建設コンサル企業招き防災学習　水災害から身を守ろう　標茶小　釧路川の特徴学ぶ

（学校 2023-09-29付）

勾配や流速の影響を模型実験で調べた

　【釧路発】標茶町立標茶小学校（髙橋知毅校長）は２６日、５年生理科で防災に関する授業を行った。㈱北開水工コンサルタント釧路支店（平澤陽一支店長）の支援を受け、児童３２人が釧路川の特徴や増水時の危険性を学ぶ一方、マイハザードマップを作成し、水災害から身を守る方策を考えた。

　同社は平成２７年度から「自らが水から身を守ること」を目的とする釧路川学習会を企画し授業支援を行っている。２６日の授業は５年生理科「流れる水のはたらき」と題した２時間授業として児童３２人を対象に実施。同社の職員６人が授業を支えた。

　１時間目は平澤支店長が講師に。釧路川の上流域から中流域、下流域までを説明。下流域に広大な湿原を有するなど、他の河川にはない特徴を示したほか、全国各地の河川における災害事例を写真や映像で紹介した。

　また、水理模型実験で勾配や流速が河川に及ぼす影響を解説。傾斜した板の上に砂で蛇行した河川の模型を作り、上流側から水を流し、砂で作った河川の変化を観察。児童は蛇行部の外側で河岸が崩れる様子や、赤色のチョークの粉を同時に流し河道内で流速が異なることを確認した。

　２時間目は同社河川管理部の松川優一主任技師が講師を務め、マイハザードマップの作成を指導した。

　松川主任技師は釧路川が流れる標茶町中心市街地を対象に、降雨時に危険となる個所の選定を子どもたちに要請。児童は４人一組となって思い思いにマップ作りに取り組んだ。

　児童は１時間目の授業で学んだ河川の蛇行部に潜む危険性などを振り返る一方、身近な地域の高低差も考えながら作成作業を進めた。

　計８枚のマップが完成すると、松川主任技師は実際のハザードマップを紹介。釧路川を挟み東側と西側で高低差があることを示し、児童のマップと比較しながら災害時に備えるよう呼びかけた。

　さらに、気象情報の見方を解説する一方、釧路川各所にはカメラや水位計が設置され、インターネットで簡単に最新情報を入手できることを紹介。防災に役立つ情報収集の重要性を示した。

(学校 2023-09-29付)