小清水小と小清水中　合同研修会　子の社会的絆を築いて　不登校対応や未然防止へ

（学校 2023-10-04付）

小清水中と小清水小合同研修会

　【網走発】小清水町立小清水小学校（刈谷忠司校長）と小清水中学校（岸澄美子校長）は９月２９日、小清水中で「不登校」をテーマにした合同研修会を開いた。両校の教職員約４０人が参加し、講師として遠軽町教委の小林勝則教育専門員が来校。不登校への早期対応や未然防止に向けたより良い人間づくりについて理解を深めた。

　両校では、前年度から合同研修会を年３回実施している。ことし２回目となる今回のテーマは「不登校」。子ども理解や不登校予防のためのソーシャルスキルトレーニング、保護者への初期対応などについて学ぶことが目的。遠軽町教委の小林教育専門員が来校し講師を務めた。

　はじめに、不登校の早期対応について説明した。不登校の児童生徒の本音をいくつか紹介し①理由を聞かれるが、自分も分からない②学校に行ったら“普通”と言われる―などが多く聞かれていることを示した上で①については「理由を突き詰めるよりも、これからどうしていくかを考えていくことが大切」、②については「学校に来ることができた子どもの行動・外面から安易に“普通”だと判断するのではなく、子どもが感じているかもしれない不安や心の藤など内面のアセスメントが必要となる」などと強調した。

　また「子どもが好きなことだけをしている」「私の育て方が悪かった」「様子を見ましょうと言われる」など、保護者の本音についても伝えた上で「保護者の気持ちに“寄り添う”ことや努力を“ねぎらう”こと、保護者に“ゆとり”を持たせるために自身へのご褒美を勧めることも大切」とアドバイスした。

　続いて、不登校の未然防止について話題が移り、より良い人間関係づくりをしていくための遊びなどを紹介。そのうちの一つ「ほめほめタイム」では、２人一組になって、相手の良いところや魅力などを３０秒間で相手に面と向かって伝えた。

　その後、いろいろな人とペアになり、温かい言葉を互いに交わし合った。

　小林教育専門員は「なぜ不登校になるのかではなく、なぜ不登校にならないでいるのかという視点こそが重要」とし「問題に着目するよりも、子どもを集団につなぎ留めておくソーシャル・ボンド（社会的絆）を築いていくという視点から考えていく方が不登校の予防になるのでは」と呼びかけた。

(学校 2023-10-04付)