函館市教委 STEAM海洋教育 海を題材に課題解決学習 一部小学校で先行実践し普及へ
(市町村 2024-03-14付)

 【函館発】函館市教委は新年度から、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)と青森県の八戸市教委が開発したSTEAM教材を市内の小・中学校へ導入し、学習指導要領に基づく海洋教育を展開する。地域資源である海を切り口に、理科や社会等の学習内容を踏まえた課題解決学習を推進する。今後は市内の教科サークルの協力のもと、一部の小学校で行う先行実践を通して、取組を全市に普及させる。

 各教科等での学習を実生活での課題発見・解決に生かしていくための教科等横断的な学習に力を入れようと、市教委は昨年9月、全国に先駆けて海洋教育のSTEAM教材を開発した青森県八戸市を訪れ、市内の小学校を視察。市と同様に海に囲まれた地理的環境を素材とした学習は、児童がこれまでの既習事項をもとに新たな「問い」を考えるきっかけや課題を「自分事」として捉えることにつながるなど児童の探究意欲をかき立てる効果が見られたという。

 海洋STEAM教材の一例をみると、小学校5年生で扱う「海の生き物と環境の変化」は理科の「動物の誕生」の単元と関連させて海洋生物に関する知識を身に付けることができる。社会科では輸送と貿易の単元と関連付けることで海の資源や海上輸送の重要性を学ぶことができるほか、グラフや図の読み取りが必要であるため、算数のデータ活用に関する学習においても教科等横断的な学習が想定できる。

 教材には教師用指導資料も含むため、今後は市小学校理科教育研究会と市中学校理科教育研究会の協力のもと、理科と総合的な学習の時間の教科等横断的な学習の在り方などの研究を進める予定。

 市内一部の小学校を協力校として先行実践を進め、小学校高学年から中学校の授業における効果的な指導方法を模索する。

 市教委の酒井光史教育指導課長は「地域の地理的素材を取り入れた学習は現代に求められている教育としても有効と考えられる。海を切り口に世界を知るなど子どもたちの学びの可能性の幅が広がれば」と期待する。

(市町村 2024-03-14付)

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