示し、生徒に新聞や作文を身近に感じてもらうための工夫を凝らしている。

 この日は、3年国語「説得力のある構成を考えよう~スピーチで社会に思いを届ける」(佐藤尋之教諭、生徒数30人)を公開。

 社会で起きている出来事や問題について自分の意見や考え、解決策を伝えることを目的に、テーマとする話題を決め、発表の構成や論理展開を練って、全体に向かって発表する授業。

 佐藤教諭は、全国学力・学習状況調査において「自分の考えが伝わる文章になるように、根拠を明確にして書くことができるかどうかをみる」問題の正答率が低かったことから、生徒自身が自分の主張を明確にし、聞き手の立場を踏まえて構成を考える活動を取り入れたいと考え、この授業を展開した。

 事前準備として、夏休み中に、新聞記事データベースから自分が発表したい話題に関する記事を見つけさせる課題を出した。これまでの時間では、根拠となる新聞記事や情報を探し、スピーチ原稿を書いた。

 4時間扱いのうち3時間目となった今回は、4人前後のグループに分かれ、それぞれの発表を共有。代表者を決めて、発表原稿を推敲する活動を行った。

 教科書のポイントを確認したあと、グループ内で発表を開始。

 推敲では、文章の流れを見える化するために、主張には赤色、根拠には青色を付すよう指導。生徒たちは具体例や資料の使い方、分かりやすい表現への言い換えなどを通じて、文章を洗練させることを学習した。

 続いて、市立義務教育学校福移学園の福本勇太教諭が実践発表。社会参画や情報活用能力の育成をねらった学習活動や日常生活での活用例を共有した。

 朝の会で日直が新聞記事を紹介したり、担任がクラス全体に記事を投稿し読んだ児童生徒が感想を述べたりと、積極的な活用例を示した。

 道NIE推進協議会の髙辻清敏顧問が講評で、新聞記事の情報は信頼性が高いことに触れ「生きた教材として最適。今後も新聞を活用した取組を増やして」と話した。

 市教委学校教育部の三浦裕子指導主事は「特定の原稿だけにとどまらず、様々な原稿を推敲する機会を設けてみては」と述べた。

 石狩教育局義務教育指導班の加藤慎嗣指導主事は「代表者の原稿から優れた点をまねして、自分の原稿に生かす授業展開も考えられる」と助言した。

( 2023-09-05付)