道教大附属函館中を国研調査官視察 論理的思考力育成 指導の工夫評価 国語「情報の扱い」の実践参観(学校 2023-10-06付)
附属中国研調査官視察
【函館発】国立教育政策研究所の鈴木太郎教育課程調査官は9月29日、教育課程実践検証協力校事業の一環で道教育大学附属函館中学校(中村吉秀校長)を視察に訪れた。学習指導要領中学校国語で新しく示された「情報の扱い方に関する事項」に関する授業実践を参観し、論理的思考力の育成につながる指導の工夫を確認した。
事業は生徒が学習に取り組む様子の視察を通して、国が示す施策の反映状況を確認することが目的。同校は「各教科等の教育課程に関するもの」のカテゴリーにおいて、国語の協力校の指定を受けている。視察ではCBTを利活用した同校の授業実践とともに、特定の教員の指導の経年変化について、情報を収集した。
公開授業の指導者は米田真琴教諭、阿部奈央美教諭、森谷剛教諭の3人。うち事業指定2年目となる阿部教諭は2年生「勉強の在り方について互いの考えを交流する~根拠をもとに意見文を書く」を指導。
単元は多様な考え方ができる身近な事例について、自分の考えを書く活動。阿部教諭は、定期テスト廃止に対するメリットやデメリットを指摘した上で「勉強の仕方はどうあるべきか」をテーマに、意見文を書かせる授業とした。
本時の目標は「意見と根拠、具体と抽象など情報と情報との関係について理解することができる」。知識・技能の評価基準は「根拠の適切さを考えたり、根拠の理由付けと意見の整合性を検討したりして整理しているか」とした。
授業では、本時の課題を「読み手の納得を得られるように根拠と意見のつながりを見直そう」と提案。事実と理由付けの整合性が理解しづらい例を挙げ、その原因をペアで交流させるなど、学習課題を明確化できるよう工夫した。
生徒は①同じ意見で根拠も同じ②同じ意見だが根拠が異なる③違う意見だが根拠が同じ④違う意見で根拠も違う―の4つの観点をもとに、意見や事実・データ等をタブレット端末で入力する「論理シート」で他者と交流した。
阿部教諭は「この考えは全ての場合に成立するのか」「根拠となる事実・データはほかにあるか」などと質問を投げかけた。端末上で生徒の書き込み状況を把握し、つまずきのある生徒に対しては個別指導を行った。
今回の指導は学習指導要領の「知識および技能」で新設された「情報の扱い方に関する事項」に該当する。
参観した鈴木教育課程調査官は「エラーモデルとして整合性が分かりづらい例を2つ紹介し、間違いを考えさせた場面や、ペアでの話し合いを導入することで、生徒の理解が深まっていた」「論理シートでは4つの観点をもとに相手の改善点をコメント欄に書き込ませたり、再度シートを見直させたりする活動を取り入れるなど、学習指導要領が求める目標まで引き上げる工夫がみられた」などと評価した。
(学校 2023-10-06付)
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